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今年の読書(4)『妖の掟』誉田哲也(文春文庫)

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警察小説に新潮流を作り出した『ストロベリーナイト』に始まる「姫川玲子」シリーズや〈ジウ〉サーガシリーズなどのベストセラーを送り出してきた<誉田哲也>ですが、日本の農業問題を扱った『幸せの条件』や青春小説など幅広いジャンルの作家です。

なかでも伝奇ロマンと位置づけられるデビュー作『妖の華』(2001年3月刊行)は第二回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞作品として異彩を放っています。『妖の掟』は、2020年5月に刊行された17年ぶりとなる続編になります。2022年12月10日に文庫本として発売されています。 

「吸血鬼」のごとく生き血を吸いながら時代を越えて生きる一族、闇神(やがみ)として400歳の「紅鈴」と200歳の「欣治」は、ある夜、暴行されていた情報屋の「辰巳圭一」を助けたことから親しくななり、彼の部屋の同居人として住み込みます。ヤクザの盗聴を仕事とする「圭一」の仕事を手伝ううち、大和会系組長3人殺しに関わることになります。一方、本家筋の闇神の刺客が「紅鈴」と「欣治」を抹殺すべく出向いてきます。闇夜にヤクザと警察とこの世ならぬ闇神が入り乱れる怪奇ロマンの世界が展開します。

エンターティメント満開のノワール小説として楽しめた作品で、また『妖の華』を読み返したくなる内容でした。
#ブログ #文庫本 #読書

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