記事検索

神戸:ファルコンの散歩メモ

https://jp.bloguru.com/falcon
  • ハッシュタグ「#エッセイ」の検索結果997件

今年の読書(77)『燦|1|風の刃』あさのあつこ(文春文庫)

スレッド
今年の読書(77)『燦|1|風...
江戸から遠く離れた田鶴蕃は十五万石で、藩主<長城守常寿>が治めています。
鷹狩りが好きで、猟に出た際刺客に襲われ、二男<圭寿>のお側付きである筆頭家老の嫡男<吉倉伊月>の立ち合いで、藩主は命を取り留めますが、腰の骨を折る大けがをしてしまいます。

一方、刺客として切りこんだ<燦>は、田鶴蕃の陰の力として尽力してきた最後の「神波一族」の生き残りですが、吉倉家として隠された関係があります。

江戸詰めの長男<継寿>が病死、藩の跡を継ぐべき<圭寿>ともども<吉倉伊月>も江戸にむかいますが、その後を追うように<燦>も江戸に向かいます。

|1|とあるように、このあとシリーズが続くようですが、あさのあつこ初の文庫書き下ろし作品、この先も楽しみな展開が期待できます。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

ワオ!と言っているユーザー

今年の読書(76)『感染遊戯』誉田哲也(光文社)

スレッド
今年の読書(76)『感染遊戯』...
『ストロベリーナイト』『ソウルケイジ』『シンメトリー』 と、警視庁捜査一課殺人犯捜査係の主任<姫川玲子>警部補を主人公にした一連の作品がありますが、この小説はその流れをくむ一冊です。

4章からなる作品で、一つ一つの章が独立した事件のように書かれれていますが、すべての事件が関連する筋立てです。

『ストロベリーナイト』で、<姫川>と相性の悪いガンテツこと<勝俣健作>、『シンメトリー』の<倉田修二>や<姫川>お気入りの若手<葉山則之>等が活躍します。

薬害感染を引き起こした厚労省の役人、裏金作りに手を染めた役人、ダム建設の利権をあさる役人、全国に無駄な保養施設を造り続けた役人達が次々に殺害され、思わぬ結末で締めくくられます。

直接<姫川>が捜査に携わることはありませんが、個性ある刑事たちの行動、<姫川>ファンとしては見逃すわけにはいかない一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

ワオ!と言っているユーザー

今年の読書(75)『アカペラ』山本文緒(新潮文庫)

スレッド
今年の読書(75)『アカペラ』...
2001年『プラナリア』で第124回直木賞を受賞後、最初に書かれたのが『アカペラ』です。
6年に渡る病床生活の後に書かれた、『ソリチュード』並びに『ネロリ』の3編が、文庫本に収められています。

少女小説出身者を思わせる内容の『アカペラ』で、直木賞というのも納得できますが、そのあとの2編を読む限り、文学的な筆致を感じさせる文体だと感じました。

『アカペラ』では、中学3年生の<たまこ>を中心に、家庭崩壊と中学校を舞台に、揺れ動く少女の心模様が描かれています。

『ソリチュード』では、18歳で家出した<春一>が、親父が亡くなったのを機会に20年振りに実家に戻り、20年間の自分の生き方を見つめ直します。

『ネロリ』では、難病を抱えた弟<ヒデ>の為に、独身を通してきた50歳の姉<志保子>を中心とする縦糸と、<ヒデ>の女友達である<ココア>を横糸に、複雑に絡み合う家族問題を描いています。

どこにでもあるような市井の生活を通して、人生を見つめ直す視線を感じ取らせてくれます。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

ワオ!と言っているユーザー

今年の読書(74)『小説 郵便利権』細野康弘(幻冬舎文庫)

スレッド
今年の読書(74)『小説 郵便...
郵政民営化を舞台として、銀行業界と国との関係、民営化の裏舞台をさらけ出した経済小説です。

著者自身がおおて監査法人でメガバンクや国営巨大公社などの完酒券を持つ公認会計士ですので、フィックションとはいえ現実感ある内容でした。

三友銀行の社長(頭取ではなく)の山内豊明は、たたき上げの銀行マンでしたが、それゆえ内部事情に詳しく、国の銀行政策に対して反論し続けます。
金融庁等に目を付けられた山内は、郵政民営化後の社長の座を引き受けならざる立場に置かれますが、「最後の社会奉仕」だとの信念で、民営化に絡む利権の数々をあばき、アメリカの日本経済への目論見をさらけ出してゆきます。

もはやマスコミ自信が目を向けなくなった民営化問題ですが、検証すべき問題は多々あるようです。

#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

ワオ!と言っているユーザー

今年の読書(73)『いきなりはじめる仏教生活』釈徹宗(新潮文庫)

スレッド
今年の読書(73)『いきなりは...
<食べること、歩くことも仏教の実践>という、宣伝文句に引かれて手にしてみました。
著者は、1961(昭和36)年大阪府生まれ、浄土真宗本願寺派・如来寺の住職さんです。

難しい宗教書というイメージはなく、関西弁で小気味よく書かれていますので、読みやすい内容でした。関西人特有の、自分自身に突っ込みを入れながらの文章ですので、肩を張らずに読めます。

大学教授でもあり、随所に思想家や評論家の引用があり、雑学の収集としても役に立ちました。

仏教(宗教)というものを、漫画『ちびまる子ちゃん』の会話や落語家の故桂枝雀と桂ざこばのやり取り、『がばいばぁちゃん』の登場と、多彩な分析で興味を持たせるなど、学生相手の授業のつかみどころかなと読ませていただきました。

結論がでないのが宗教、改めて認識させてくれる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

ワオ!と言っているユーザー

今年の読書(72)『カラット探偵事務所の事件簿1』乾くるみ(PHP文芸文庫)

スレッド
今年の読書(72)『カラット探...
今年の読書(71)では、乾ルカさんの 『夏光(なつひかり)』 にいたく感動を覚えました。
そんなこともあり、今回は<乾>続きで、この文庫本を手にしてみました。
作家 <有川浩> さんを、男性だと間違われる人がおられますが、この<乾くるみ>さんは男性です。

高校時代の同級生同志、所長の古谷謙三と、手伝いの通称<俺>の井上(読み終わってから、下の名前がない意味がわかります)が解決してゆく6つの事件が、連作短篇集として収められています。
浮気や素行調査といった業務ではなく、所長の古谷が安楽椅子探偵よろしく、謎解きだけを専門とする探偵事務所です。

特に<File 3>として収められている『兎の暗号』は、秀逸です。
数字がらみの暗号を解いてゆきますが、手の込んだ謎解きの構成、読みながらうなりました。
著者は静岡大学の数学科卒業というのを後から知り、「なるほど」と納得です。

『事件簿1』とありますので、これからのシリーズが楽しみになりました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

ワオ!と言っているユーザー

今年の読書(71)『夏光』乾ルカ(文春文庫)

スレッド
今年の読書(71)『夏光』乾ル...
著者は1970年札幌市に生まれ、短大卒業後、銀行員や官庁の臨時職員を経て、2006年に短篇『夏光(なつひかり)』で第86回オール讀物新人賞を受賞後、作家デビューされています。

この『夏光』は6篇の短篇から構成されいます。
初めて著者の作品を読みましたが、どのようなコメントを書こうかと悩んでしまいました。
内容がないという意味ではなく、どの短篇も素晴らしく、圧倒的な面白さと人間観察力の目線のつけ方に、言葉が出ません。

解説者の<香川ニ三郎>氏は、<”恐怖(ホラー)の女王” 降臨!>と、解説文の一行目に書かれています。
確かにジャンル的には「ホラー」的な要素が強いのですが、軽いノリでの使い方は控えたいレベルの高さの構成力です。

調べますと、この短篇集を含めてまだ5冊の著作しかないようですが、今後確実に頭角を現してくる作家だと感じました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

ワオ!と言っているユーザー

今年の読書(70)『謎解きはディナーのあとで』東川篤哉(小学館)

スレッド
今年の読書(70)『謎解きはデ...
推理小説の短篇が、6篇収められています。
本格的な長編の推理小説ではなく、登場人物のセリフなどにユーモアがある掛け合いと、ギャグを織り込んだミステリーに仕上がっています。

主人公は、国立署に勤める<風祭警部>32歳で、「風祭モータース」の御曹司で、銀色のジャガーを乗り回しています。
部下には<宝生麗子>が「宝生グループ」のお嬢様の身分を隠して刑事として働いています。
この二人を中心として、密室トリック重視の殺人事件に臨むという設定ですが、事件を解決するのは、<宝生麗子>の執事役の<影山>です。

タイトルの『謎解きはディナーのあとで』は、捜査を終えた<宝生麗子>が食事をしながら、執事の<影山>に状況を説明、謎解きが完成するという流れで作品が仕上がっています。

本格的な警察小説のたぐいではありませんが、<謎とフェアープレーの精神>は守られており、ヒントは文中に隠されていますので、推理小説に慣れた人には、謎解きがしやすいかもしれません。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

ワオ!と言っているユーザー

今年の読書(69)『クジラの彼』有川浩(角川文庫)

スレッド
今年の読書(69)『クジラの彼...
著者自らが「ベタ甘ラブロマ」という言葉で表現されている通り、男女の恋物語の短篇6篇が収められています。
しかも、この6編はどれも国防を預かる「自衛隊」を舞台に繰り広げられており、<自衛隊ラブコメシリーズ>の第一弾です。

表題の「クジラ」とは、海上自衛隊の潜水艦を表す言葉で、隠密行動で、一度出航しますと何カ月も帰還することなく、家族にも連絡が出来ない中での恋愛を、上手くまとめあげています。

どの作品も、片方か両方が「自衛隊」の立場の人間で、特殊な生活環境の中での恋愛を、ラブコメディータッチで面白く読ませてくれる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

ワオ!と言っているユーザー

今年の読書(68)『あなたに逢えてよかった』新堂冬樹(角川文庫)

スレッド
今年の読書(68)『あなたに逢...
MCI(Mild Cognitive Impairment)、日本語訳では軽度認知機能障害の患者を相手に、記憶を取り戻す治療を手助けをしている作業療法士の<星純也>24歳と、紅茶専門店に勤める2歳下の<吾妻夏陽>の二人の恋愛物語です。

紅茶専門店「ブローニュ」に、彼が紅茶を飲みに来るのをきっかけに、恋人同士として付き合いが始まりますが、彼自身が「MCI」を発病してしまます。

自分の愛する人の記憶がなくなってゆく中で、夏陽はけなげに記憶を取り戻すべく手助けをしてゆきますが、ある日突然と彼は姿を隠してしまいます。
主治医や同僚、弟と複雑な人間関係を絡ませながら、ベタな純愛小説とは一味違う構成力で持って、一気に最後まで読ませてくれました。

後半部分で明らかにされてゆく二人の運命的な出会いの結末は意外性をもたせ、この先二人はどうなるのかは、読み手側にゆだねられています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

ワオ!と言っているユーザー

  • ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
    ログイン
  • まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
    新規ユーザー登録へ
ハッピー
悲しい
びっくり