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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(96-2)『不眠症』(下)スティーヴン・キング(文春文庫)

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今年の読書(96-2)『不眠症...
(上巻:669ページ) に続き、(下巻:635ページ)を楽しみました。
上巻で不眠症に悩みながら、主人公の<ラルフ>は朦朧とした世界で幻覚を見るようになりますが、不気味な存在の「ハゲでチビの医者」の存在が分かり、自分たちが住む<ショトタイムの世界=人間界>の人々の寿命を自分勝手な楽しみのために操る<アトロポス>に挑戦してゆく<ラルフ>と<ロイス>の壮絶な戦いが、下巻で描かれていきます。

生まれながらにして持っている個人の寿命を、「意図」的にも「偶然」的にも、もてあそぶことは許されず、<ショートタイム>の世界に住む住人としての使命感が、<ラルフ>を突き動かしてゆきます。

「老いと死」の問題、「時間という観念」の問題、「異次元の世界」の問題を緻密に積み上げながら、S・キングならではの筆致力で物語が進んでゆきます。

完成までに3年2カ月を要したこの作品、面白くて途中でやめられず、「不眠症」ではなく、間違いなく「寝不足」にさせられます。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(96-1)『不眠症』(上)スティーヴン・キング(文春文庫)

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今年の読書(96-1)『不眠症...
上下2冊に分かれていますが、(上巻)だけで669ページ(1149円)と、2冊分はある分量ですので、取りあえず途中までの感想を忘れないうちにと記録です。 (単行本は2001年6月に、同社より刊行されています)

同じ著者の作品に『IT』がありますが、これに登場した同じメイン州デリーの街が舞台です。
70歳になる主人公<ラルフ>は、愛妻の死を境に不眠症に悩まされます。目の覚める時刻がだんだんと早まり、睡眠時間がまともに取れなくなっていきます。
やがて、幻覚かと思われる不思議な現象が見え初め、町や人々の体から発する「オーラ」を知覚し始めます。

不眠症から来る幻覚かと一人悩む中、白衣を着た不気味な生命体を目撃するに至ります。
自分一人の現象ではなく、近隣の女友達<ロイス>も、同じ幻覚に悩まされているのを知り、<これは、過剰現象(ハイパー・リアリティー)だよ>と慰めるところで(上巻)は終わります。

超自然の秘密に触れ始めた二人がこの先どうなるのか、(下巻)を読むのが楽しみです。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(95)『夏休み』中村航(集英社文庫)

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今年の読書(95)『夏休み』中...
大学生も、前期試験が終わり、夏休み入りました。
ふとこの時期に合うタイトルだなと感じ、手にしてみました。

前回読んだ川上未映子の 『ヘブン』 が、中学生のいじめ問題を扱うかなり重たい内容でしたので、ほのぼのとしたイラストの表紙に気分転換を求めました。

<僕=守>と<ユキ>夫婦、<吉田>と<舞子>夫婦は、女同士でつながる仲で、ある日突然に<吉田>が、<舞子>に黙って家出をしてしまうところから物語は始まります。
それではと、女同士で旅行と称する家出を計画、戻って来た<吉田>が旅行先に追いかけるのですが、会うことができません。

ひと夏に起こる夫婦の危機を、テレビゲームが準主役として登場します。
ゲームに勝てば家での件を許し、負ければ離婚だという決戦が行われます。

ゲーム世代ではないわたしには、よく理解できない決着の付け方に思われるのですが、「結婚」自体が「ゲーム」だという比喩的な意味合いが含まれているのかなと、読み終えました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(94)『ヘブン』川未英子(講談社文庫)

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今年の読書(94)『ヘブン』川...
山本俊輔氏の 『絶望中学』 を読んだのが今年の4月で、まだ大津市の市立中学2年生がいじめで自殺した報道はありませんでした。
現在の中学校の現状をあぶり出す内容で、重たい気分で読み進めたのを思い出します。

今回の『ヘブン』は、大津市のいじめとまったく同じ状況を、目の前にさらけ出しています。
この作品は、「芸術選奨文部科学大臣新人賞」と「紫式部文学賞」を同時に受賞した作品で、初出は2009年9月ですから、大津市事件以前に執筆されています。
受賞作だからではありませんが、もっと社会問題として取り上げるべき内容だと感じました。

14歳の<僕>が、ある日同じいじめを受けているクラスメートの女子<コジマ>から手紙を受け取り、被害者同士として気持ちを分かち合いながら学校生活を過ごす過程が、細かく描写されていきます。

善悪や人間のエゴイズム、友情、家庭問題に対処しながら、14歳の<僕>がどのように変容してゆくのか、圧倒的な技量で書きすすめられていきます。
今の現状をを見つめ直す機会として、ぜひ全中学生に読まんでほしい作品です。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(93)『アマルフィ』新保裕一(扶桑社)

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今年の読書(93)『アマルフィ...
テレビを観ませんので読んできた本が、結構ドラマの原作になっているのに驚かされます。
今回の『アマルフィ』は、「フジテレビ開局50周年記念作品」として『アマルフィ 女神の報酬』のタイトルで、2009年7月18日に東宝映画として公開されています。

著者の『ホワイトアウト』も映画化されており、小気味のいい展開はお馴染みで、映画とは違う点があるということで読んでみました。

母と娘が、クリスマスの時期にイタリア旅行に出向いた際、ある目的を達するために、娘を誘拐する事件が起こります。
日本の外務大臣が調印式出席の為、イタリアに出向くことになりますが、事前にテロ行為が行われるという情報で、外交官の<黒田康作>がイタリアの日本大使館に赴任したのを機に、この娘の誘拐事件に関わることになります。
外交官の事なかれ主義とは違う、一匹オオカミ的な行動で、犯人を突き止めてゆく筋立てが展開してゆきます。

映画では母親役は「看護師」、娘は「視力障害者」との設定で、誘拐犯も日本人ですが、小説中では母は外資系の銀行員」であり、娘自身には目の障害もありません。
個人的には、誘拐犯の動機を考えると、小説の設定の方が自然かなと思えます。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(92)『妖怪アパートの幽雅な日常 ⑦』香月日輪(講談社文庫)

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今年の読書(92)『妖怪アパー...
書店の棚にポツリとシリーズ「⑦」が、一冊だけありました。
講談社文庫でシリーズ7冊目だとは、それなりに人気があるのだと感じ、①~⑥は読んでいませんが、手にしてみました。

主人公は、条東商業高校2年生の<稲葉夕士>です。
両親を亡くし、一人住まいとして住んでいるアパートは「寿荘」と言いますが、別名「妖怪アパート」の名の通り、本物の妖怪や幽霊が住んでいるという設定でした。

彼は、ひょんなことから22匹の妖かしを封じた『小(プチ)ヒエロゾイコン』なる魔道書の主に選ばれ、魔術や妖魔を操る「魔書使い(ブックマスター)」という身分を持ちます。

高校生ということで、学園物の内容を絡めながら、奇妙な妖怪たちとの心温まる生活が描かれており、肩を張らずに読み終えれました。

文章中、「手首」だけの料理上手な妖怪<るり子>さんがたびたび登場、作る料理がバラエティーに富んでいておいしそうなのが気になりましたが、単行本として『妖怪アパートの幽霊な食卓 るり子さんおお料理日記』が出ているようで、そうだろうなと納得です。

全10巻のシリーズのようですが、機会があればまた続きを読んでみたいと思います。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(91)『狐火の家』貴志祐介(角川文庫)

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今年の読書(91)『狐火の家』...
前回読みました<乾くるみ>の 『嫉妬事件』 、ミステリー同好会の部室が密室状態の中での事件でしたが、結末も良くなく面白くありませんでした。

密室(殺人)事件のトリックは、古今東西、推理小説の基本中の古典的手法です。
口直しに何か面白い小説はないかと、ふと閃いたのが2004年に刊行された<貴志祐介>の『硝子のハンマー』です。

今回の『狐火の家』も、『硝子のハンマー』で活躍した弁護士の<青砥純子>と、元(本職?)泥棒で、現在は防犯コンサルタントの<榎本径>が、密室の謎解きをする表題作を含めた4篇が楽しめます。

特に2編目の『黒い牙』は「蜘蛛」がキーワードで、昆虫好きとしては、楽しめました。
「蜘蛛の目は8個」 との記述には、著者も本当に「蜘蛛」好きなのかと思わせる描写です。

密室事件にかかわる<青砥順子>と、防犯コンサルタントの<榎本径>のコンビ作品は、第三弾の短篇集が昨年に出版されていますが、文庫本になるのを待ちたいと思います。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(90)『嫉妬事件』乾くるみ(文春文庫)

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今年の読書(90)『嫉妬事件』...
以前に読んだ著者の 『カラット探偵事務所の事件簿1』 が、割と面白かったので、今回この『嫉妬事件』というタイトルが気になり手にしてみました。

城林大学ミステリー研究会の部室にある一番高い所に置かれている本の上に、「うんこ」が置かれているという事件が起こります。
発覚した当日は、年末恒例の犯人当ての作品発表会の日にあたり、美人の<赤江静流>が彼氏を連れてきて、彼の借りたい本を貸す予定でした。
丁度その本の上に「うんこ」が置かれており、知らずに取ろうとすると顔面に直撃するという惨事が起こるはずでした。
生憎と「うんこ」が匂い出し未然に防げたのですが、鍵の掛かっている密室での出来事ということで、ミステリー研究会として犯人探しが始まります。

んん~、なんとも尾籠な話ですが、そのことを抜きにしても、まとまりのない事柄をダラダラと引っ張っている感があり、くどすぎます。
また結末も、「なるほど」と感心できる終わり方ではありませんでした。

著者のファンには申し訳ないのですが、今年(90)冊目にして、初の駄作に当たりました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(89)『平台がおまちかね』大崎梢(創元推理文庫)

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今年の読書(89)『平台がおま...
著者の細かい経歴は分かりませんが、2006年までは某書店で勤務しており、『配達あかずきん』にて文壇デビューをされたようです。

この『平台(ひらだい)がおまちかね』は、大学時代にアルバイトをしていた明林書房の営業マンとして入社した<井辻智紀>の、担当書店をめぐる奮闘記です。

著者自身が書店勤めの経歴の持ち主ですので、書店の裏側の様子がよく描写されており、本一冊をめぐる駆け引きがあますところなく楽しめました。

「平台」は、書店が一押しの書籍を並べる一番いい場所を指す言葉ですが、各出版社やポップ広告を作成する書店側の努力など、本好きとしては面白く読めました。

5話の話しがつまっていますが、第4話の『絵本の神様』は、とくに秀逸でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(88)『アウトバーン』深町秋生(幻冬舎文庫)

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今年の読書(88)『アウトバー...
新たなる女性刑事の誕生です。
多くの作家さんたちが、女性刑事を主人公に小説を書かれていますが、今回も個性的な主人公のデビュー作です。

暴力をいとわず、金で同僚を飼いならし、裏社会の者と情報のやりとりを平然とこなす、上野署組織犯罪対策課の<八神瑛子>です。
誰もが認める美貌を持ちながら、容姿からは想像もできない苛烈な捜査手段で数々の犯人を逮捕してきている経歴を持ちます。

一見連続殺人犯かと思える若い女性殺しの捜査に加わり、<八神>独自の捜査方法で犯人までたどり着きます。

主人公<八神>の夫は、出版社の雑誌記者でしたが、奥多摩にある鉄橋の下で遺体となって発見されました。調査の結果「自殺」ということで当時の捜査を終えています。
<八神>は他署の交通課に勤務する品行方正な警官だったのですが、この事件を契機に変わっていきます。

シリーズ物の決まりとして、この夫の事件の真相を突き詰めてゆく筋立が伏線としてあるようで、どのような方向に物語が進んでゆくのか、見逃せないヒロインの登場です。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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