25日午前の東京外国為替市場で、円相場は上昇でした。12時30分時点は「1ドル=155円90〜155円91銭銭」と前日17時時点と比べて20銭の円高・ドル安でした。日米の通貨当局による円買いの為替介入への警戒感や米関税政策を巡る不透明感から円買い・ドル売りが優勢でしたが、その後、政府が日銀審議委員の人事案を国会に提示したのを受けて売りが出て、「1ドル=155円台後半」で推移しています。
前日夕に円相場は一時「1ドル=156円28銭」と約2週間ぶりの円安・ドル高水準を付けていました。毎日新聞が24日に<高市早苗首相>と日銀の<植田和男総裁>が、16日に会談した際、「追加利上げに難色を示していた」と報じ、早期利上げ観測が後退したのが円売りのきっかけでした。ただ、一段と円安が進めば日米の当局がけん制に動くとの見方が根強く、円相場を下支えしています。
政府は25日昼、3月31日に5年任期の満了を迎える<野口旭審議委員>、6月29日に任期満了する<中川順子審議委員>の後任案として、日銀審議委員に中央大学名誉教授の<浅田統一郎>と、青山学院大学法学部教授の<佐藤綾野>を充てる人事案を国会に提示しました。任命には衆参両院の同意が必要となります。市場には人選が「リフレ派」で日銀が追加利上げに動きづらくなるとの見方があり、円に売りが増えました。
<尾崎正直官房副長官>は、25日午前の記者会見で、<高市早苗首相>と<植田和男日銀総裁>の会談について「首相から政策についての要望は特になかったとの説明があった。それ以上でもそれ以下でもない」と指摘。金融政策運営を巡って「具体的な手法については日銀に委ねられるべきと考えており、この点は変わっていない」とも述べると、やや円買い・ドル売りが加速しています。
<高市早苗首相>は25日午前の参院本会議で、外国為替市場の動向を巡って「高い緊張感を持って注視していることには何ら変わりはなく、市場とはしっかり対話していく」との認識を示しました。政権が円相場の急変を警戒していると受け止められたのも円相場を支えています。
米連邦最高裁が相互関税を無効と判断したのを受け、<トランプ米大統領>は新たな関税枠組みを発表しました。米関税政策の先行き不透明感も円買い・ドル売りを誘いましたが、<トランプ米大統領>による25日の議会における
「一般教書演説」を見極めたいとして、持ち高を一方向に傾ける動きは限られました。