現代美術館「M+」開館@香港
11月
14日
「M+」はビクトリア・ハーバー沿いの文化地区に位置し、広さは6万5000平方メートル。33の展示室があり、アジア各地の1950年代以降の絵画や写真、建築などおよそ8000点が収蔵されています。英国のテート・モダンや米ニューヨーク近代美術館などに匹敵する美術館を目指し開設されました。
しかし、コレクションの一部である<艾未未>氏の「中指シリーズ」は展示されていません。このシリーズで<艾未未>氏は、米国のホワイト・ハウスやドイツの国会議事堂、天安門広場など世界各地で中指を立てた写真を撮っています。
文化地区の責任者、<唐英年>氏は11日の記者会見で「芸術的表現が法を超越するわけではない」とし「中指を立てた写真は展示しないが、他の艾未未氏の作品は展示する」とし、天安門広場で中指を立てた写真が検閲されたことや、「M+」が警察の治安部門による審査を受け入れたことを認め、香港国家安全維持法(国安法)に反した作品は「法に従って対応する」としています。
中指シリーズを含む多数の作品を「M+」に寄贈したスイスの美術収集家<ウリ・シグ>氏はこれを受け「中国社会の大部分と特に香港社会の一部は、現代美術とは何かということについて、われわれと理解が異なる」と公開書簡で批判しています。