石積み石垣で、巣の下見中でしょうか、【ムモントックリバチ】と遭遇しました。
ハチ目(膜翅目)ドロバチ科の昆虫で、体長20ミリ程度の大きさです。
泥でトックリ型の巣をつくる「トックリドロバチ」がよく知られていますが、この【ムモントックリバチ】は、石や瓦のへこみなどに好んで巣をつくる習性があります。
へこみのスペースを上手に利用して、巣作りの作業手間を省こうという、なかなかの戦略家です。
出来上がった巣に自分の卵を産み付け、捕獲した蛾の幼虫を餌として詰め込んだ後、入り口をふさぎます。
巣の中で孵化した幼虫は蛾の幼虫を食べて成虫になり、蓋を破って外部に出てきます。
大きな面積の石垣ですので、どこかにいい場所が見つかればいいなと、見ておりました。
よく知られている「ナナホシテントウ」というテントウムシがいますので、なんとなく二個の紋がありますと「フタツホシテントウ」、四個ありますと「ヨツホシテントウ」と言いたくなりますが、正確にはすべて【ナミテントウ(並天道虫)】です。
甲虫目テントウムシ科テントウムシ亜科の昆虫で、体長は「ナナホシテントウ」と同じ7ミリ前後です。
(ナミ=並)と言われるように、「赤地に細かい黒紋」「黒地に大きな赤紋」「全体が黄赤色」など、上翅の模様は多種多様です。
基本的には、<2紋型・4紋型・斑型・紅型>の4型に、分類されています。
「ナナホシテントウ」と同様に一般的なテントウムシですが、あまり見かけなくなり、(並)でなくなるのではないかと少し心配です。
体長20ミリ程度しかありませんが、とてもきれいな翅模様を持つ【ヤマトシリアゲ】です。
シリアゲムシ目(長翅目)シリアゲムシ科の昆虫で、年ニ回発生します。
4~5月に羽化したものは、写真のように全体が黒く【ヤマトシリアゲ】と呼ばれ、お尻の形状で「メス」だと分かります。
7~8月に生まれたものは全体がべっこう色で、「ベッコウシリアゲ」と呼ばれています。
透明感のある翅に黒い模様が入り美しく、見ていて飽きません。
「ブ~ン」とわりと大きな羽音を立てて飛んでいますので、ハチ類かと一瞬身構えましたが、ハエ目(双翅目)ハエ亜科(短角亜目)ムシヒキアブ科の【トラフムシヒキ】でした。
普通は翅を重ね合わせていますが、運よく翅を広げてとまっており、腹部の模様までしっかりと確認できました。
体長は25ミリぐらい、腹部の濃褐色と淡褐色~黄褐色の縞模様がきれいな昆虫で、<トラフ=虎斑>の名が付いているのだと思っています。
甲虫やハエ、ガなど、他の昆虫を捕らえて食べる肉食性です。
鮮やかな黄色い体に、黒い斑紋を持つ【ホシアシブトハバチ】の幼虫が、移動中でした。
体全体にあるドット模様が印象的で、成虫になりましても、黄色い体の腹部に同じように黒い斑紋が残っています。
この【ホシアシブトハバチ】は、ハチ目(膜翅目)広腰亜目コンボウハバチ科アシブトハバチ亜科と、分類は「蝶」や「蛾」のチョウ目(鱗翅目)とは違います。
一般的に「蝶」や「蛾」の幼虫は、3対の「胸脚」と4対の「腹脚」、そして1対の「尾脚」があり、「胸脚」が昆虫としての6本の脚になります。
「ハバチ」の仲間の幼虫の「腹脚」は通常6~7と多く、チョウ目の幼虫との区別の目安ができます。
チョウ目の 「シャクガ科」 の幼虫は「腹脚」が見られず、「尺取り」移動を見せてくれる特殊な生態をしています。
今年は例年になく【ナナホシテントウ】の当たり年のようで、よく見かけます。
これも温暖化の影響で、前年からの越冬がしやすくなったからかもしれません。
ヨモギの葉の裏で、静かに交尾中の【ナナホシテントウ】を見つけました。
普段なら葉をせわしなく動き回りながら、餌となるアブラムシを探しまわりますが、さすがに動かずに静かにしておりました。
交尾後は数十個の卵を、餌場となる近くの葉の裏側などに産卵します。
メスは約二カ月に渡り産卵を続け、1500~2000個の卵を産み付けますが、成虫になるのはわずかです。
第二世代は夏に出現しますが、無事に<卵 → 幼虫 → 蛹 → 成虫>という完全変態を経て、元気に飛び回ってほしいものです。
どこにでも見かける昆虫の【マルカメムシ】ですが、それでも遭遇する機会は少なくなりました。
カメムシ目(半翅目)胃翅亜目マルカメムシ科で、日本には十数種分類されています。
体長は5ミリと小さく、茶色で丸っこい形をしています。
<小楯板>は腹部全面をおおい、前翅はこの<小楯板>の下にたたみこまれます。
光沢がありますので一見甲虫類に見え、甲羅には黒い斑点が入っています。
カメムシの仲間は臭気を出すものが多く、特にこの【マルカメムシ】は一段と匂う嫌われ者の代表格ですので、手で捕まえることは止めておきました。
風に揺れている梢を見ていましたら、何やら枝のようなものが目に入りました。
よく見ますと、チョウ目(鱗翅目)シャクガ科エダシャク亜科の【ヨモギエダシャク(蓬枝尺蛾)】の幼虫、いわゆる「尺取り虫」さんです。
体長60ミリ程度と細長く、3対の「胸脚」と「尾脚」の間隔が離れているのが特徴です。
淡褐色の体色に細かい梨地模様が入り、木の幹や枝にとまっていますと、見つけるのは容易ではありません。
名称には「ヨモギ」と名がついていますが、、キク科・マメ科・バラ科・クワ科等、多種多様な葉を食べますので厄介ものです。
「尺取り虫」はよく使われる言葉ですが、案外本物を知る人は少ない、芋虫さんではないでしょうか。
ナデシコの咲き誇っているお庭に、【モンキアゲハ】が、優雅に飛んでいました。
アゲハチョウとしても、大きな体長ですので、ユラリユラリと飛んでいる姿に見とれてしまいます。
チョウ目(鱗翅目)アゲハチョウ科アゲハチョウ亜科の分類です。
大きな幅広の翅と、後翅にある黄白紋と長い<尾状突起>で、黒色系のアゲハチョウの中では、他種との区別が容易につきます。
写真の紋は白く見えますが、羽化したばかりの成虫のときには白色で、日が経つにつれて黄色みを帯び、正に「紋黄」の名称通りに変化してゆきます。
なかなか写せないアゲハチョウですので、気分のいい朝の散歩になりました。
右側の触角が折れている、少し痛々しい【ヨコヅナサシガメ】が、左手にとまりました。
カメムシ目(半翅目)サシガメ科の昆虫で、中国から東南アジアに分布していますが、昭和初期に貨物に紛れ込み九州に入ったと推測される、帰化昆虫です。
長野県以西の本州、四国、九州がおもな生息地域ですが、最近は関東地方においても、確認されているようです。
体長25ミリと、日本に生息する「サシガメ」の仲間では、もっとも大型の種類になります。
体色は光沢のある黒色で、頭部は細長く、腹部の両縁には白黒のまだら模様があり、翅の外に張り出しています。
羽化したての頃は、全体が真っ赤なのですが、時間と共に黒色に変化します。
脚部の付け根は、羽化当初の名残りでしょうか、赤色が残っています。
同じような模様の体型を持つ「シマサシガメ」がいますが、こちらは脚の模様が白黒のまだらですので、すぐに見分けがつきます。
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