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今年の読書(67)『伏蛇の闇網』濱嘉之(文春文庫)

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<濱嘉之>の<片野坂彰>を主人公とする「警視庁公安部・片野坂彰」シリーズも、『国境の銃弾』に始まり『天空の魔手』に続く第6作目として本書『伏蛇の闇網』が、2024年10月10日に、文庫本書下ろしとして発売されています。
 
〈今〉の世界情勢を背景としている本シリーズは、単行本の刊行から2年後目途の文庫本化では、世界情勢が〈過去のもの〉となり面白さが半減してしまいますので、書下ろし文庫本体制は、ファンとしては嬉しい限りです。
 
「片野坂彰」は、中国公安が京都に置く「海外派出所」が在日同胞を脅迫、またマフィアと連携して大規模詐欺に関与しているという情報を得て、単独捜査を開始します。一方、「片野坂」率いる精鋭チーム4人は、激変する国際情勢の中、日本に迫る危機を防ぐべく、今回も、欧州・ロシア・中国・インド・中東で情報収集に奔走、プーチン・習近平・金正恩など注目の人物の描写も面白く絡め、日本の防諜体制に大活躍で、いつも通り一気読み必至の内容でした。
 
このシリーズは、高校生の世界史の教科書代わりにしてほしいなと、いつも読み終えては感じる、フィクションを超えた〈生〉の世界史としていかせる充実度満点の一冊だと思います。
#ブログ #文庫本 #読書

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