小さな黄色の花よりも、特徴のある「葉」に先に目がとまりました【ノゲシ(野芥子)】です。
キク科ノゲシ属の一種で、別名「ハルノノゲシ」や「ケシアザミ」と呼ばれています。
和名に「ケシ」が付いていますが、「ケシ」(ケシ科)と「葉」が似ているだけで植物分類学上は全く別系統になります。
原産地はヨーロッパとされ、稲作などの導入と共に日本に根付いた史前帰化植物です。
花期は春から秋で、黄色の「タンポポ」のような花を咲かせます。
茎は中空で、多数の稜があり、葉は柔らかく羽状に切れ込み、縁には不揃いの鋸葉が見て取れます。
住宅の玄関の前にたくさんの植木鉢があるお宅ですが、鉢植えの【ネリネ・フミリス】を見つけました。(この場所、夏には 「サンゴバナ」 のプランターが置かれていました)
ユリ科ネリネ属の多年草で、南アフリカ・ケープ地方を原産地としています。
葉の長さは30センチばかり、花茎を伸ばして先端に淡い桃色から濃い桃色の花を咲かせ、開花は11月~12月、細い花弁は波打つようなフリルが特徴的な6弁花です。
日本でのネリネ属の植物は南アフリカ原産の「サルニエンシス種」で、本種と同様に冬育生型で夏は休眠していますが、良く似た花を咲かせる「ネリネ・ウンズラータ(ヒメヒガンバナ)」は、ほとんど常緑で夏でも休眠しません。
キク科ダリア属としての植物は、メキシコから中米にかけて約30種ほどが分布しています。
そのなかで茎が木質化する3品種が「ツリーダリア」と呼ばれ、【皇帝ダリア】はそのなかでも特に茎が太くなり草丈も3~4メートル、大きなものでは6メートルにも成長します。
キク科として短日性植物ですので、開花時期は11月中旬から下旬にかけて咲きだします。
写真の【皇帝ダリア】の茎は直径10センチばかりあり、別名「木立(こだち)ダリア」と呼ばれているのがよくわかる姿をしています。
まだまだ蕾の数も多く見受けられ、ここ暫くは、きれいな花が楽しめそうです。
3~4センチばかりの花径の小菊ですが、伸びた舌状花は白色で、頭状の部分は淡い黄色の花姿を見せてくれています【寒水(カンスイ)】という品種です。
綴りは同じですが岐阜県郡上市明宝寒水(かのみず)にある白山神社では、300年以上続く伝統的な『寒水の掛踊』があり、国選択無形民俗文化財の指定を受けています。
これはあまり、<キク>とは関係がないようで、品種名の由来とは考えられません。
また<中島みゆき>のアルバムに『寒水魚』(1982年)というのがありますが、これは作者自身が「熱帯魚」をもじった造語で、これも関係なさそうです。
一番すっきりと合いそうなのは園芸関係として、盆栽や植木鉢の表面の仕上げとして用いられる白色の「寒水砂(石)」かな、と考えながら眺めておりました。
一見アオキ科アオキ属の斑入りの 「アオキ」 の葉かなと見間違えるほどよく似ています、リューゼツラン科ドラセナ属の【ドラセナ・スルクロサ】です。
<ドラセナ>はアジア・アメリカ・アフリカの熱帯~亜熱帯地域に約50種ほどが分布している常緑樹で、気温5度以上あればよく、樹高60~200センチほどになります。
この【ドラセナ・スルクロサ】は、卵形の葉に星のような細かい斑点がたくさん入るのが特徴で、和名としては「ホシセンネンボク(星千年木)」と呼ばれ、新しい葉のときには黄色の斑点、古くなると白色に変化していきます。
正式名称は【ドラセナ・スルクロサ】ですが、園芸業界では旧名の「ドラセナ・ゴッドセフィアナ」で流通しているかもしれません。
新しい品種でしょうか、花径5センチ前後、花弁(舌状花)の先端が淡い桃色で地は白色、中心部が黄色を帯びている【ソラヤ】という品種です。
詳しく品種を調べようとしましたが、詳細は分かりませんでした。
「ソラヤ」という品種名は、<バラ>や<カーネーション>・<アジサイ>にもありますが、それぞれに共通した特徴は見い出せません。
煉瓦色を含む独特の朱色の<バラ>の「ソラヤ」は、おそらくイランの<パーレビ国王>の二人目の妻である元王妃<ソラヤ>に由来していると思われますが、他の植物の名称の由来も不明です。
先だっては花径30センチばかりの大菊 「国華荘厳」 をアップしましたが、この淡い黄色の品種【わたがし】は、花径10~15ミリと小さな花が密集して咲いています。
確かに花色と小さな花姿より、駄菓子である「綿菓子」の印象が浮かんできます。
最初に電動綿菓子製造機を制作したのは、アメリカ・テネシー州の菓子製造メーカーで、1897(明治30)年でした。
1904(明治37)年に開催された「セントルイス世界博覧会」に出展、瞬く間に人気が出て広まりました。
縁日や祭りなどの屋台でよく見かけました「綿菓子」は、おじさんが手際よく割り箸に絡めていく作業が面白くてよく眺めておりましたが、最近は見かけなくなりました。
道路脇に置かれている、鉢植えの<ツバキ>の花が咲き始めていました。
<ツバキ>は花の少ない冬に咲くだけでなく、冬にも落葉しない葉を持つことから、上代には不老長寿や邪気を払う力があると信じられていました。
ツツジ目ツバキ科ツバキ属には、中国を中心に約200種が分布する常低木または高木で、現在の園芸品種は「ヤブツバキ」を中心に交配が進み、一重咲き・八重咲き・唐子咲きなどがあり、花色も赤・桃色・白や黄色と実に多彩です。
写真を撮ろうとしましたら、蕊の中で黒いモノが動き、昆虫かなと観察しますと「蟻」でした。
おそらく植物の汁液を吸っている「アブラムシ」がいるようで、彼らの甘い排泄物は「蟻」の好物です。
「蟻」が植物を登っていくのは、「アブラムシ」などの吸汁害虫が寄生していることになりますが、「蟻」は甘い汁を貰う代わりに「テントウムシ」や「カゲロウ」・「ヒラタアブ」などの天敵から、「アブラムシ」を守ってやる共生関係ができています。
1950年代、アメリカの<ヨダー>社が、花径4~5センチと矮性の鉢植え(ポット)向きの矮性の園芸品種を育成、「ポットマム(洋菊)」の名で販売・普及、通常「ヨダーマム」と呼ばれています。
この黄色い<キク>は明らかに「ポットマム」の花姿で、【ブルーミングビューティー】と呼ばれていますが、残念ながら種苗元までは分かりません。
<キク>は自然開花の時期により、夏菊 ・ 夏秋菊 ・ 秋菊 ・ 寒菊に分類されていますが、「ポットマム」は秋菊になります。
短日植物として、日が短くなると花芽をつかかすが、人工的に電灯などで日照の時間調整を行い、通年栽培品種が市場に出回っています。
クズウコン科カラテア属は、ブラジルを中心とした熱帯地方に分布、100を超える品種がありますが、代表的な品種の【カラテア・マコヤナ】です。
広楕円形の葉は、淡い黄緑色と濃い緑色の斑紋がきれいに入り、葉の裏側は赤紫色をしています。
カラテア属は短茎、根出葉で、スランタ属とほとんど区別ができませんが、花の構造が違い、カテリア属は<仮雄蕊(かゆうずい)>が1本で、子房は3室の花を有しているの対し、スランタ属は<仮雄蕊>が2本あり、子房は1室です。
和名では、「ゴシキヤバネバショウ(五色矢羽根芭蕉)」と呼ばれています。
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