神戸市長田区で2014年、小学1年の女児・当時(6)が殺害された事件で、殺人などの罪に問われた<君野康弘>被告(52)について、最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は3日までに、検察側の上告を棄却する決定をしています。
一審裁判員裁判の死刑判決を破棄、無期懲役とした二審大阪高裁判決が確定します。決定は1日付。
裁判員裁判の死刑判決を見直した二審判決が最高裁で確定するのは4件目。小法廷は、計画性が認められず、被告に同様の前科がないことを重視し、「慎重さと公平性の確保を踏まえると、死刑がやむを得ないとまでは言えない」と結論付けています。5裁判官全員一致の意見。
一、二審判決によると、<君野>被告は2014年9月11日午後、長田区の路上で女児に「絵のモデルになってほしい」と声をかけて自宅に誘い込み、同日、首をナイロンロープで絞め、包丁で刺して殺害。その後に遺体を切断して遺棄しました。
一審神戸地裁は2016年3月、わいせつ目的で女児を誘拐したと認定し、「動機の身勝手さは例を見ないほど極まっている」と指摘。殺害に計画性はないが、刑事責任を軽減すべき事情ではないとし、求刑通り死刑を言い渡した。
これに対し、二審大阪高裁は2017年3月、一審判決を「動機を不利益に過大評価し、計画性がないことを不当に軽視している」と批判。わいせつ目的の殺人事件で被害者が1人の場合、計画性がなく、同様の前科がなければ死刑は回避される傾向があると指摘し、無期懲役を言い渡していました。 昭和58年に最高裁が示した死刑適用の判断基準「永山基準」に照らし、被害者が1人で殺害の計画性が認められない場合は、先例を重視し死刑が回避される傾向が踏襲されています。
またもや判例主義に基づいたようで、一般国民の良識を取り入れる判決という裁判員裁判の制度は意味がなさそうに思える判決だと感じてしまいました。
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