『細菌No.731』霧村悠康(だいわ文庫)
3月
21日
自然死と処理され事件にはなりませんでしたが、緊急搬送されたS病院の医師<古都波>は血中リンパ球数が以上に低いのに気が付き、製薬会社に勤める高校の同級生<栗原七海>に蛋白質の分析を依頼します。
冒頭には、大戦終了後の不審な行動をする3人の男たちの会話がプロローグとしてあり、読者は「菊00号」と名付けられた作戦が、最近関係だと刷り込まれています。
同じころワシントンの伝染性微生物研究所では、2年ごとに異変を続ける最近の研究が続けられ、日本が開発した「No.731」の細菌が現在「No.761」まで変異を遂げ、猛毒性を帯びてきていました。
戦後64年が経ち、冒頭に登場した3名のその後の行動を描きながら、医師<古都波>のおとぼけの行動が楽しめる一冊でした。