『誰か Somebody』宮部みゆき(文春文庫)
12月
25日
会長(義父)の運転手を11年間務めていた65歳の<梶田信夫>が、縁のないマンションの玄関先で自転車事故に遭い亡くなりますが、残された32歳の<聡子>と22歳の<梨子>は、なかなか目撃者が出てこない現状を打破しようと考え、父<梶田>の歩んできた人生をまとめる自伝の発行を会長に相談、<杉村>はその担当に指名されてしまいます。
一見何気ない寡黙な運転手<梶田>の人生を辿り始める<杉村>ですが、事件は思わぬ方向へと舵を取り始めます。
<梶田>の隠された過去を主軸に、二人姉妹の<聡子>と<梨子>の確執を絡めながら、小さな子供の心の中に潜む家庭環境の怖さを感じてしまうミステリーでした。