地際に多肉上の葉をロゼット状に広げ、20センチばかりの花茎を伸ばし、9月から11月頃にかけて白い小さな花を密生させる【イワレンゲ(岩蓮華)】です。 ベンケイソウ科イワレンゲ属の多年草で、関東以西に分布する日本特産種です。 名称は重なり合った葉を「蓮」の開花状態に見立てて、また岩場に自生しているのに由来、別名として「ホトケノツメ(仏の爪)」と呼ばれています。
イギリス海軍士官として、オーストラリア東海岸到達やハワイ諸島を発見した<ジェーイムズ・クック>(通称:キャプテン・クック)が、この<メラレルカ>をお茶の葉として飲んだことから「ティーツリー」の別名が付けられています。 オーストラリアを原産とするフトモモ科メラレルカ属の常緑低木~高木で、オーストラリアの先住民アボリジニが万能薬として愛用していたとされています。 品種も多く観葉植物として育てられたり、コンテナなどの寄せ植えなどに用いられています。 葉は細く小さめの楕円状をしており、日照条件にもよりますが、名称通り輝くような明黄色~明黄緑色の葉になり、花は一般的には白色で、桃色・赤色もあり、「ブラシの木」 に似た花を咲かせる品種も見られます。
【クンシラン(君子蘭)】 が大きく成長していました。 【クンシラン】の葉は、濃い緑色で長くて硬質、孔雀のように羽を広げた姿を見せてくれています。車を停めておられる運転手さんたちが、踏みつぶされていないことにも驚かされます。 種子 から発芽して開花するまで2~3年はかかる種ですので、駐車場になる前から種子が落ちこぼれ、万にひとつの偶然で土間の割れ目から発芽したのかなと眺めておりました。
「ユリ(百合)」を小さくした感じの整った花姿は切り花としても人気がある【アルストロメリア】で、<生け花> シリーズにも数多く登場しています。 花色も 桃色 ・黄色・ 赤色 ・橙色 紫色 複色等多彩で、今回「白色」の品種を見かけました。 ブラジル・チリ・ペルーを中心に約50~100種の野生種が分布しているようですが、【アルストロメリア】の特徴である昆虫を誘う<条斑>があり、また外花被片3枚には淡い緑色の筋も見受けられ、清楚な花姿を見せてくれています。 現在の栽培品種は、ユリズイセン同属間での交配合種がほとんどで、<条斑>の見られない品種もあるとかで、これまた同定に手こずらされそうです。
丸みのある葉に白色の斑入りが美しい【アキラサンス・バリホワイト】は、花壇や植え込みの寄せ植えによく使われています。 ヒユ科アルテナンセラ属の草本で、中南米・北米の熱帯・温帯地域を原産地として約200種ほどが分布している宿根の多年草ですが、気温が10度以下になると枯れてしまい、日本では一年草扱いになっています。 葉を観賞するカラーリーフとしての役割が高く、シリーズ化している 「神戸花時計」 でも、品種名までは分かりませんが、黄色と赤紅色の葉が使われていました。
2年ほど前に一度 【エクメア・ファッシアータ】 を取り上げています。 この種は、花が咲くと親株は枯れてしまい、子株が出てきますが、次の花を咲かせるまでに1年半から3年程度かかると言われています。 パイナップル科エクメア属の常緑多年草で、アマゾン川流域を原産地としています。 花自体は淡い紫色で咲いて数日で枯れてしまいますが、大きな松かさ状の赤桃色のきれいな<花苞>は、3カ月以上も目を楽しませてくれます。 葉の裏側に白粉上の横縞がきれいに現れますが、これは<吸収鱗毛>といい、パイナップル科の共通の特徴で、空気中から養水分を吸収する役目を果たしています。
ラン科セッコク属の園芸洋蘭の一種、「ミカエラ」の大きな鉢植えと遭遇いたしました。 【デンドロビューム】も、「ノビル系」や「キンギアナム系」などに別れていますが、本種は「コチョウラン(胡蝶蘭)」と同じ「ファレノプシス系」です。 長い花茎の先端にたくさんの花を咲かせ、また花持ちがいいので、切り花としても人気がある系統です。 花色も赤紫色・桃色・白色が多く、緑色や黄色の品種がありますが、青色はごく薄い色合いしかないと思っていました。生い立ちの詳細は分かりませんが、本種は比較的に新しい品種かもしれません。
水仙の葉が伸びてきている植え込みの中に、【セイヨウアサガオ(西洋朝顔)】が一輪、元気に咲いていました。 「アサガオ」と同じ、ヒルガオ科サツマイモ属で、多くは毎年花を咲かせる宿根草です。 最盛期には100輪程度が一度に咲き、また霜が降りる頃まで元気に咲いている品種で、わたしの観察記録では 12月22日 まで咲いていたのを確認しています。 今回驚いたのは、草丈10センチにも満たない成長ですが、茎の長さよりも大きな花を咲かせていることで、恐るべき生命力だと眺めておりました。
某マンションの入り口横の植え込みで見つけました、熟した【ザクロ】の実です。 ミソハギ科ザクロ属の落葉小高木ですが、3~4メートルに成長した木々はよく見かけますが、この【ザクロ】は樹高2メートルほどですが、たくさんの実を実らせていました。 ザクロ属は、世界中の亜熱帯で栽培されている【ザクロ】と、東アフリカのソコトラ島に自生している「ソトコラザクロ」の2種しかありません。 初夏に鮮紅色の6枚の花弁尾花を咲かせ、雄しべが多数存在しています。 果実は<花托>が発達したもので球形、秋に熟医師ますと赤く硬い外皮が不規則に裂け、赤く透明な多汁性の果肉の粒が無数あり、果肉一粒一粒に種子が包まれています。
きれいな八重咲きの花姿の【ペチュニア】ですが、品種名は(サマーパープル)です。 ナス科ペチュニア属の多年草ですが、日本では耐寒性がなく1年草扱い、和名では「ツクバネアサガオ(衝羽根朝顔)」です。 南アメリカのエクアドルで1767年、フランスの<コンメルソン>が白色の花を発見、ヨーロッパにもたらしましたが、その後の1831年にブラジルから赤紫色の花が発見され、両者をもとに品種改良は進み、今では 多種多様な品種 が育成されてきています。 【ペチュニア】の八重咲きを作出したのは、韓国の農業の父と呼ばれた<兎長春(須永長春)>で、坂田商会(現サカタのタネ)にて製品化して販売されたのが、世界で最初です。