『はじけ鳳仙花 わが筑豊 わが朝鮮』@<土本典昭>監督
4月
25日
1960年代から水俣をテーマにしたドキュメンタリー映画を数多く手がけてきた<土本典昭>監督が、世界のさまざまな理不尽に対して表現活動を通して抵抗し続けた画家<富山妙子>の作品世界に迫った1984年製作のドキュメンタリー『はじけ鳳仙花 わが筑豊 わが朝鮮』は、1984年12月2日より初公開されていますが、2025年4月26日よりリバイバル上映されます。
<富山妙子>は、「アジア人として、女として、美の周縁から出発する」という信念を持っていました。自伝的論集『はじけ!鳳仙花 美と生への問い』とリトグラフ『引き裂かれた者たち』には、アジア人、特に朝鮮半島の人々へ向けたまなざしがあります。
水俣病による絶望的な現実と、それでも生きていこうとする人々の姿をすくいあげてきた<土本典昭>監督が、同じ地平を歩く表現者としての視点から、<富山妙子>がなぜ筑豊・朝鮮をテーマに暗いリトグラフを描き続けるのか、そしてなぜ美しい世界を並行して描くことができるのかに迫ります。<土本典昭>監督と<富山妙子>のやり取りにもカメラを向け、2人の表現に対する真摯な追究の姿を映し出しています。
作曲家・ピアニストの<高橋悠治>が音楽を担当。オリジナルネガフィルムからHDデジタルリマスター版が製作され、上映企画「画家 富山妙子と2本のドキュメンタリー映画」にて、『自由光州 1980年 5月』(監督:前田勝弘)とあわせてリバイバル上映されます。