今年の読書(67)『ルート29』 黒住 光(リトル・モア)
12月
17日
本書は、<綾瀬はるか>が「のり子」、<大沢一菜>が「ハル」を演じた2024年11月8日より公開の映画『ルート29』のノベライズとして、2024年11月26日に発売されています。
『ルート29』は、『こちらあみ子』で注目されました監督の<森井勇佑>が、<中尾太一>の詩集『ルート29、解放』にインスパイアされて脚本を書いた映画が『ルート29』です。清掃員の主人公「のり子」が風変わりな女の子「ハル」を見つけ出し、奇妙な人たちと出会いながら、姫路と鳥取を結ぶ国道29号線を進んでいくロードムービーとなっています。
ノベライズは『花束みたいな恋をした』の小説版も手がけた<黒住光>が脚本を翻案する形で執筆されています。『北極百貨店のコンシェルジュさん』などで知られるマンガ家<西村ツチカ>が装画のイラストレーションを担当し、グラフィックデザイナーの<名久井直子>が装丁を手がけています。表紙は「のり子」と「ハル」がたどる道のりを、1枚に落とし込んでいます。
映画は、公開3日間の動員数は1万5999人、興行収入は2191万420円でした。ミニシアター系の作品を多く手掛けるリトルモアが制作。小規模シアター中心の公開ですが、<綾瀬はるか>さん主演ということもあり172館で公開されているにも関わらず、寂しい結果となっています。
これまで超大作や話題作への出演が続いていた<綾瀬はるか>だけに、ファンの多くは〈ミニシアター系の作品〉を見慣れていないようで、観客に解釈を委ねる作風が人気ではなかったようで、俳優人気や話題性だけの映画が多いのが残念です。