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- 今年の読書(74)『野良犬の値段(下)』百田尚樹(幻冬舎文庫)
6人のホームレスを誘拐したという犯人が、身代金を請求した新聞社は支払いを拒否すると、一人の切断された〈生首〉が渋谷駅前に置かれているのが発見されます。
SNSを使った「誘拐サイト」はイタズラではないことが分かり、警察は本腰を入れて捜査に乗り出しますが、犯人像は浮かび上がりません。その後も続けて、大手新聞社とテレビ局に誘拐犯から身代金請求のメールが、時期を合わせたように届きます。
最後の結末に至る過程は、一気読み必至で、ネタバレになりますので書けませんが、警察と、大手新聞社とテレビ局、誘拐犯との三つ巴の展開が繰り広げられていきます。
『野良犬の値段(上)』の冒頭で登場したネットオタクの青年が重要な場面や、同じく定年まじかの刑事「鈴村」が、鋭い捜査をするのかと期待していましたが、定年になり事件未解決後の最後に登場する場面など、よく考えられている構成でした。
解説者の<門田隆将>氏は映画化を希望されており、わたしも面白いだろうなぁと思いますが、マスコミを敵に回した内容では、実現が難しいようです。
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