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神戸:ファルコンの散歩メモ

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  • ハッシュタグ「#読書」の検索結果1808件

『楽園』(上)宮部みゆき(文春文庫)

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『楽園』(上)宮部みゆき(文春...
主人公は41歳になった、ルポライター<前畑滋子>です。
宮部ファンなら、2001年に刊行された『模倣犯』を思い出すことだとおもいますが、かの連続誘拐事件から9年が経ち、彼女は事件の本を書くこともなく印刷会社<ノアエディション>に勤めています。

そんな折、職場に12歳の息子<等>を交通事故で亡くした53歳の母親<萩谷敏子>が訪れ、「息子には超能力があるのでは」と事件を思わせるスケッチ画を持参してきます。

スケッチには、<等>が死亡したあとに火事で焼失した家屋跡から、16年前に失踪したと思われていた15歳の<土井崎茜>の死体が発見され、彼の絵には少女らしき横たわった姿と、風見鶏ならぬ「風見蝙蝠」が描かれており、実際に燃えた家の屋根に取り付けられていました。

興味を抱いた<前畑>は火事の現場に出向き調査を開始、<等>の周辺環境を調べていくうちに、彼の「サイコメトラー」としての能力を確信するに至ります。
<前畑>が経験したおぞましい連続誘拐殺人事件の殺人現場である山荘のスケッチもあり、(下)巻への終結に向けて今後の展開を楽しみに(上)巻を読み終えました。
#本 #読書

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『汐のなごり』北重人(徳間文庫)

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『汐のなごり』北重人(徳間文庫...
2004年12月、単行本 『夏の椿』 (文庫本は2008年1月刊行)でデビューした著者ですが、2009年8月26日に胃がんのために61歳で亡くなっています。

本書は、日本海に面した大船川の河口にある「水潟」を舞台として、北前船や弁財船が立ち寄る湊町の市井に生きる商人や武士を主人公とした、6篇の短篇が納められています。

天保年間の江戸時代を背景に、12歳で「水潟」に売られてきた遊女<志津>ですが、身請けされても一人の水夫を待ち続ける一途な女心が切ない『海上神火』、飢饉で奥州から逃れてきた<辰吉>と30年ぶりに分かれた兄と再会して母を偲ぶ『海羽山』、兄の敵討ちのために30年間相手を探し、絵師として路銀を稼ぎながら故郷「水潟」に戻ってきた『歳月の舟』、船による米の中継地として米相場の修羅場に生きる男たちを描いた『合百の藤次』など、どれも心打つ感動作品ばかりです。

今後著者の感性にひたれる作品が読めないとは、残念でなりません。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『美の旅人 スペイン編Ⅲ』伊集院静(小学館文庫)

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『美の旅人 スペイン編Ⅲ』伊集...
マドリードの「ブラド美術館」から始まりましたスペイン編は、<ゴヤ>・<ベラスケス>・<エル・グレコ>・<サルバドール・ダリ>などを巡り、最後に<ジョアン・ミロ>の本書で最終編です。

「創作は大地から生まれるものだ」と明言する<ミロ>は、故郷のタラナゴと晩年を過ごしたマヨルカ島を通して何を感じたのか、創作の根幹に触れるべく足を向けていきます。

さらに<ピカソ>や<ヘミングウェイ>との交流、スペイン内乱や大戦の惨状を経て、彼の作品が象徴化・抽象化していく過程を追い求めます。

カラー写真の風景や作品のページとともに、居ながらにしてスペインを旅する気分を味わえ、楽しめる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『ちょんまげぷりん』荒木源(小学館文庫)

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『ちょんまげぷりん』荒木源(小...
シングルマザーの<遊佐ひろ子>は、保育園児の息子<友也>と帰宅中に、ちょんまげに日本刀を腰に差した侍姿の男と遭遇します。

奇妙な言動の男は<木島安兵衛>といい、文政9(1826)年の時代から180年後の2006年の現在にタイムスリップしてきたことがわかり、警察に相談しても埒が明かないかと考え。自分のマンションに住まわせることになってしまいます。

居候の<安兵衛>は食事等の恩義を感じ、本来は女がすべき「うち向き」の掃除や料理を手伝っているうちに、ケーキ作りに芽生えプリンは<友也>の大好物となり、テレビ番組のケーキコンテストで優勝、一躍時の人となり彼は<ひろ子>のマンションンを引き払いテレビタレントとして忙しい日々を過ごすことになりますが、<友也>は父親代わり的な<安兵衛)がいなくなり落ち込んでしまいます。

結末的にどうなるかという読者の心配をよそに、突然に<安兵衛>は姿を消してしまいます。<ひろ子>・<友也>とも江戸時代に戻ったんだと納得せざるを得ないある日、偶然にはいった和菓子屋で「江戸阜凛(プリン)」なる製品を見つけ、創業者が<木島安兵衛>だと知り、江戸時代に戻って和菓子屋を創業したことがわかるという、ほのぼのとした読後感で物語は終わります。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『食の極道』勝谷誠彦(文春文庫)

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『食の極道』勝谷誠彦(文春文庫...
B級グルメ派で、なおかつ立ち呑み派のわたしとして、本書を手にするなり第一行目の文章に感動を覚えました。
<酒場は立ち呑みに始まり、立ち呑みに終わる、というのが私の哲学である>に始まる文章を目にした瞬間、そくレジに向かいました。

『呑み道楽』の章では、粋な酒場のお店が並び、『酒を愛する男たち』では、日本酒造りに日々邁進する杜氏や経営者、『美食紀行』では、愛すべき料理の数々が垂涎のごとく並べられています。

なんといっても圧巻なのが『麺類礼賛』で、「讃岐うどん」の緻密なレポートに感動、自らも東京に<東京麺通団>なるお店を仲間と出店するまでの入れ込みようが、詳細に語られていました。

『にっぽん蔵々紀行』(光文社文庫)の著者だけに、日本酒の薀蓄と料理の表現は読みながらにして味わい深い体験ができ、楽しめる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『漂白』<警視庁失踪課・高城賢吾>堂場瞬一(中公文庫)

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『漂白』<警視庁失踪課・高城賢...
7年前に娘<綾菜>が行方不明になった過去を背負う主人公<高城賢吾>警部を、主人公に据えた<警視庁失踪課>シリーズも、前作 『邂逅』 に次いで第四作目になりました。

<高城>と<醍醐塁>と<明神愛実>は、捜査の打ち上げで一杯呑んだ帰り、ビル火災に遭い、<明神>はバックドラフトに巻き込まれ脳震盪を起こして入院する羽目になります。

その火災現場から身元不明の焼死体が二体発見され、一人はマスターの<高嶋>だと判明しますが、もう片方の身元が分からず、失踪課として<高城>たちが動き出します。
身に着けていたペンダントから、失踪届が出ている流行作家の<藤島憲>ではないかと捜査を進めるのですが、やがてその焼死体は<藤島>の高校のときの同級生<花咲光春>だと判明、以前として<藤島>の行方は分からないまま物語は展開していきます。

今回は作家という著者自身の世界に関わる内容が絡み、作家と出版社の関係を主軸として、<高城>に「ミステリーなんか興味がないな」と言わしめ、さりげなく著者自身の<刑事・鳴沢了>シリーズの主人公に対して「鳴沢は、あまりいい噂を聞かない刑事」との文中の台詞に、思わず苦笑しながら読み終えました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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【さんちか古書大即売会】@さんちかホール

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【さんちか古書大即売会】@さん...
1月28日から三宮のさんちかホールで、古書の即売会が開催されています。
バタバタしていて明日が最終日、ようやく足を運んできました。
新刊本と違い、限定1冊に近い出品ですので、選ぶ方も真剣に見ておられます。

ところで今年は、「国民読書年」だということを、どれくらいの方が知っておられるでしょうか。
「文学・活字は、人類が生み出した文明の根源をなす崇高な資産」とし、心豊かな国民生活を実現させることをうたっています。

子供の頃からの読書癖は大事だと思うのですが、子供の読書活動の推進事業や「こども夢基金」は事業仕分けで削られてしまいました。

様々な本と出合う機会、本好きの者としては、つぶしてほしくない予算です。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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便利です「釣り手帳」

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便利です「釣り手帳」
山陽電鉄が毎年この時期に発行している無料の「釣り手帳」、今年も手に入れました。

瀬戸内海と並行しての路線ですので、駅から歩いて数分の所に、いい釣り場所が点在しています。

須磨浦公園や東垂水駅南の平磯には、市立の海づり公園も整備されており、貸し竿もありますので、手ぶらでも楽しめます。

最近はまったく釣り竿から遠のいておりますが、各釣り場周辺のこまかい案内地図もあり、1年を通じての潮時表も付いていますので、釣りファンでなくても、とても便利な一冊です。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『無痛』久坂部羊(幻冬社文庫)

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『無痛』久坂部羊(幻冬社文庫)
読もうという本を決める優先順位は、第一位として好きな作家を上げる方が、一番多いのではないでしょうか。

その次は、それぞれの理由付けがあると思いますが、私の場合、4,5番手に「神戸」が舞台であるというのが挙げられるかもしれません。

今回読みました『無痛』も、神戸で発生した一家4人の虐殺事件を主軸に展開されてゆく医学ミステリーです。
作者も、大阪大学医学部出身のお医者さんですので、主人公も町の開業医として登場させていて、スリリングな展開を味あわせてくれています。
ミステリーものですので、詳しくは書きませんが、十分に楽しめる一冊だとお勧めいたします。

神戸の地名が随所に出てきますので、街並みが頭に浮かび、また文中の会話も神戸弁ですので、楽しく読み切りました。

それにしても最近は、帚木蓬生、加賀乙彦、海堂尊等、医学部出身の作家が目立ちますね。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『ニライカナイの語り部』鯨統一郎(中公文庫)

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『ニライカナイの語り部』鯨統一...
蜃気堂が主催するミステリーで文学賞を受賞し、25歳でデビューした<六波羅一輝>は当初順調に依頼の仕事をこなしていましたが、取材先の仙台で殺人事件に巻き込まれ、その後執筆ができないスランプに陥っています。

蜃気堂の若手編集者<北村みなみ>は<六波羅>担当ということで仙台にも同行しているだけに、生々しい殺人事件をテーマに執筆を促しているのですがままなりません。

民俗学者を父に持つ<六波羅>は、沖縄の伝説の楽園<ニナイカナイ>に興味を持ち、次の作品の取材旅行として<北村みなみ>を連れ立ち沖縄に出向きますが、またもや連続殺人事件に巻き込まれてしまいます。

大型テーマパーク建設に伴う反対派・賛成派の動きを主軸に、沖縄にまつわる伝説や文化が横軸に絡み、旅情感のあるミステリーとして楽しめる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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