文豪<森鴎外>ゆかりの 「水月ホテル鴎外荘」が5月末で閉館 しますが、神奈川県船橋市中心街にある老舗割烹旅館「玉川」が、4月末で閉館しています。相次ぐ自然災害により膨らんだ修繕・管理費が経営を圧迫したところに、新型コロナウイルス感染拡大で3月以降に利用客が激減し追い打ちを掛けたようです。
重厚な瓦と黒色板壁に覆われ、国の登録有形文化財に登録されている純和風旅館は、1921(大正10)年創業、100年目でした。文豪<太宰治>が宿泊したことでも知られ文化的価値も高いのですが、市が建物の構造調査などをした後、6月から取り壊される予定です。
「玉川旅館」は国道14号近くの船橋市役所から徒歩1分、高層マンションなどが立ち並ぶ中心街に立地。館内に天然の「湊温泉」を抱え、紅檜(ひのき)の大木をくり抜いた浴槽や、古代檜風呂などが宿泊客に好まれてきました。
昭和10年代には、当時船橋で執筆活動をしていた<太宰治>が同館「桔梗の間」に20日あまり宿泊。小説『ダス・ゲマイネ』(『文藝春秋』昭和10年10月号)などを執筆したとされています。この部屋は閉館するまで客室として提供しており、時を超えて太宰と同じ空間を共にしようと全国からファンが訪れていました。
惜しまれながら2006年に解体されたJR国立駅(東京都国立市)の旧駅舎が、以前とほぼ同じ場所に再築され、同市の魅力発信拠点として6日に開館しています。大正末以来、長く街のシンボルだった赤い三角屋根の建物が、懐かしい風景をよみがえらせています。
国立駅の開業は1926年。国立市の前身・谷保村に学園都市を開発していた不動産会社「箱根土地」が建設し、鉄道省に寄付しました。当時両隣だった国分寺駅と立川駅から1字ずつ取って駅名とし、谷保村は1951年に国立町、1967年には国立市となっています。
旧駅舎は、英国の田園都市の小住宅を参考にしたといわれ、左右非対称の三角屋根とロマネスク風のアーチ窓が特徴になっています。米建築家<フランク・ロイド・ライト>に師事したこともある<河野伝>が設計を担当、清水建設が工事を施工しています。
80年間親しまれた旧駅舎はJR中央線の立体高架化工事に伴って撤去されましたが、活発な保存運動を受け、国立市が解体された部材を保管し、2018年から復元工事を進めていました。
旧駅舎は以前同様「大学通り」が真っすぐ見通せる位置に建ち、国立の観光情報、街づくりの歴史や旧駅舎の文化財的価値などを伝え、「まちの魅力発信拠点」として市民の憩いの場を目指します。
2017年12月末に 改装のため閉館 した「ホテルモントレ神戸」(神戸市中央区)が、4月7日にリニューアルオープンしています。
1989(平成1)年10月開業、28年の歴史を持つ「ホテルモントレ神戸」を利用した多くの人の思い出を継承すべく、建て替え工事で一新しながらも、異国情緒ある港町神戸にずっと建っていたような懐かしさも感じさせる雰囲気で生まれ変わっています。
ナチュラルな色合いとあたたかな光で安らぎのある客室(全231室)をはじめ、庭に面した回廊風の本格的イタリアンレストラン「サンミケーレ」、ビジネスや観光の疲れを癒す「サウナ付温浴施設」を完備。ロビーに宿泊者専用ラウンジを用意するほか、客室各フロアにはセキュリティードアを設置し、セキュリティーも強化されています。
朝食は、邸宅の大広間を思わせる空間の明るい会場で焼きたてのパン、和食、サラダ、デザートなど数多くのメニューをブッフェ形式で味わうことができます。
1934(昭和9)年にヴォーリズ建築事務所の設計により建てられた国登録有形文化財「ヴォーリズ六甲山荘」(兵庫県神戸市灘区六甲山町北六甲4ー744)が、4月4日(土)から11月15日(日)までの土日祝日(11:00~15:30)に一般公開(500円)されます。なお、事前申し込み不要です。
<W.M.ヴォーリズ>はアメリカで生まれ、日本各地で数多くの西洋建築を手懸けた建築家です。関西でも多くの作品を残し、神戸市内では「六甲山荘」のほか「フロインドリーブ」(旧神戸ユニオン教会)の設計も担当しました。
毎年春から秋にかけて一般公開される「六甲山荘」は、建築当初からの保存状況も良好で<ヴォーリズ>建築のなかでも建築的価値・希少性の高い建物。国登録有形文化財に加えて近代化産業遺産、兵庫の近代住宅100選に登録・選定されており、現在はアメニティ2000協会が保存・活用を行っています。
光を多く取り込むガラス張りのリビングルームや、アイロン台を壁に仕舞えるように工夫されたメイド部屋など、<ヴォーリズ>設計の細やかな配慮を感じることができる山荘となっています。
また、公開中は喫茶の利用も可能。風格のある食堂の中で飲み物と手作りのケーキ、ランチを楽しむこともできます。
文豪<森鴎外>(1862~1922年)ゆかりの東京・上野の旅館「水月ホテル鴎外荘」(東京都台東区池之端3丁目3ー21)が、新型コロナウイルスの影響で五月末で閉館することが報道されています。
鴎外の旧邸が敷地内にある老舗は宿泊などのキャンセルが相次ぎ、約80年の歴史に幕を引きます。おかみとして切り盛りしてきた<中村みさ子>さん(62)は「旧邸を守るのが私たちの使命。会社の体力があるうちに」と、決断の理由を語っています。
樹齢300年のカヤやクロガネモチに囲まれた旧邸は、築約130年の純和風の木造。20代後半の<鴎外>が最初の妻<登志子>と新婚時代を過ごし、『舞姫』・『うたかたの記』・『於母影』などを執筆しました。
旅館は943年、旧邸の隣に、前身の「水月旅館」として創業。3年後、売りに出されていた旧邸を保存するため創業者が購入し、現在の名前に改めました。都内第1号と認定された天然温泉は今も人気です。
東日本大震災後の不況も乗り切りましたが、新型コロナで売り上げは前年の約1割に落ち込み、今月中旬、「これ以上経費がかさむと、倒産して旧邸を守れなくなる」と、5月31日での閉館を決めています。旧邸をこのまま敷地内で保存するか、別の場所に移築するかは未定だと言います。
政府は、2019年(令和元年)10月31日未明の火災により焼失した首里城の再建に向け、正殿を2026年中に完成させる方針を固めています。27日に<菅義偉>官房長官をトップとする関係閣僚会議を開き、再建日程を盛り込んだ工程表をまとめます。
今年4月以降、設計や、基本的な資材となる木材の調達可能性について調査に入ります。2022年から、本格的な再建工事に入る予定です。
一方、北殿や南殿などについては、正殿の再建に向けた作業ヤードとして使うことを見込むため、再建の具体的日程は工程表に盛り込まれない見込みです。
政府は、首里城復元に向けた技術検討委員会(委員長<高良倉吉>琉球大名誉教授)が取りまとめた報告や、自民党の首里城再建に関する委員会(座長<宮腰光寛>前沖縄担当相)による提言書の内容も踏まえて工程表を策定します。正殿には自動火災報知設備やスプリンクラーを設置することになります。
木材は国産ヒノキなどを中心に調達を進めます。一方、沖縄在来のチャーギ(イヌマキ)やオキナワウラジロガシのほか、前回の復元で使われたタイワンヒノキについても、調達のめどが立てば象徴としての活用を視野に入れているようです。
西宮家の武士蔵(旧前蔵)入口画像:JR東日本秋田支社)
JR東日本秋田支社が秋田県仙北市角館町の観光施設の蔵や武家屋敷通り近くの飲食店などを改装した1棟貸し切りの 古民家ホテル「和のゐ角館」 が16日にオープンしています。
同市と田沢湖・角館観光協会との3者による連携事業の一環で、「和のゐ角館」から地域の魅力を広く発信していき、滞在型観光の起爆剤を目指します。
JR東日本秋田支社によりますと、都市部の富裕層らがターゲットの高級路線で、夕食は周辺の飲食店で取ってもらうシステムです。宿泊は2人からで最大4~6人。
新型コロナウイルス感染症の影響も多少あるようですが、すでに首都圏を中心に半年先までの予約が入っているといいます。
「カンデオホテルズ長崎新地中華街」完成予想図(画像:カンデオ・ホスピタリティ・マネジメント)
長崎市銅座町のイオン銅座店跡地にホテル「カンデオホテルズ長崎新地中華街」(長崎市銅座町3ー12)が3月16日(月・大安)にオープンします。イオン銅座店は1969年開業の丸栄長崎店がルーツ。店舗老朽化などで2017年に閉店しました。大和ハウス工業(大阪市)が跡地を取得、建物を施工しています。
運営会社カンデオ・ホスピタリティ・マネジメント(東京)によりますと、カンデオホテルズは、五つ星ラグジュアリーホテルと三つ星ビジネスホテルの中間を狙い全国展開し、長崎で23カ所目になります。
鉄骨12階建て6770平方メートル。客室は207室。露天風呂付きトリプル1室、角部屋で窓ガラスが大きく開放的なツイン18室などがあります。最上階の大浴場「スカイスパ」にも露天風呂を備えています。長崎らしさにもこだわり、11階フロント・ロビーのシャンデリアはクリスタル3万個をつり下げて「眼鏡橋」を立体的に表現されています。
朝食は皿うどんやカステラなどの名物を提供し、果物や米も地元産。昼・夕食の提供はなく、街の飲食店を利用してもらうシステムです。
大人2人がクイーン1室を朝食付きで会員利用した場合、価格は計1万6200円から(一般は千円プラス)。料金は変動します。
米ニューヨーク・マンハッタン西側の大規模再開発プロジェクトとして知られる「ハドソンヤード」に11日、高さ335メートルの展望デッキ「エッジ」がオープンします。
高層ビルの100階から奥行約24メートルの三角形のデッキが突き出し、360度の眺望を楽しむことができます。屋外の展望デッキとしては西半球トップの高さとなります。
エッジのチケットは38ドル(約4000円)で、さまざまな割引料金も設定されているようです。
巨大なマンハッタンの地図を見上げ、トンネルを抜けた先のエレベーターに乗って52秒。壁面に写し出されるニューヨークのアニメーションが写真へ、さらに雲へと変化したところでドアが開く。そこはまるで空へ舞い上がったような別世界がひろがるとか。
目玉は何といっても、中央部にあるガラス張りの床。恐る恐るのぞき込めば、はるか下に走る車がアリのように小さく見える。一歩踏み出すのは意外と勇気がいるけれど、ガラスは決して壊れることがないとされ、上で飛び跳ねたり、寝転んだりするのも自由だそうです。
2008年から「平成の大修復」を行っていました京都市東山区の清水寺で、本堂(国宝)の檜皮葺(ひわだぶ)き屋根が約50年ぶりに葺き替えられました。工事中に本堂を覆っていた素屋根が取り外され、「照り起(むく)り」と呼ばれる優美な曲線美が再びお目見えしています。<徳川家光>による再建以来初めて破風の飾り金具も修理。落ち着いた檜皮の屋根に金色が映えています。
本堂の修復は2013年に始まりましたが、屋根を葺く檜皮は2017年2月の工事開始前から国内各地で探し始め、通常より20センチほど長い檜皮約170万枚を10年かけて確保しています。
「照り起り」は屋根が緩やかな弧を描く構造で、寺院の屋根では珍しく、本堂から張り出した部分の屋根は反り返っており、異なる形の屋根が組み合わさる複雑な構造も、建物をより魅力的に見せています。
来年度は舞台板の張り替えが行なわれます。全ての工事が完了するのは2021年3月の予定です。
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