葉の裏側が、表側と対照的な色を見せてくれる 「ストロマンテ・サンギネア」 や 「ユキノシタ」 などがありますが、この【ムラサキオモト(紫万年青)】も、葉の裏が紅紫色で、葉の形がユリ科オモト属の 「オモト(万年青)」 に似ているのが名称の由来です。 本種はツユクサ科ムラサキオモト属の常緑多年草で、メキシコ南部やグアテマラなどの熱帯アメリカに分布しています。 草丈は約60センチ、茎葉直立しその先に長楕円形のやや肉厚な葉を多数伸ばします。 以前には斑入りの品種 「フイリムラサキオモト=ヴァリエガタ」 を紹介していますが、写真は葉がやや黄色みを帯びた「イエロースター」という品種です。
名称の【タコノキ(蛸の木)】は、「ガジュマル」のように幹から<気根>を数本伸ばし、支柱のように土にしっかりと根付く状態から名づけられました。 小笠原諸島の固有種で海岸近くに自生、別名「オガサワラタコノキ」で、タコノキ科タコノキ属の常緑低木で、雌雄異株です。 花は細長く1メートルほど、大きく鋭い鋸葉をもち、雄株は初夏に白色の花、雌株は淡い緑色の花をつけます。 夏にパイナップル状の集合果を実らせ、秋ごろに熟し、実は茹でて食べることができ、また食用油を採るために利用されています。
5月から8月頃にかけて青紫色の花を咲かせる【イングリッシュラベンダー】ですが、すでに花もなく、葉だけの状態でした。 シソ科ラベンダー(ラバンデュラ)属の多年草で、原産地は地中海沿岸で、寒さには強いのですが、高温多湿を嫌い乾燥した気候を好みます。 ハーブの女王として人気のある品種で、古くは古代ギリシアで沐浴の際に使用され、属名のラベンダー(ラバンデュラ)はラテン語で「洗う」という意味があり、昔は洗濯物にも使用されていました。 花も終わり茎の下には新芽が出ており、本来はその部分を残して思い切って7~8センチ程度に剪定すべきなのですが、観賞用にと眺められているのかもしれません。
高さ60センチばかりで、まだまだ背の低い【ツルマサキ(蔓柾)】でした。 ニシキギ科ニシキギ属の常緑つる性木本で、東アジアが原産地、別名「マルバツルマサキ」や「ナガバツルマサキ」と呼ばれています。 伸びた枝の各所から多数の<気根>を出してたの樹木などに絡みつくか地を這うように成長します。 花期は6月~7月頃で、淡い緑色の4弁花で花径は5ミリほど、最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝をだして花を咲かせる<集散花序>の形態です。 葉は全体的に小さく艶があり、「斑入りの葉」は新芽のときが一番きれいで、徐々に緑色がこくなり、先祖返りで元の緑色一色になることも起こります。
「大菊」の基準花径18センチよりもさらに大きな「三本仕立て」の【国華荘厳】が、飾られていました。 江戸時代から栽培されてきた変わり咲きの一品種群で、数百枚の太い管弁がたくさん集まってこんもりと咲く<厚物>と呼ばれている形態です。 以前にも紹介しています 「国華の印」 など「国華・・・」と付く品種の名称は、大阪府和泉市にあります<国華園>の育成品種で、1927(昭和2)年に創業、国の華(花)として「菊」の苗の品種改良と販売を手掛け、「大菊」の約8割の品種はこの<国華園>が占めています。 黄色の「大菊」としては、「国華開祖」や「国華吉兆」・「国華安国」などがあり、素人ではとても見分けるのは難しい花姿です。
地際に多肉上の葉をロゼット状に広げ、20センチばかりの花茎を伸ばし、9月から11月頃にかけて白い小さな花を密生させる【イワレンゲ(岩蓮華)】です。 ベンケイソウ科イワレンゲ属の多年草で、関東以西に分布する日本特産種です。 名称は重なり合った葉を「蓮」の開花状態に見立てて、また岩場に自生しているのに由来、別名として「ホトケノツメ(仏の爪)」と呼ばれています。
イギリス海軍士官として、オーストラリア東海岸到達やハワイ諸島を発見した<ジェーイムズ・クック>(通称:キャプテン・クック)が、この<メラレルカ>をお茶の葉として飲んだことから「ティーツリー」の別名が付けられています。 オーストラリアを原産とするフトモモ科メラレルカ属の常緑低木~高木で、オーストラリアの先住民アボリジニが万能薬として愛用していたとされています。 品種も多く観葉植物として育てられたり、コンテナなどの寄せ植えなどに用いられています。 葉は細く小さめの楕円状をしており、日照条件にもよりますが、名称通り輝くような明黄色~明黄緑色の葉になり、花は一般的には白色で、桃色・赤色もあり、「ブラシの木」 に似た花を咲かせる品種も見られます。
【クンシラン(君子蘭)】 が大きく成長していました。 【クンシラン】の葉は、濃い緑色で長くて硬質、孔雀のように羽を広げた姿を見せてくれています。車を停めておられる運転手さんたちが、踏みつぶされていないことにも驚かされます。 種子 から発芽して開花するまで2~3年はかかる種ですので、駐車場になる前から種子が落ちこぼれ、万にひとつの偶然で土間の割れ目から発芽したのかなと眺めておりました。
「ユリ(百合)」を小さくした感じの整った花姿は切り花としても人気がある【アルストロメリア】で、<生け花> シリーズにも数多く登場しています。 花色も 桃色 ・黄色・ 赤色 ・橙色 紫色 複色等多彩で、今回「白色」の品種を見かけました。 ブラジル・チリ・ペルーを中心に約50~100種の野生種が分布しているようですが、【アルストロメリア】の特徴である昆虫を誘う<条斑>があり、また外花被片3枚には淡い緑色の筋も見受けられ、清楚な花姿を見せてくれています。 現在の栽培品種は、ユリズイセン同属間での交配合種がほとんどで、<条斑>の見られない品種もあるとかで、これまた同定に手こずらされそうです。
丸みのある葉に白色の斑入りが美しい【アキラサンス・バリホワイト】は、花壇や植え込みの寄せ植えによく使われています。 ヒユ科アルテナンセラ属の草本で、中南米・北米の熱帯・温帯地域を原産地として約200種ほどが分布している宿根の多年草ですが、気温が10度以下になると枯れてしまい、日本では一年草扱いになっています。 葉を観賞するカラーリーフとしての役割が高く、シリーズ化している 「神戸花時計」 でも、品種名までは分かりませんが、黄色と赤紅色の葉が使われていました。