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今年の読書(40)『逍遥の季節』乙川優三郎(新潮文庫)

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今年の読書(40)『逍遥の季節...
書物を読んで感動するのは、まずミステリーファンとしては緻密な構成と登場人物の個性に負うところが大きいとおもいます。
また博識な知識が、宝石のようにあちらこちらに光る文体も、これまた感動を覚えますが、この一冊は正に後者の一冊でした。

江戸の片隅に、恵まれない育ちを背負いながら、それぞれが自立するために手に職を持つ女たちを主人公にした、七篇からなる短篇集です。

『竹夫人』は三味線の師匠として生きる<澄(すみ)>、『三冬三春』は絵師として生きる<阿仁>、『夏雨草』は根付け作りに情熱を傾ける<ふさ>、『秋草風』は糸の染色に生きる<萌>、『細小群竹』は髪結いの見習いの<すず>、『逍遥の季節』では踊りの<藤枝>と生け花の<紗代乃>の葛藤等、その世界で生きる女たちの心の憧憬を見事に描き切っています。

パソコンも携帯電話もない時代に生きる、「男と女」・「親と子」・「師匠と弟子」の人情味あふれる生き様が、爽やかさを残してくれる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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birdy
birdyさんからコメント
投稿日 2013-03-26 20:38

「逍遥」に季節って、どういう意味のタイトルなんでしょうか?
客観的に見てるのかなぁ。

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ファルコン
ファルコンさんからコメント
投稿日 2013-03-27 05:49

「逍遥」とは、あちらこちらをぶらぶらと歩く様をいい表わしている言葉ですので、人生の紆余曲折の変化と、四季の変化を重ね合わせているのかとおもいましたが、さていかに・・・。 (苦笑)

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