第2次世界大戦終戦から80周年という節目でしょうか、 2006年7月22日に初公開されました映画『蟻の兵隊』が、2025年8月1日より全国7カ所で順次アンコール上映されます。
本作は〈戦後も戦った日本兵〉<奥村和一>が「日本軍山西省残留問題」の真相を解明しようと孤軍奮闘する姿を追ったドキュメンタリーです。かつて<奥村和一>が所属した部隊は、第2次世界大戦後も中国に残留し、中国の内戦を戦いました。
この行為を、日本政府は兵士たちが志願して勝手に戦争を続けたと見なし、元残留兵らが求める戦後補償を拒否しました。「自分たちは、なぜ残留させられたのか?」と疑問を抱き、中国に向かった<奥村和一>の中で、もう1つの記憶がよみがえります。昭和20年、<奥村和一>は〈初年兵教育〉の名のもとに罪のない中国人を刺殺するよう命じられていました。やがて戦争の加害者であり被害者でもある<奥村和一の執念は、驚くべき残留の真相と戦争の実態を暴いていきます。
監督の<池谷薫>は近年、本作を大学の授業で活用する取り組みを実施。2024年には京都大学、同志社大学で学生有志が主催する上映イベントが開催され、それぞれ約2時間にわたって学生たちと戦争について語り合いました。今年は、琉球大学の学生や長野・松本の高校生たちともイベントを行っています。
今回のアンコール上映では、長野(長野ロキシー/上田映劇)を皮切りに兵庫(元町映画館)、東京(ポレポレ東中野)、新潟(シネ・ウインド)、大阪(シアターセブン)、京都(京都シネマ)を巡回します。<池谷薫>が登壇する舞台挨拶も予定されている場合があり、上映日時は、各劇場にて確認してください。