今年の読書(30)『ケモノの城』誉田哲也(双葉文庫)
6月
6日
また、農業の世界で頑張る女性を描いた 『幸せの条件』 も異色な作品で楽しめました。
今回の本書は、いやはやなんともグロテクスな描写の連続で、衝撃的な内容でした。
自ら警察に身柄保護を求めてきた17歳の少女は、全身に暴行の跡がありました。彼女の証言により監禁されていたマンションの部屋には<アツコ>と名乗る女がおり、部屋からは多数の血液反応が発見されます。
<アツコ>は取り調べに対して、すべて<梅木ヨシオ>なる男の犯行だと言い続けますが、男の正体がつかめません。
人間は監禁状態になると「学習性無力感」という無気力な感情に陥り、無抵抗にならざるを得ないようですが、それにしても衝撃的な殺人事件を扱った作品です。怖いもの見たさの人にお勧めします。