7月21日より本日10月10日まで、東京・湯島の「国立近現代建築資料館」にて、『特別展「丹下健三1938-1970」戦前からオリンピック。万博まで』が開催されていました。
2度の東京五輪の会場となった国立代々木競技場を中心として、前川国男建築設計事務所時代、会場マスタープランを担当した日本万国博覧会までの前半生の仕事をたどる展示会でした。
おそらくこの特別展に合わせて、2021年7月15日に岩波書店から重要論考を集成する『丹下健三建築論集』と『丹下健三都市論集』の2冊が発行されています。
私が建築学科の学生だった頃には、すでに、「世界の丹下」と呼ばれていました。国際的建築家として<丹下健三>の名を知らしめたのは、その作品のみならず、彼の論説と思想でした。人間と建築に対する深い洞察と志し。「美しきもののみ機能的である」との言葉に象徴される独自の美意識の源泉となる重要論考を集成しています。
5日、JR西日本は神戸市中心部の三ノ宮駅で計画する新たな駅ビルについて、2023年度に着工し29年度の開業を目指すと発表しています。
周辺地区の再開発を進める神戸市、コーディネーターを務めるUR都市機構と合同記者会見を開き、明らかにしました。
JR西日本によりますと、同駅南側に整備する新ビルは、高さ約160メートルで、延べ床面積は約10万平方メートル、総事業費は数百億円規模とのことです。商業施設やオフィスのほか、低層階にイベント空間を設けています。
JR西日本は「神戸の玄関口となる要の駅で、大阪、京都とともにJR西日本の最重要拠点だ」と述べ、他の鉄道への乗り換えをしやすくしたり、回遊性を高めたりする方針を示しました。隣接地区では神戸市の再開発事業で、西日本最大級のバスターミナルが入るビルの整備も予定されています。市は駅ビル整備とも歩調を合わせ、賑わいのある都市空間づくりを進めることになります。
三ノ宮駅直結の旧駅ビル「三宮ターミナルビル」は1981年に開業し、ホテルや商業施設などが入っていましたが、老朽化が進み、2018年3月に閉館しています。
柱や梁などの構造部材に木材を使った木造高層建築が注目されています。木を燃やしたり腐らせたりすると発生する二酸化炭素(CO2)を、建材として固定化すれば長期間出さないで済み、脱炭素に貢献できます。このため国連の持続可能な開発目標(SDGs)の観点で木造ビルを評価する企業が増えています。国産材の利用が拡大すれば国内林業の再生にもつながりそうです。
木造ビルは環境意識が高い海外で先行し、高さ80メートル超の建物も登場しています。日本は厳しい耐火基準などが壁となっていましたが、耐火性能を満たす建材の開発が進み、高層化が可能になりました。
「大林組」は地上11階建て、高さ44メートルの純木造ビルを横浜市に建設中です。小学校のプール5杯分に相当する約2000立方メートルの木材を使い、1325トンのCO2を固定化します。コンクリートや鉄の使用量が減り、CO2削減だけではなく「現場の作業環境も改善される」とのこと。完成は来年春を予定しています。
「竹中工務店」は木造と鉄骨造りを組み合わせた10階建てマンションを仙台市に建てたほか、「三井不動産」とともに東京・日本橋で国内最高層の17階建てオフィスビルを計画しています。
「住友林業」は350メートルの超高層ビルの開発構想を掲げています。
世界的に木材価格が高騰する「ウッドショック」は苦境が続く国内林業に追い風ですが、長い目で見れば人口減による木造住宅の需要減少で先行きは厳しい情況です。木造ビルは脱炭素だけではなく、国産材の新たな需要材としても期待されています。
ただ、耐火材などの費用で建築コストは通常より1~2割ほど高くなります。国土交通省や林野庁は補助金で普及を後押し、普及を促します。
28日、2016年4月の熊本地震で被災した熊本城(熊本市)の天守閣内部の一般公開が始まりました。
地震以来、5年2か月ぶりの公開になります。当初は今年4月に予定していましたが、新型コロナウイルスの感染拡大で延期されていました。新たに城の復旧の歩みなどを紹介する展示エリアも整備されています。
天守閣は大天守(地上6階、地下1階)と小天守(地上4階、地下1階)からなり、熊本地震で石垣や瓦が崩落。壁にひびが入るなどの被害が出ました。
熊本市は「復興のシンボル」として最優先で復旧に取り組み、約3300個の石の大半を再利用して石垣を積み直したり、軽量化した瓦を使ったりして復旧しています。
19日、中国・上海に中国国有の錦江国際ホテルグループの系列で、新型コロナウイルスのパンデミックなどを理由に遅れが出ていました世界で最も高い場所にある宿泊施設「Jホテル」が、正式に開業しています。
高さ632メートル(127階)の超高層ビル「上海タワー」(上海中心大廈)の最上部を占め、165室の客室を有しています。アラブ首長国連邦(UAE)ドバイの「ブルジュ・ハリファ」(828 m・163階建て)に次ぐ、世界2位の高さのビルです。
宿泊客らは、120階にあるレストランやバー、スパ、84階にあるプールをはじめ、最高級ホテルが提供するあらゆるサービスを利用することができます。
開業記念として1泊3088元(約5万3000円)の「特別体験価格」が用意されていますが、34室あるスイートルームは料金も破格に設定されているようで、クリスタルのシャンデリアやサウナがある「Jスイート」の26日の1泊の料金は、6万7000元(約115万円)以上となっています。
昭和初期に建てられた西脇市の小学校の木造校舎3棟が、学校建築の発展過程を今に伝える価値の高いものだとして、新たに国の重要文化財に指定されることになりました。現在も使われる小学校の校舎の指定は全国で3例目で、兵庫県内では初めてです。
国の重要文化財に指定されるのは、現在、西脇小学校として使われている「旧西脇尋常高等小学校」の校舎3棟(1棟は昭和9年に、もう2棟は昭和12年に建てられました)で、渡り廊下や正門など7つの建造物もあわせて指定されます。
木造2階建ての校舎はいずれも壁の表面に柱を出す統一されたデザインで、簡潔ながら上品な洋風の意匠でまとめられておしゃれな雰囲気を醸し出しています。
中でも、校門そばの第一校舎の車寄せはアーチを強調した三角屋根がかけられていて目を引きます。
渡り廊下で結ばれた3棟はいずれも、教室によく日当たるよう建物の北側に廊下が配置されていて、昭和の初期に、現在も多く見られる典型的な学校の校舎の様式がすでに確立していたことが分かるなど、学校建築の発展の過程を今に伝え、歴史的な価値が高く評価されました。
西脇市では、耐震性の問題から一度は建て替えを決めましたが、研究者や市民の訴えを受けて耐震補強やバリアフリーの工事を行いました。
建築設計を生業としている立場として、読書の分野に入るのか怪しげな一冊として2021年3月20日に発行されています<日本建築学会>編集の『空間・五感』(2750円・井上書院)です。
タイトルの通り、「視覚」・「聴覚」・「触角」・「嗅覚」・「味覚」の五感に加え「時間」・ 「多様な感覚」の全7章に有名建築を振り分けて、写真と解説文で組まれたハンドブック的な構成でした。
さすが学会として資料的といいますか学術的でなければいけないと言う編集方針が気になり、本来の「建築」の持っている「権力」と「金(富・財力)」という根源的な分野での視点の切り込みがなく、つまらなく感じながら写真だけ眺めていました。
JR西日本の不動産関連子会社、JR西日本プロパティーズ(東京)は2日、神戸市中央区中山手通2-1-20に、価格は1泊4千~5千円台の「ホテルSUI(スイ)神戸三宮byアベスト」を10日に開業させる、と発表しています。
同社は2019年から、飲食店が集まる神戸・三宮の「東門筋」に面した料亭「山田屋」の跡地(約540平方メートル)で同ホテルを建設していました。地上14階建てで、1階はフロント。2~14階が客室で、シングルやダブルなど132室を擁しています。
同社は2020年、岡山県倉敷市に「たびのホテル倉敷水島」を開業しており、ホテル開発は2件目。ホテル運営会社のアベストコーポレーション(神戸市中央区)が運営し、同社が展開する「ホテルSUI」のブランドを使用しています。
明治時代に関西財界で活躍した<藤田傳三郎男爵>が所有していた豪華絢爛な邸宅と緑鮮やかな8000坪の庭園を持つ大阪の代表的な結婚式場として親しまれていました、老舗結婚式場「太閤園」(大阪府大阪市都島区網島町9ー10)の施設を創価学会が取得したことが2日、公表されています。
ホテル運営大手の藤田観光は3月12日、結婚式場や料亭などを備えた大阪市の老舗複合施設「太閤園」を3月末に売却すると発表していましたが、売却先は非公表でした。
新型コロナウイルス禍で客足が大幅に減るなど、業績が悪化しており、有力資産の譲渡で財務改善を図ります。
「ホテル椿山荘東京」(東京)や「ワシントンホテル」などを全国で運営する「藤田観光」が、3月12日発表した2020年12月期連結純損益は224億円の赤字でした。同社は「太閤園」売却に伴い21年1~3月期に特別利益約329億円を計上することになります。
BELCA 賞は、公益社団法人ロングライフビル推進協会(BELCA)が主催する表彰制度で、わが国におけるビルのロングライフ化に寄与することを目的としています。
この賞は「ロングライフ部門」と「ベストリフォーム部門」の2部門からなります。神戸市立博物館が受賞しました「ロングライフ部門」では、長期使用を考慮した設計のもとで建設されるとともに、長年にわたり適切に維持保全され、さらに今後相当の期間にわたって維持保全されることが計画されている模範的な建築物を表彰します。
BELCA賞を受賞した神戸市内の建築物としては14例目で、「ロングライフ部門」での受賞は神戸市所有の建築物としては初めてとなります。
神戸市立博物館の建物は、桜井小太郎建築事務所の設計により昭和10年(1935年)に竣工した「横浜正金銀行神戸支店」の建物を、昭和57年(1982年)に博物館として改修・増築したもので、現在に至っています。ドリス式と呼ばれる6本の半円列柱が特徴的で、新古典様式による外観は御影石仕上げによる重厚な造りです。平成7年(1995年)の阪神・淡路大震災でも致命的な損傷はなく、平成10年(1998年)には歴史的な価値が認められ、国登録有形文化財(建造物)となりました。
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