「アバンギャルド」は、前衛芸術または前衛美術などを指す言葉として使用されていますが、フランス軍の先陣隊を指す言葉でもあり、しばし政治的意味合いをも含んでいます。
この【アバンギャルド】は、赤色の一重咲き品種「ベンバンザンテン」と、淡黄色の八重咲き品種「ベロナ」との交配から作出されています。
一重咲きの卵形の花姿の<チューリップ>と比べますと、同じ仲間のなおかと訝る花姿で、まさに八重咲きの花弁が、自由奔放に広がっています。
同じ品種が複数植わっていますと、やはりきれいな花姿を選びますが、この【エアー】の特徴である桃色と緑色の2色がきれいに出ているのは、右隣の<チューリップ>でした。
一重咲きの品種から突然変異で生まれたのが<パーロット咲き>ですが、「オウム」の羽のような感じの花弁の花姿で<八重咲き>です。
原産地のトルコからヨーロッパに渡り、特にオランダでの品種改良は目覚ましいモノがありますが、チィーリップ産業の基盤を築いたのは、ライデン大学の植物学教授<C・クルミウス>です。
ちなみにライデン大学付属植物園には、<シーボルト> が日本から持ち帰った「イチョウ」や「フジ」が、いまだ元気に育っています。
あちらこちらの花壇や植え込みに、<チュリップ>の花が目立ち始めました。
柔らかい桃色の色合いと白色の対比のグラデーションがきれいな花姿で、<八重咲き>の早咲き品種【フォックストロント】は、オランダにて作出されています。
やさしい色合いを眺めていて、『ローマ神話』に出てくる<プラト>の神の娘<チューリップ>という美しい乙女のことを思い出しました。
ある日秋の神<ヴェルツーヌ>が彼女に一目惚れしてしまいます。追いかけても逃げられ、いつまでたっても捕まえることができません。業を煮やした<ヴェルツーヌ>はどんな手段でもと考えたとき、<チューリップ>は貞操の神<ディアーナ>に頼み、一輪の花に変えてもらいました。
この品種は咲き進むにつれて桃入りの色合いが濃くなり、恥じらう乙女の<チューリップ>を彷彿させる品種です。
「アルマーニ」と聞けば、イタリア・ミラノにて、1975年に<ジョルジオ・アルマーニ>が41歳のときに設立したファッションブランドを思い浮かべてしまいます。
メインブランドの「ジョルジオ・アルマーニ」のほか、神戸にも店舗がある「エンポリオ・アルマーニ」などの姉妹ブランドを始め、化粧品や高級レストランなど多彩な事業を展開させています。
おそらくこのファッションブランドのイメージから名づけられたと思われる<チューリップ>の【アルマーニ】は、濃厚なワインレッドの白い縁が入る二色先で、光沢があり花弁に厚みがあります。
落ち着いた大人の雰囲気を感じさせる、トライアンフ系の<チューリップ>らしいネーミングだと、眺めておりました。
以前にも <アネモネ>(5) のときに記述していますが、名称はギリシア語の「風」を意味する「anemos」から名づけられており、英名でも「winnd flower」です。
ギリシア神話では女神<アフロディーテ>の涙から生まれたとされ、ローマ神話では風の神<ユピテル>に愛された少女の生まれ変わりだとされています。
また、西風の神<ゼフィール>が、春の女神<クロリス>に仕える少女<アネモネ>に恋をするのですが、<クロリス>は自分が愛されていると思い込み、<アネモネ>だとわかったときに、彼女を追放してしまいます。
かわいそうに思った<ゼフィール>は、少女を花の姿に変え、イギリスではこの伝説にちなみ「ゼフィールの花」と呼ばれています。
キリスト処刑の日の夕方、カルヴァリの丘に映えていた<アネモネ>に、イエスの血がしたたり落ち、それ以来<アネモネ>の花は赤くなったとされています。
開花時期としては、3月~5月頃の【丸葉ブルーデージー】です。
春に開花したあとに切り戻しをして、うまく夏を越せれば、秋にまた花が楽しめます。
きれいな青色の花弁(舌状花)と黄色の対比がかわいい花姿で、日当たりが悪いのか、花弁の先端が丸まっていました。
花の直径は3~4センチ、草丈は10~15センチ程度ですが、本来は常緑性低木ですので、原産地の南アフリカでは1メートルほどに成長します。
名称通り葉がふっくらと丸く、葉長も長くて3センチ程度とあまり大きくなりません。
<デージー>と名が付いていますが、「デージー」はキク科ヒナギク(フェリシア)属で、この「ブルーデージー」は同じキク科ですが、ルリヒナギク(フェリキア)属に分類され、和名では「ルリヒナギク(瑠璃雛菊)」と呼ばれています。
春先に香りのよい花が楽しめる【ヒヤシンス(風信子)】は、キジカクシ(ユリ)科ツルボ亜科ヒヤシンス属の球根性多年草です。
原産地は、地中海東部からイタン・トルクメニスタンにかけて分布し、オスマン帝国にて栽培されていました。
日本にはフランスから、「チューリップ」と共に1863(文久3)年に渡来、いまでは2000種を超える品種が改良されています。
【ヒヤシンス】は「ダッチ系」と「ローマン系」があり、一般的には写真のように一本の花茎に花をたくさん咲かせる「ダッチ系」が多く、水栽培などで使用されているのはこの系統です。
花壇に植えこまれていた、鮮やかな黄色の<ラナンキュラス>です。
花弁が折り重なるように咲く花姿は豪華ですが、この<ラナンキュラス>は、その花弁がまた波打つ形状で咲いていました。
キンポウゲ科キンポウゲ(ラナンキュラス)属の多年草で、ヨーロッパ・西アジアを中心として世界中に500種以上が分布していますが、園芸的に<ラナンキュラス>の名で流通しているのは「ラナンキュラス・アシアティクス」の改良品種が多くを占めています。
和名では「ハナキンポウゲ(花金鳳花)」です。
<ラナンキュラス>の名称は、ラテン語で<蛙>を意味する「ラナ」を語源とし、<蛙>が多くいそうな湿地帯に自生しているのにちなんでいます。
黄色の<ラナンキュラス>として品種を調べてみましたが、花弁の形状から「バンドーム」かなとも思えるのですが、同定するまでには至っていません。
青紫色の花弁が少し波打ち、中心部に白い斑が入り、中心部がまた濃い紫色で、きれいな花姿の<アネモネ>です。
<アネモネ>はキンポウゲ科イチリンソウ属の多年草で、西アジアの温帯地域や地中海沿岸を中心として約120種以上の野生種があり、日本にも 「シュウメイギク(秋明菊)」 を始め約10種が自生しています。
名称の<アネモネ>は、種に長い毛を持ち、風によって運ばれることにちなんで、ギリシア語で「風」を意味する[anemos]に由来しています。
園芸品種の<アネモネ>は、赤色で馴染のある「アネモネ・コロナリア種」を元にして作出された品種が多く、写真の<アネモネ>は一重咲きの大輪の花を咲かせる<デカン>系だとまではわかるのですが、品種名の特定まではできませんでした。
昨日紹介した 「カナスタ」 と同様に、輝きのある明るいピンク色の花弁の縁に、細かい切れ込みが入る<フレンジ咲き>の【キャシャレル】です。
発表されたのは2013年とまだ新しい品種で、独特のフリル形状が、これから人気を博しそうです。
品種名の【キャシャレル】は、フランスのファッションメーカーの名前ですが、フランス南部にあるプロヴァンス地方カマルグの<鳥>の名称でもあるようで、フリル状の鶏冠や尾羽でもあるのかなと想像しています。
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