<バンクシー>「Girl With Balloon」@ザザビーズ
10月
7日
世界各地にグラフィティを残す神出鬼没の覆面アーティスト<バンクシー>が、赤いハート形の風船が少女から離れていくさまを描いたグラフィティ「Girl With Balloon」は2002年、ロンドンの橋の一角に出現。2014年には、シリア内戦の反戦キャンペーンの一環で本作をアレンジしたものが発表されるなど、風刺的で過激な作風で知られる<バンクシー>の過去作のなかでも、どこか平和的で物悲しいイメージを持つ作品です。
そんなアイコニックな作品が絵画化された「Girl With Balloon」(2006)が10月5日、ロンドンのサザビーズに登場。30万ポンド(約4400万円)の落札予想額を超え、100万ポンド(約1.5億円)での落札が告げられると同時に、事件は起こりました。
オークショニアが落札のハンマーを下ろし、拍手が起こる場内に突如アラートの音が鳴り、重厚な額縁に隠されていたシュレッダーによって、作品が細かく切り刻まれました。
<バンクシー>のスタッフが、手元のデバイスで遠隔操作を行なったと言われている今回の事件ですが、作品が破損した場合、落札者は購入を拒否できる権利が規則によって定められていますが、今回の事件によって作品の価値がさらに高まることも予想されているため、通常の「破損」とは異なる成り行きになることは間違いありません。