湊川神社の境内には色々な品種の桜が植えられているようで、この【マメザクラ(豆桜)】もそのうちの一種です。
富士近辺やその山麓、箱根付近等に自生している野生種で、「フジザクラ(富士桜)」や「ハコネザクラ(箱根桜)」の別名があります。
マメ(豆)の名が示すように、本種は樹高が8メートル程度と高くならず、1メートルでも花を咲かせますので、庭木や盆栽として利用されています。
花の開花期は3月~5月上旬で、花弁は白から薄い紅色を帯び一重咲き、花径2センチ程度とあまり大きくはありません。
葉は大きなギザギザに細かいぎざぎざが入る<重鋸葉>で、葉柄は1センチ程度で軟毛が生えています。
湊川神社の境内に植えられている<サクラ>として、「ケイオウザクラ(敬翁桜)」 ・ 「プリンセス雅」 ・ 「オオシマザクラ(大島桜)」 などを取り上げてきました。
すでに「オオシマザクラ」は花も散り、葉が茂り始めていますが、この【シズカニオイザクラ(静匂桜)】は、ようやく花が開花し始めています。
東京都小金井市の小金井堤の山桜の実生から選別された園芸品種で、国立遺伝子研究所の故<竹中要>(「ソメイヨシノ」が植物遺伝学の立場から「エドヒガン」と「オオシマザクラ」の雑種起源説を提唱)により作出されています。
花径25ミリ程度の中輪、5弁花の一重咲き、花の色は淡い紅色で、花弁の裏側が濃い紅色をしています。
昨夜は板宿駅から南下、国道21号線沿いを西向きに歩いて<呑み処「えっちゃん>まで出向きましたが、その国道の植え込みにきれいな<ツバキ>が咲いていました。
<ツバキ>の花は『日本書記』や『万葉集』にも9首が登場、古来から日本人に愛されてきた花で、花期は冬から春にかけて咲き、早咲きの品種は冬最中に咲き出しますが、季語としては春です。
他家受粉で結実するため、また「ユキツバキ」などと簡単に交配するために、花色・花姿に変異が生じやすく、江戸時代より品種改良が行われ、日本だけでも2000種を超えています。
淡い桃色の「千重咲き」の品種で、「オトメツバキ(乙女椿)」かなと感じたのですが、花弁が尖り気味かなと感じ、同定できませんでした。
1912(明治45)年、<尾崎行雄>東京市長(当時)により日本から桜の木が首都ワシントンD.C.へ贈られ、その返礼として<タフト>アメリカ大統領から日本に40本の「ハナミズキ(花水木)」の 白花種 が寄贈されました。
2015(平成27)年に寄贈から100周年を迎えることを記念して、特殊切手として「米国からのハナミズキ寄贈100周年」が、2015年4月10日(月)に発行されています。
写真は 紅花種 ですが、額面「82円」切手10枚(図案は7種類)を1シートとして、グラビア6色、切手デザイナー<貝淵純子>の意匠です。
当時贈られた40本の「ハナミズキ」は、日比谷公園などに植樹されましたが、現存しているのは「東京都立園芸高等学校」の1本だけです。
毎年おいしそうな実をたわわに実らせるご近所の 【スモモ(李)】 の木ですが、きれいに咲き出しています。
バラ科サクラ属の落葉小高木で、原産地は中国ですが、英名では「Japanese plum」と呼ばれています。
【スモモ】はわたしの好物なだけに、採集されずに熟した実がボタボタと地面に落ちている場面と遭遇しますのは、残念でなりません。
この【スモモ】の白色の花を眺めながらお家の前を通るときには、『万葉集』(巻19-4140)の<大伴家持>が詠んだ、「わが園の 李の花か 庭に散る はだれのいまだ 残りたるかも」を、思い出してしまいます。
花壇の寄せ植えの中に、顔をのぞかせていた<アラビス>の品種【スプリングチャーム】で、いかにも春咲き出す花としての名称だとおもいます。
アブラナ科アラビス属の多年草で、原産地はヨーロッパ南部の山岳地ということで、非常に寒さにはつよく、-15℃まで耐えますが、逆に高温多湿には柔く、暖地では一年草扱いになっています。
アブラナ科らしい4弁花の形状で、花径は1センチ程度、草丈は10~20センチ程度です。
あまり見かける品種ではないと思いますが、白色の「コウシカ」という品種もあります。
きれいな花姿の【ミヤコワスレ】が、咲き出していました。
キク科ミヤマヨメナ属の多年草ですが、本種は「ミヤマヨメナ(深山嫁菜)」の園芸品種で、花径は3~4センチ、花色は濃青紫色・淡青紫色・白色・桃色などがあり、草丈は、矮性種では20センチ程度、高性種では70センチぐらいに育ちます。
日本固有の園芸品種として、江戸時代から栽培・改良されて育成されてきました。
名称は漢字で書くと「都忘れ」ですが、由来は諸説あるようで、順徳天皇が佐渡島へ島流しにされたとき、この花を見て都を思い出したとの逸話が有名ですが、残念ながら鎌倉時代には本種は存在していませんので、別のキク科の花だったとおもいます。
清楚な白い花弁を持つ【リキュウバイ】ですが、漢字で表示しますと「利休梅」となり、茶人の<千利休>が好んだ茶花のようにおもえますが、日本に導入されたのは明治時代末です。
バラ科ヤナギザクラ属の落葉低木で、原産地は中国、別名として「バイカシモツケ(梅花下野)」や「ウメザキウツギ(梅咲き空木)」、また「マルバヤナギザクラ(丸葉柳桜)」と呼ばれています。
開花時期は4月~5月、花径4センチほどの梅に似た白い5弁花を、新芽と同じぐらいの時期に咲かせ、花弁の形状には変化があり、花弁の付け根は細くなっています。
満開に咲き出しても豪華さはあまりなく、清楚な佇まいが、茶花として人気がある所以だとおもいます。
斜め上に枝を伸ばし、鮮やかな黄色の4弁花を咲かせている【シナレンギョウ】を、公園の生け垣で見つけました。
モクセイ科レンギョウ属の落葉広葉樹で、原産地は中国、春に葉とほぼ同時に黄色の花を咲かせ、雄しべは2本、花柱は雄しべよりも長いです。
秋になる果実には<ルチン>が含まれていて、民間療法としでは消炎や利尿・解毒に効くとされています。
大気汚染や病虫害に強く、どんな土壌でもよく育ちますので、公園や生け垣などに用いられています。
【オオシマザクラ(大島桜)】は、大島をはじめとする伊豆諸島に自生しているのが名称の由来で、古くから薪炭用として植えられていたため、「タキギザクラ」の別名があります。
本種は、「エドヒガン」との一代交配種として「ソメイヨシノ」などの園芸品種を生み出している野生種です。
花期は3月~4月にかけ咲き出し、葉の成長と共に枝の先端から数輪の白い5弁花を咲かせます。
葉は長さ5~10センチ程度で、先端が尖った倒卵形もしくは楕円形で互生、細かい鋸歯をもち、晩秋に紅葉する落葉高木です。
和菓子の「桜餅」は、この【オオシマザクラ】の若葉を塩漬けしたモノが用いられ、独特の香りは「クマリン」という成分が主体で、秋の七草 である「フジバカマ(藤袴)」と同じ香りです。
右上の花弁に、長さ4ミリほどの黒い糸状のモノが写っていますが、孵化したばかりの毛虫ですが、さすがにこの大きさではどの「蛾」の幼虫かの同定は難しいのですが、バラ科に発生する「オビカレハ」の幼虫かなと見ています。
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