<藤井聡太王位>(306)3勝1敗@第65期王位戦7番勝負第4局
8月
21日
19、20の両日、第65期王位戦7番勝負第4局が、佐賀県唐津市の「洋々閣」で指され、後手の<藤井聡太王位>(22/竜王・名人・王座・棋王・王将・棋聖との七冠)が、100手で挑戦者の<渡辺明九段>(40)を破り、対戦成績を3勝1敗として5連覇にあと1勝としています。
<渡辺明九段>の矢倉戦法に<藤井聡太王位>が急戦で応じた本局でした。<渡辺明九段>は1日目に2時間37分の長考で封じた8四角(43手目)の後、5九銀(45手目)と角の逃げ場をつくる我慢の順を選んでいます。早めに7筋の歩を突いたのは、<藤井聡太王位>の新戦法でしょう。6筋の銀を上がるのが常識でしたが、本局はこれが成立しましたから。深い研究に裏打ちされた指し手でした。
<藤井聡太王位>は6五桂(48手目)から1三角(52手目)と中央に狙いを付けると、さらに7五歩(54手目)からの猛攻で8七飛成(74手目)と突破し、優勢を築いています。<渡辺明九段>も懸命に受け、2二角(91手目)と反撃を見せましたが、最後は<藤井聡太王位>が長手数の詰みを読み切り、先手玉を安全に仕留めています。
藤井王位は次局で勝てば、王位連続5期獲得により、「永世棋聖」に続いて自身二つ目の「永世称号」の資格を得ることになります。王位初獲得を目指す渡辺九段は後がなくなりました。第5局は27、28日に神戸市北区の有馬温泉「中の坊瑞苑」で行われます。