写真では明るめの<蕚>の色合いが出ていますが、実物はもう少し暗い濃赤色の花色をしています。
草丈2.5~3メートル、花径8~12センチの中輪多花性で、開花時期は5月~10月頃と長く楽しめる品種で、横向きに咲いています。
花の付き方は、前年の旧枝は株近くまで枯れ、土中または地上部付近に残った枝から新枝を伸ばして咲く「新枝遅咲き系」です。
ヨーロッパの「ビチセラ」とアジア系の「カザグルマ」を交配させた「ジャックニー」を交配親とする系統種で、「ジャックニー・ビチャラ系」の品種に当たります。
お庭一杯に、花弁が紅紫色の 【シラン(紫蘭)】 と白色の 【シロバナシラン(白花紫蘭)】 が、仲良く混成して咲いているのを見つけました。
ラン科植物の種子は一般的に特別な条件がそろわないと発芽しませんが、本種は地生ランとして日向の草地などでよく育ち、花後に出来る 長い実 には種子をたくさん含んでいて、よく飛び散らして株が増えていくようです。
面白い造形の花姿が特徴的な【ユキノシタ(雪の下)】は、ユキノシタ科ユキノシタ属の多年草です。
花に先立ち、地表面に多数のほふく茎を出し、その先端に新しい個体を形成、葉は円形に近い腎円形で、葉の裏側 は赤みを帯びています。
葉はやけどなどのときに張り付けたり、搾り汁を熱冷ましに利用するなど民間薬として利用されていましたので、庭先などに良く植えられています。
<愛川晶>のミステリー小説 『六月六日生まれの天使』 の文庫本の表紙には【ユキノシタ】が用いられ、物語の伏線になっていました。
兵庫区大開通にありますNTTコミュニケーションズの「神戸大開ビル」の花壇に、黄色の「西洋オダマキ」の品種である【イエロー・クィーン】が咲いていました。
キンポウゲ科オダマキ属に分類され、日本原産の「ミヤマオダマキ」とヨーロッパなどを原産とする「西洋オダマキ」に大きく分けることができます。
「ミヤマオダマキ」は草丈20~30センチ程度で、花径4センチばかり、白色から紫色までの色幅があり、桃色がかった園芸品種もあります。
「西洋オダマキ」は草丈70~80センチ、花径もやや大きく、花色も赤色・桃色・白色などがあり、本種のようにきれいな黄色など多彩です。
花は5枚の<蕚>と筒状の花弁の構成で、<蕚>の後ろ側に角のような<距>が突き出ている特徴が面白いです。
お家の塀代わりに、きれいに剪定された<フイリハクチョウゲ(斑入り白丁花)>の生け垣があり、名称通り「チョウジ(丁子)」に似た葉に、白い花を咲かせます。
アカネ科ハクチョウゲ属の常緑低木で50~150センチの樹高、原産値は中国・台湾・インドシナです。
5月~6月頃にかけて開花、花径1センチばかりの5裂した花冠を持ち、雄しべの長い種と短い種があります。
蕾のときは淡い桃色をしていますが、花は白色ですが、花弁の裏側はほんのりと桃色が残っています。
「ハクチョウゲ」の園芸品種としては「フタエザキハクチョウゲ」や「ヤエハクチョウゲ」、紫がかった「むらさきハクチョウゲ」など花姿に変化があるものや、写真のように「葉」に縁取りが入る「フイリハクチョウゲ」などがあり。また変種として 「ダンチョウゲ(段丁花)」 などがあります。
<ボタン>はボタン科ボタン属の落葉小低木の総称として用いられ、原産地は中国、原種は5種ばかりあり樹高は3メートルですが、接ぎ木で育成される園芸品種では1~1.5メートルです。
写真は【聖代(せいだい)】ろいう品種ですが、和名の由来は分かりませんでした。
濃い桃色の千重咲きの大輪で花径15センチばかり、株の勢いが強い品種で、花弁の先端部分が半透明になり、ぼかしめいた雰囲気が妖艶です。
<ボタン>は8世紀頃の奈良時代に、中国より薬用植物として渡来していますが、前後に編纂されている日本で現存する最古の和歌集『万葉集』には、<ボタン(牡丹)>は登場していません。
平安時代には観賞用に植えられているようで、<清少納言>の『枕草子』(143段)には、<台の前に植ゑられたりける牡丹などのをかしきこと>などと登場しています。
また<藤原道綱母>の『蜻蛉日記』(天禄2年6月)には、<何とも知らぬ草どもしげき中に牡丹草どもいと情けなげにて、花散りはてるを見るにも>とあり、観賞用として親しまれていたのが読み取れます。
品種名の名に恥じないきれいな黄色の葉で、確かに見た目に「チキンナゲット」の感がある【ラミウム・ゴールドナゲット】です。
シソ科ラミウム属(オドリコソウ属)に分類され、属の仲間として 「ラミウム・ガリオブドロン」 や 「ラミウム・ビーコンシルバー」 など約40種あり、匍匐性のある常緑宿根草です。
斑入りの葉が地表面を這うように成長、耐寒性・耐陰性に優れています。
5月頃に花径1センチ程度の小さな花をたくさん咲かせ、花色は白色~淡い桃色~紫色系です。
一般的に「ラミウム」と呼ばれているのは、ヨーロッパ原産の「マクラツム」という品種で、葉の中央に銀白色の線上斑が入る特徴を持っています。
花弁が白色の 【シャリンバイ(車輪梅)】 は、アップしてきていますが、淡い紅色は初めての登場です。
バラ科シャリンバイ属の常緑低木で、主に西日本に分布、花の形が<梅>に似て、葉が枝先の一か所から放射状に多数別れることから、和名が付けられています。
4月~6月頃に5弁花を咲かせ、花径は10~15ミリ程度、雄しべは多数あります。
10月~11月頃に直径10ミリ程度の球形の黒紫色の 果実 を実らせます。
奄美大島では「テーチの木」と呼ばれ、このチップを煮こんで大島紬の占領に用いることで有名です。
日本や中国産の「ツユクサ」は花弁が2枚ですが、【ムラサキツユクサ(紫露草)】は北アメリカ原産で、花弁は3枚です。
花としては寿命の短い<一日花>ですが、蕾が多数つき、次々と開花していきますので、あまり気が付きません。
ツユクサ科ムラサキツユクサ属に分類、属には 「トキワツユクサ」 や 「ムラサキゴテン」 、縦に縞の入る葉を持つ「シマムラサキツユクサ」などが仲間としています。
花期時期は6月頃から9月頃で、過去に2回ほどアップしていますが、いずれも6月でした。
浸透圧や減数分裂の観察などに利用される理科実験の素材で、葯の基部からは単細胞列の毛がたくさん生えており、細胞内部が紫色の色素を含んだ液胞で満たされていますので、顕微鏡でかんさつすると美しい世界が楽しめます。
バラ科サクラ属の果樹である「ミザクラ(実桜)」の果実を【サクランボ】と呼んでいます。
花を観賞する品種の<桜>では実は大きくなりませんが、果樹である「ミザクラ」は大きく東洋系とヨーロッパ系に分かれ、日本で栽培されている大半はヨーロッパ系で、その数は1000種を超えています。
「サクランボ」や「りんご」・「洋梨」などが日本に導入されたのは1869(明治2)年で、ドイツ人貿易商<R・ガルトネル>により、北海道七重村(現:七飯町)に植えられたのが最初です。
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