2日のニューヨーク外国為替市場で円相場は続伸し、前日比95銭円高・ドル安の「1ドル=153円60〜70銭で取引を終えています。円の高値は「1ドル=153円07銭、安値は「1ドル=154円86銭」でした。
日本政府・日銀による円買いの為替介入への警戒感や米長期金利の低下を背景に、円買い・ドル売りが優勢になりました。
前日のニューヨーク市場の取引時間帯にまとまった円買いが入り、市場では日本政府・日銀による円買い介入の観測が広がりました。実際に介入していれば、円安・ドル高に一定の歯止めをかける効果を今のところ発揮しており、再び円が水準を下げれば介入する可能性も出ています。
米長期金利は前日比(0.05%)低い(債券価格は高い)(4.58%)で取引を終えています。米国ではインフレ高止まりへの警戒が強いものの、前日まで開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けて米連邦準備理事会(FRB)による再利上げの観測は薄れています。3日に発表されます4月の米雇用統計では雇用者数の増加幅が3月から縮小すると見込まれ、債券が買われた面もみられます。日米金利差の拡大観測の後退は円相場を支えました。
朝方は円売り・ドル買いが優勢となり、2日発表の週間の米新規失業保険申請件数は市場予想を下回りました。1〜3月期の米労働生産性(速報値)では企業の賃金負担を示す単位労働コストが前期比年率で(4.7%上昇)し、市場予想(4.0%)を上回っています。賃金インフレの高まりが懸念され、米国の利下げ転換には時間がかかるとの見方は円相場の重荷となっています。