<藤井聡太>(301)叡王失冠
6月
21日
20日、第9期叡王戦五番勝負第5局が山梨県甲府市の「常磐ホテル」で指され、<藤井聡太叡王>(21/竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖の八冠)は後手番の挑戦者<伊藤匠七段>(21)に敗れ2勝3敗で落とし、七冠になりました。
開幕白星から伊藤にタイトル戦では初となる2連敗を喫し、土俵際に立たされました<藤井聡太叡王>でした。負ければ七冠への後退は第4局(先月31日)と変わらない状況で、連勝による逆転を期し、自身が持つタイトル連続獲得記録は22期で止まりました。
振り駒の結果、先手は<藤井聡太叡王>になりました。これまでの4局と同様に角換わりで進行し、お互いに手駒にした角打ちや桂頭への歩打ちで互角の戦いでしたが、昼食休憩前に伊藤は持ち時間(各4時間)の約半分を費やしています。
<藤井聡太叡王>は<伊藤匠七段>の玉の周辺を積極的かつ的確に攻め続けて一時は優位に立ちましたたが、反撃され、持ち時間も逆転されて1分将棋になりました。<伊藤匠七段>もその後1分将棋に陥り、互いにシビアな戦いが続きましたが、9九の自玉周辺を崩されて力尽きました。
<伊藤匠七段>は悲願の初タイトル獲得で、21歳8か月での獲得は<郷田真隆九段>(1992年9月・王位戦)の21歳5か月に次ぐ歴代8番目の年少記録となっています。
七冠の<藤井聡太>は、棋聖戦五番勝負は<山崎隆之八段>に2連勝中ですが、7月1日に第3局(愛知県名古屋市「亀岳林 万松寺」)が控えています。同6、7日には<渡辺明九段>を迎え撃つ王位戦七番勝負第1局(名古屋市「徳川園」)が続きます。試練の夏が続きます。