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神戸:ファルコンの散歩メモ

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  • ハッシュタグ「#読書」の検索結果1758件

『憚りながら』後藤忠政(宝島社文庫)

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『憚りながら』後藤忠政(宝島社...
山口組を引退し、天台宗系の寺院で得度して<忠叡>となった武闘派組織「後藤組」の元組長の回想的自叙伝です。

育った静岡県富士宮市での愚連隊時代から語られ、本山のある創価学会の<池田大作>との裏話、山口組直参となるまでの経緯、「風の会」代表だった<野村秋介>との思い出、政界とのつながりなど、赤裸々に語られていきます。

関係した経済界・政界の実名が多く登場、波瀾万丈に富んだ人生と合わせて、日本の裏の歴史書としても楽しめた一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『あの空の下で』吉田修一(集英社文庫)

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『あの空の下で』吉田修一(集英...
ANA月刊機内誌の『翼の王国』に、2007年4月~2008年3月に掲載された12話の短篇と、2008年5月~2008年9月に掲載されたエッセイ6篇が納められています。

飛行機会社の機内誌ですので、飛行機にまつわる内容の短篇が中心となり、それぞれの登場人物たちが、飛行機や旅に関する思い出を紡ぎ出しています。

エッセイは「バンコク」・「台北」・「オスロ」など、東南アジアから北欧の都市に出向いた際の心情がまとめられています。

機内誌ということもあるのでしょう、どれも短めの文章ですが、飛行機や旅にまつわる心の機微が感じられる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『ピザマンの事件簿2』F.T.フォークス(ヴィレッジブックス)

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『ピザマンの事件簿2』F.T....
2年振りに、前作の 『ピザマンの事件簿』 に続くシリーズ2巻目が発行されていました。

前作と同様、主人公はピザハウス『カーロ』で夜間の配達係をしながら、昼間は本来の大工仕事をこなしている<テリー・サルツ>です。

前作で、離婚(中?)の妻<メリールー>が、よりを戻そうと夫<テリー>の近くに引っ越してくることを示唆していましたが、今回はその<メリールー>が殺人犯の疑いをかけられる事件が発生、前回と同様に仕事仲間のメンバーで、警察官<アラン>を出し抜くように聞き込み捜査を始めます。

北東アイオワの小さな町での事件ですが、<テリー>は美人の<マイク>に惚れ、妻<メリールー>はいつの間にか弁護士の<バド>と付き合い始めているようで、ミステリーの殺人事件と並行して、この夫婦のいく末が気になる第2巻目でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『殺人鬼フジコの衝動』真梨幸子(徳間文庫)

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『殺人鬼フジコの衝動』真梨幸子...
冒頭の「はじがき」から「あとがき」まで、息をも付かせぬ緊張感で最後まで一気に読ませてしまう構成でした。

小学校5年生の<森沢藤子>は、教室内でいじめが横行する中、クラスの男子<K>から逃れようとして遮断機が下りている踏切を渡ろうとするのですが、追いかけてきた<K>は運悪く電車にはねられ死んでしまいます。

現場を目撃してあわてて家に戻ると、血まみれの母を見つけ、悲惨な一家惨殺の現場を見たショックから事件の記憶をなくしてしまい、叔母の<茂子>へ引き取られます。
深読みする読者はこの段階で、前段の<藤子>の行動からひょっとしたら犯人は「藤子?」ではと思わせながら、物語は進んでいきます。

宗教に信心している<茂子>は、ことあるごとに亡くなった姉のような人生を歩んではいけないと諭すのですが、いつしか<藤子>は「大人って、ちょろい」という考えを持ち始め、自分の生き方に邪魔になる相手を次々に殺害していくことを繰り返していきます。

殺人という悲惨な状況を、<藤子>の置かれた状況を克明に描くことで読者側にさも当たり前のように感じさせ、ラストでは「さて一家惨殺の本当の犯人は?」という余韻を読者に残こす最終ページの終わり方は、見事としかいいようがありません。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『組長刑事(デカ) 反逆の羊』南英男(徳間文庫)

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『組長刑事(デカ) 反逆の羊』...
主人公は警視庁捜査一課の主任警部補<羽賀亮>ですが、鳶職や家屋解体業として、今は母親が社長を務める堅気の「羽賀組」の4代目ということで、「組長刑事(デカ)」と呼ばれています。

<羽賀>の会社兼自宅に狙撃があり、2年前に逮捕した事件を組んだ刑事<城所等>が頭に銃弾を受け、昏睡状態に陥ってしまいます。

そんな折、秘書派遣会社の美人社長<中杉由紀江>が絞殺死体で発見され、離婚した元夫の<東海林昌広>や、不倫関係にある<笠井直人>に捜査の目が向けられますが、彼らには当日のアリバイがあり、捜査はなかなか進みません。

二つの事件を平行に捜査しながら、「金」と「愛」の絡んだ企業がらみの事件を解決してゆく<羽賀>の活躍が楽しめる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『王子狐火殺人事件』風野真知雄(文春文庫)

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『王子狐火殺人事件』風野真知雄...
副題に「耳袋秘話」と付く、殺人事件シリーズです。

主人公は南町奉行所の奉行<根岸肥前守鎮衛>で62歳、市中の情報は知らないモノはないというところから「大耳」と呼ばれ、裏稼業の世界では肩に赤鬼の入れ墨を入れていることにより「赤鬼」と呼ばれています。

物語は祝言の日に花嫁が消え、その花嫁の着物を着て狐の面を付けた娘が殺害されたところから始まり、江戸市中にある稲荷神社を中心に、若い巫女が連続して殺害されていきます。

<根岸>は、配下の<坂巻弥三郎>と<栗田次郎左衛門>を調査に当たらせ事件の解明に当たります。
この「耳袋秘話」シリーズは、大きな事件を主軸にその他市井に起こる事件を短篇として平行させて描く構成でまとめられています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『キネマの神様』原田マハ(文春文庫)

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『キネマの神様』原田マハ(文春...
映画好きの人にはまず読んでいただきたい、と言うよりは、読まなければいけない感動の一冊でした。
映画に対する登場人物たちの真摯な言葉や姿勢に涙する場面が多々あり、ひとつのことに情熱を燃やすことの素晴らしさを教えてくれています。

39歳で独身の<歩>は、17年勤めていた開発会社の課長職を捨て辞職、折しも麻雀と映画が趣味の79歳の父<丸山郷直>が緊急入院、多額の借金が発覚します。

父親の入院中、マンションの管理人の仕事を代替わりする<歩>ですが、父が70年間見続けた映画の記録を眺めるうちに、<歩>も自分が手掛けていたプロジェクトの関係で、なにげなく父親のノートに自分の映画への想いを書き込んだ紙を挟み込んでしまいます。

ある日「映友社」の編集長<高峰好子>から電話があり、父が<歩>の文章を投稿したブログが彼女の目に留まり、<歩>は編集部に就職することになります。
やがて「映友社」は、ホームページの改編の際、『キネマの神様』なるタイトルで、映画評論の場をブログとして開設するのですが、このブログの場面が秀逸でした。

どうしようもない遊び人の父と娘の関係を主軸に、数多い名画を通しての人間関係が交錯するなか、映画の持つ力の強さを改めて感じさせてくれる素晴らしい物語でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『バイアウト(企業買収)』幸田真音(文春文庫)

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『バイアウト(企業買収)』幸田...
時間が取れれば、本来は自分の専門分野の書籍を読めばと思うのですが、「まっ、いいか」と興味ある分野へと引かれてしまいます。
「医学」「企業・経済」「司法・警察」といった特殊な分野の小説は、普段接することが少ない世界ですが、逆に日常生活に関連した部分が多く、興味を持ちます。

『バイアウト』は、音楽プロダクションをM&Aするために、企業3社がTBO(株式公開買い付け)に乗り出す戦いを中心軸に、裏側でTBOされた会社の株を買いあさる女性トレーダーの親子関係を絡めて話は進んでゆきます。

ダン(取引成立)、セトルメント(決済事務)、コールド・コール(初めての訪問)、タックス・シェルター(租税回避)等、聞き慣れない用語が出てきますが、特殊な業界用語として興味を持ちながら読ませていただきました。
先日、実刑判決が出ました堀江モンや、村上ファンドを思わす登場人物も出てきますので、経済モノとしての実態感がよく出ています。

企業は株主のものか、従業員のものか、日本社会においての「株式会社」の位置づけ、改めて考えさせられました。
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『観念的生活』中島義道(文春文庫)

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『観念的生活』中島義道(文春文...
2006年3月から間は飛ぶが2007年7月にかけて、著者のにちじょうの生活形態を綴りながら、日記のような形で哲学が語られています。

哲学の専門家の文章に対して、わたしには解説すべき力もありませんが、膨大な登場人物の列挙とその人物の代表的な著書を開設しながら、自説を展開しています。

「何でみえるのか」、「何でいつも今なのか」、「もしかしたら私は存在しないのではないか」ということを自ら問い詰め、思考することは、世界を言語によって再現することではなく、世界を言語によってまったく新しく構成することなのだとの姿勢を貫かれています。

一度の読書ではなかなか専門分野の「言語」にはなれませんが、再度読み替えすべく手元に置いておきたい一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『ラブオールプレー』小瀬木麻美(ポプラ文庫)

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『ラブオールプレー』小瀬木麻美...
中学入学からバドミントンを始めた主人公<水島亮>は、2年半の部活を追えて、高校受験に臨もうとしていましたが、横浜湊高校のバドミントン部監督の<海老原>から、「うちにこないか」とスカウトされ、スポーツコースではなく姉の<里佳>の教えもあり進学コースで入学を果たします。

同期には双子の<東山ツインズ>、ダブルスを組むことになる<榊翔平>、帰国子女の<松田航輝>、特進コースの秀才<内田輝>などがおり、切磋琢磨のバドミントンに打ち込む高校生活が始まります。

スポーツ小説によくありそうな「ど根性」物語ではなく、仲間やライバルを通して純粋にバドミントンに打ちこみ、お互いに切磋琢磨して成長してゆく姿に共感を覚えてしまいます。

バドミントンの世界を知らない私ですが、試合の仕組みや駆け引き、スマッシュやドロップ・カットといった打ち方を同じ姿で打ち返すなど、ゲームの面白さも実感できた溌剌とした青春スポーツ小説が楽しめました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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