記事検索

神戸:ファルコンの散歩メモ

https://jp.bloguru.com/falcon
  • ハッシュタグ「#読書」の検索結果1824件

今年の読書(58)『霧をはらう(上)』雫井脩介(幻冬舎文庫)

スレッド
今年の読書(58)『霧をはらう...
本書『霧をはらう(上)』は、2021年7月に刊行され、2024年8月10日に発売されています。
 
古溝病院の小児病棟で、同室の4人の子供の点滴にインスリンが混入され、2人の幼い命が奪われた点滴殺傷事件が起こります。物証がないまま逮捕されたのは、生き残った女児「紗奈」の母親「小南野々花」でした。
 
看護助手の経験もあり、献身的な看病のあまり、周囲の母親との軋轢も生んでいた彼女は取り調べで自白しますが、後に否認します。小学6年生の娘「紗奈」を懸命に支えていた母親は冷酷な殺人犯なのか?
 
人権派の大物弁護士「貴島義郎」と共に「小南野々花」を弁護する同期の弁護士「桝田実」と偶然会った「伊豆原柊平」は、「小南野々花」弁護団に加わり、事件の背景の調査に乗り出します。
 
「紗奈」の姉「由惟」は大学進学をあきらめ、小さな会社に就職、不当な扱いを受けながらも妹の面倒を見ていますが、「伊豆原」は姉妹の様子を気にかけながら、精神鑑定の結果も良くなく、病院関係者の聞き取りに奔走していきます。
#ブログ #文庫本 #読書

ワオ!と言っているユーザー

今年の読書(57)『探花』今野敏(新潮文庫)

スレッド
今年の読書(57)『探花』今野...
待ちに待った2022年1月に単行本が刊行されています「隠蔽捜査」シリーズの『探花』の文庫本が、2024年9月1日に発売されています。
 
前作『清明』に続くスピンオフ2作品を含むシリーズ11作目になりますが、現時点で『審議官隠蔽捜査9・5』と『市や隠蔽捜査10』の単行本が刊行されていますので、まだまだシリーズとして楽しめそうです。
 
横須賀基地付近で殺人事件が発生。神奈川県警の刑事部長「竜崎伸也」は、目芸者の証言により犯人は米軍基地関係者かもしれないことから、米海軍犯罪捜査局から「リチャード・キジマ特別捜査官」の参加を認め、異例の日米合同捜査が始まります。
 
その一方、同期キャリアで席順1位の腹の内を見せぬ男「八島圭介」が警務部長として県警本部に着任してきます。「八島」には前任地福岡で、暴力団と付き合いのある国会議員「大西渉」との黒い噂がつきまとっていました。
 
横須賀署に泊まり込む形で捜査を始める「竜崎」でしたが、妻からポーランドに留学している息子の「邦彦」が、現地警察に逮捕されたようだとの連絡があり、「竜崎」は外務省の「内山」に調査を依頼します。
 
麻薬での前科がある息子だけに気になる「竜崎」ですが、合同捜査が生む軋轢を乗り越え、殺人事件の捜査を進めていきます。息子の事件で左遷され出世コースを外れている「竜崎」は頭脳と決断力で、本庁の「伊丹」の協力もあり、難局を打開してゆきます。
 
ちなみにタイトルの「探花」は、華僑の最終試験の順位で三番目を指しています。席順1位の「八島」、2位の「伊丹」、3位の「竜崎」と、それぞれのキャリア志向と警察官としての矜持のつばぜり合い、面白く読み終えました、
#ブログ #文庫本 #読書

ワオ!と言っているユーザー

今年の読書(56)『流転』笹本稜平(双葉文庫)

スレッド
今年の読書(56)『流転』笹本...
著者<笹本稜平>は、2021年11月22日、急性心筋梗塞のため70歳で亡くなられています。訃報は翌2022年1月14日に公表され、ファンとして驚きました。本書『流転』は、遺作として、2022年4月 双葉社より刊行され、「越境捜査」シリーズ『相剋』に続く9作目として、2024年8月10日に文庫本が発売されています。
 
神奈川県警の「宮野」が横浜で偶然見かけたのは12年前のIT富豪の沼田一家殺人事件で指名手配され、20億円の資産とともに海外逃亡したとされる男「木津芳樹」でした。捜査をはじめた警視庁の「鷺沼友哉」たちでしたが、その矢先、「木津」が突如、隠れ家のマンションから飛び降り自殺を図ります。
 
一命を取り留めた男の容態を気にしながら調べを進めていくと、マンションの管理会社の総務部長「中村和俊」と「木津」とのかかわりが判明、また「中村」の背後に半グレ、闇金女王、中国人殺し屋など裏社会の人間が関わっていることがわかってきます。
 
富豪一家殺人事件の真相は、そして本物の巨悪の正体は、消えた20億円の行方とともに、「鷺沼」を中心とする刑事5人の〈タスクフォース〉の奮闘が小気味よく進みます。
 
消えた20億円の行方とともに最後は、「宮野」が企む、経済的制裁という名の金儲けができずに終りますが、ニンマリとする結末が待ち受けています547ページで、これから<笹本稜平>の新作が読めないと思う悲しい気持ちで読み終えました。
#ブログ #文庫本 #読書

ワオ!と言っているユーザー

今年の読書(55)『県警の守護神』水村舟(小学館)

スレッド
今年の読書(55)『県警の守護...
本書、<水村舟>の『県警の守護神 警務部監察課訟務係』は、第2回警察小説新人賞受賞作品です。
 
警察小説は、捜査一課を中心とする殺人事件が主体ですが、本署は訟務係を舞台としています。警察が訴えられたときに事件を処理する部署です。
 
新人警察官の「桐嶋」が、ショウネンオウンテンスルバイクを追跡していると、少年は自損事故を起こし、助けようとした「桐嶋」はひき逃げに合います。病院で目を覚ますと少年は死亡しており、その責任を負うべく民事訴訟を起こされていました。
 
そんな彼女に元に現れたのが、監察課訟務係の「荒城巡査部長」でした。裁判では敗け知らずの「県警の守護神」と呼ばれている男は、元裁判官で弁護士資格を持つ異色の警察官でした。
 
警察小説と法廷小説の趣向もたっぷりで、勝利のためには汚い手も使う、ゆがんだ正義感の「荒城」の個性が印象的で、「桐嶋」と「荒城」の対立と連帯感を、原告代理人の辣腕女性弁護士との闘いの中で、スリリングに描いています。
#ブログ #単行本 #読書

ワオ!と言っているユーザー

今年の読書(54)『泣ける映画大全』大友しゅうま(KADOKAWA)

スレッド
今年の読書(54)『泣ける映画...
本書は、2021年に『ジャンプ+』にて『ゴリラ女子高生』を連載の漫画家<大友しゅうま>(30)のXやInstagramで投稿された映画紹介8コマ漫画のなかから、「泣ける映画」に限定し、映画のあたらしい見方を提案しています。
 
「泣ける」とひと言でいっても、感動で泣くこともあれば爆笑で笑い泣きをするなど、さまざまです。本書では、映画のジャンルを6章に細かく分けて72作品を紹介していますので、今後映画をみるときの参考になります。
 
SNSで投稿された作品に加え、本書限定の描き下ろし作品も多数収録されています。
 
さらに、収録された72作品にまつわるエッセイ、番外編のコラムマンガなど、全240ページにみっちりと情報の詰まった読み応え十分の楽しい映画案内書です。
 
また、表紙イラストも、『タイタニック』『ライフ・イズ・ビューティフル』『トゥルーマン・ショー』『ミッドサマー』などの1シーンが散りばめられていて、作品名を探すのも楽しめる趣向になっています。
#ブログ #単行本 #映画 #漫画 #読書

ワオ!と言っているユーザー

今年の読書(53)『降格刑事』松嶋智左(幻冬舎文庫)

スレッド
今年の読書(53)『降格刑事』...
著者<松嶋智左>は、1961年生まれ。元警察官で女性白バイ隊員でした。退職後小説を書きはじめ、2005年に北日本文学賞、2006年に織田作之助賞を受賞。2017年、『虚の聖域 梓凪子の調査報告書』で島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞しています。文庫本として発売されています『女副署長』以降の作品は全部読んでいると思います、お気に入りの作家です。
 
本書『降格刑事』は、文庫書下ろし作品として2024年8月10日に発売されています。
 
元警視の「司馬礼二」は48歳、業者との不祥事で降格し、自主的に退職すると思われましたが、辞職することなく日野中央署刑事総務課に左遷されてしまいます。勤務態度は、やる気はゼロ。無責任で、捜査中でも定時で帰りたがります。
 
警視の出世株から警部補に転落し、離婚したダメ刑事として過ごしていました。ある日、新米刑事の「犬川椋」と組み女子大生失踪案件を追うことになります。当初は事件性も不明でしたが、強盗事件の犯人と思われる男が河川敷で遺体で発見され、事件との繫がりが判明し状況は一変していきます。
 
表題から読む前には、降格された刑事が、抜群の行動力と推理力で、事件を解決に導くという筋書きを予測していましたが、新米刑事の「犬川椋」との捜査段階で、ポツリポツリと事件の核心をついてゆく流れでした。刑事捜査の実務がない「司馬礼二」ですが、刑事の心理と矜持を描く警察小説として面白く読み終えました。
 
この『降格刑事』も続編に期待し、「司馬礼二」の新たな局面と新米刑事の「犬川椋」の成長する姿を読みたいものです。
#ブログ #文庫本 #読書

ワオ!と言っているユーザー

今年の読書(52)『残照の頂 続・山女日記』湊かなえ(幻冬舎文庫)

スレッド
今年の読書(52)『残照の頂 ...
ミステリー作品主体の作家<湊かなえ>ですが、本書『残照の頂 続・山女日記』は、『山女日記』に続く、登山を主体とした4篇が収められ、2021年11月に刊行され、2024年8月10日に文庫本が発売されています。
 
それぞれに日々の悩みを抱えて山を訪れる女性たちが、それでも次の一歩を踏み出す姿を描いています。
 
巻頭の一篇『後立山連峰』で、大手食品メーカーに勤める42歳の「麻実子」は、仕事ひとすじに打ち込んできましたが、主人を亡くした営業先の65歳の喫茶店主の「綾子」に付き合い、20年ぶりにザックを背負います。その道中で偶然、写真家の夢をかなえたかつての登山仲間の「山根岳人」と再会します。
 
二編目『北アルプス表銀座』は、三角関係のもつれもあり、失踪した仲間「岩田勇太郎」を想いながらとともに登る「前田美咲」と「野上結衣」は、それぞれに特別な思いを胸に秘めて、再生の場所の〈山〉を目指します。
 
三篇目『立山・剱岳』は、娘の登山ガイドになるという夢を応援できない母親と、母を説得したい山岳部の女子大生が、ははをつれて〈山〉にのぼりますが、祖父に意外な過去と向き合うことになります。
 
そして四篇目『武奈ヶ岳・安達太良山』は、結婚した勝手の登山仲間「飯田(イ~ちゃん)」に対して、京都の伝統和菓子店を継いだ「桜井久美」が、コロナ禍を乗り越え、30年ぶりの登山報告を手紙にしたためて、自分の歩んできた道を振り返ります。
 
それぞれの登場人物たちは、日々の思いを噛み締めながら、一歩一歩、山に挑んでいきます。頂から見える景色は、過去の自分を肯定し、明日へつながる景色です。
#ブログ #文庫本 #登山 #読書

ワオ!と言っているユーザー

今年の読書(51)『晩酌の流儀3』(東京ニュース通信社)

スレッド
今年の読書(51)『晩酌の流儀...
<栗山千明>が主演を務めるテレビ東京系(テレビ東京、テレビ⼤阪、テレビ愛知、テレビ北海道、テレビせとうち、TVQ九州放送)の2024年6月28日から放送の連続ドラマ『晩酌の流儀3』の最終回が、2024年9月20日(金)<24:42~>に放送されます。
 
『晩酌の流儀3』の最終回を記念して、そのオフィシャルブックが、『晩酌の流儀3』として(東京ニュース通信社)から発売されています。
 
『晩酌の流儀3』は、〈1日の最後のお酒をいかにおいしく飲めるか〉を、追求する不動産会社社員「伊澤美幸」の姿を描くシリーズの最新作になります。<栗山千明>が最高の晩酌のためだけにヨガ、サウナ、スポーツ、登山などに勤しむ「伊澤美幸」を演じています。
 
オフィシャルブックには、<栗山千明>と共演者の「島村直⼈」役の<武田航平>、「富川葵」役の<辻凪子>、「海野⼆郎」役の<おかやまはじめ>による座談会や、「珍⼭」役の<ミスターちん>と「⽜場」役の<馬場裕之>(ロバート)の対談、「魚子」役の<友近>、「肉山」役の<土屋伸之>(ナイツ)、「中久保八百子」役の<大久保佳代子>(オアシズ)のスペシャルインタビューが収められています。
 
企画・プロデュース・演出を手がけた<松本拓>と、フードコーディネーターの<藤代太一>、フードアシスタントとして参加した俳優<森田甘路>の座談会も掲載されています。
 
さらに番組に登場したおつまみレシピも一挙紹介されています。「ししゃものアヒージョ」「うなぎの蒲焼~高級うなぎにブラッシュアップ~」「切り干し大根ペペロンチーノ」など40品がラインナップに並んでいます。
#テレビドラマ #ブログ #ムック本 #読書

ワオ!と言っているユーザー

今年の読書(50)『境界線』中山七里(宝島社文庫)

スレッド
今年の読書(50)『境界線』中...
主演<佐藤健>主演で映画化されました『護られなかった者たちへ』(監督:瀬々敬久)に続く、「宮城県警シリーズ」第2弾が本書『境界線』で、2020年12月に刊行され、2024年8月19日に文庫本が発売されています
 
2018年に刊行されました『護られなかった者たちへ』と同じく宮城県警捜査一課を舞台に、東日本大震災による行方不明者と個人情報ビジネスという復興の闇を暴き出していきます。震災によって引かれてしまった〈境界線〉に翻弄される人々の人生の行く末は、果たしてどのような結末を迎えるのでしょうか。

2018年5月某日、気仙沼市南町の海岸で、女性の変死体が発見されました。女性の遺留品の身分証から、遺体は宮城県警捜査一課警部「笘篠誠一郎」の妻「奈緒美」だったことがわかります。「笘篠」の妻は7年前の東日本大震災で津波によって流され、息子「健一」共々行方不明のままでした。
 
遺体の様子から、妻と思われる女性はその前夜まで生きており自殺でした。なぜ妻は自分のもとへ戻ってこなかったのかと「笘篠」はさまざまな疑問を胸に身元確認のため現場へ急行しますが、そこで目にしたのはまったくの別人の女性の遺体でした。
 
妻の身元が騙られ、戸籍が誰かの手によって流出していたのです。やり場のない怒りを抱えながら捜査を続ける「笘篠」でしたが、その女性の足取りをたどり続けるもなかなか進展がありません。そんな中、宮城県警に新たな男性の他殺体発見の一報が入ります。この男の身分も偽りでした、果たしてこのふたつの身分偽造事件の関連性はあるのかの「笘篠」の捜査は続きます。
 
東日本大震災を背景として、物語は進みますが、途中から核心となる登場人物の「五代」と「鵠沼」も高校時代の描写が始まるのには、違和感がありましたが、東日本大震災がそれぞれの人間に及ぼした人生の哀しみが良く伝わり、よくできた構成でした。
#ブログ #文庫 #読書

ワオ!と言っているユーザー

今年の読書(49)『群像2024年10月号』(講談社)

スレッド
今年の読書(49)『群像202...
映画監督<濱口竜介>を特集した文芸誌『群像 10月号』が発売されています。同誌の特集は<濱口竜介>が著した仙台・神戸・鎌倉・ソウルなどで開かれたレクチャーが初めて活字化された『他なる映画と 1「映画講座」編』・作品レビューや映画をめぐる論考・エッセイ、日本語未発表原稿を収録した『他なる映画と 2「映画批評」編』(各2750円・インスクリプト刊)の刊行記念として組まれています。
 
 <濱口竜介>は監督作『ドライブ・マイ・カー』で第94回アカデミー賞国際長編映画賞を受賞。同作で第74回カンヌ国際映画祭、『偶然と想像』で第71回ベルリン国際映画祭、『悪は存在しない』で第80回ヴェネツィア国際映画祭にて賞を獲得しています。
 
同号の「特集・濱口竜介」では、<濱口竜介>が鳥取の映画館「jig theater」で行ないました「ミツバチのささやき」をめぐる映画講座を収録しているほか、<木下千花>による作家論、<伊藤亜紗>と<藤井仁子>が『悪は存在しない』をテーマに執筆した作品論、<三浦哲哉>による「他なる映画と」のロング書評が掲載されています。
#ブログ #映画監督 #月刊誌 #読書

ワオ!と言っているユーザー

  • ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
    ログイン
  • まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
    新規ユーザー登録へ
ハッピー
悲しい
びっくり