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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(91)『狐火の家』貴志祐介(角川文庫)

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今年の読書(91)『狐火の家』...
前回読みました<乾くるみ>の 『嫉妬事件』 、ミステリー同好会の部室が密室状態の中での事件でしたが、結末も良くなく面白くありませんでした。

密室(殺人)事件のトリックは、古今東西、推理小説の基本中の古典的手法です。
口直しに何か面白い小説はないかと、ふと閃いたのが2004年に刊行された<貴志祐介>の『硝子のハンマー』です。

今回の『狐火の家』も、『硝子のハンマー』で活躍した弁護士の<青砥純子>と、元(本職?)泥棒で、現在は防犯コンサルタントの<榎本径>が、密室の謎解きをする表題作を含めた4篇が楽しめます。

特に2編目の『黒い牙』は「蜘蛛」がキーワードで、昆虫好きとしては、楽しめました。
「蜘蛛の目は8個」 との記述には、著者も本当に「蜘蛛」好きなのかと思わせる描写です。

密室事件にかかわる<青砥順子>と、防犯コンサルタントの<榎本径>のコンビ作品は、第三弾の短篇集が昨年に出版されていますが、文庫本になるのを待ちたいと思います。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(90)『嫉妬事件』乾くるみ(文春文庫)

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今年の読書(90)『嫉妬事件』...
以前に読んだ著者の 『カラット探偵事務所の事件簿1』 が、割と面白かったので、今回この『嫉妬事件』というタイトルが気になり手にしてみました。

城林大学ミステリー研究会の部室にある一番高い所に置かれている本の上に、「うんこ」が置かれているという事件が起こります。
発覚した当日は、年末恒例の犯人当ての作品発表会の日にあたり、美人の<赤江静流>が彼氏を連れてきて、彼の借りたい本を貸す予定でした。
丁度その本の上に「うんこ」が置かれており、知らずに取ろうとすると顔面に直撃するという惨事が起こるはずでした。
生憎と「うんこ」が匂い出し未然に防げたのですが、鍵の掛かっている密室での出来事ということで、ミステリー研究会として犯人探しが始まります。

んん~、なんとも尾籠な話ですが、そのことを抜きにしても、まとまりのない事柄をダラダラと引っ張っている感があり、くどすぎます。
また結末も、「なるほど」と感心できる終わり方ではありませんでした。

著者のファンには申し訳ないのですが、今年(90)冊目にして、初の駄作に当たりました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(89)『平台がおまちかね』大崎梢(創元推理文庫)

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今年の読書(89)『平台がおま...
著者の細かい経歴は分かりませんが、2006年までは某書店で勤務しており、『配達あかずきん』にて文壇デビューをされたようです。

この『平台(ひらだい)がおまちかね』は、大学時代にアルバイトをしていた明林書房の営業マンとして入社した<井辻智紀>の、担当書店をめぐる奮闘記です。

著者自身が書店勤めの経歴の持ち主ですので、書店の裏側の様子がよく描写されており、本一冊をめぐる駆け引きがあますところなく楽しめました。

「平台」は、書店が一押しの書籍を並べる一番いい場所を指す言葉ですが、各出版社やポップ広告を作成する書店側の努力など、本好きとしては面白く読めました。

5話の話しがつまっていますが、第4話の『絵本の神様』は、とくに秀逸でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(88)『アウトバーン』深町秋生(幻冬舎文庫)

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今年の読書(88)『アウトバー...
新たなる女性刑事の誕生です。
多くの作家さんたちが、女性刑事を主人公に小説を書かれていますが、今回も個性的な主人公のデビュー作です。

暴力をいとわず、金で同僚を飼いならし、裏社会の者と情報のやりとりを平然とこなす、上野署組織犯罪対策課の<八神瑛子>です。
誰もが認める美貌を持ちながら、容姿からは想像もできない苛烈な捜査手段で数々の犯人を逮捕してきている経歴を持ちます。

一見連続殺人犯かと思える若い女性殺しの捜査に加わり、<八神>独自の捜査方法で犯人までたどり着きます。

主人公<八神>の夫は、出版社の雑誌記者でしたが、奥多摩にある鉄橋の下で遺体となって発見されました。調査の結果「自殺」ということで当時の捜査を終えています。
<八神>は他署の交通課に勤務する品行方正な警官だったのですが、この事件を契機に変わっていきます。

シリーズ物の決まりとして、この夫の事件の真相を突き詰めてゆく筋立が伏線としてあるようで、どのような方向に物語が進んでゆくのか、見逃せないヒロインの登場です。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(87)『図書館革命』有川浩(角川文庫)

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今年の読書(87)『図書館革命...
<図書館戦争シリーズ>も(4/4巻目)として、いよいよ最終巻です。

敦賀原子力発電所が、テロ集団の襲撃に遭うところから物語は始まります。
このテロ行為自体が、作家<当麻蔵人>の書いた小説の筋書きだということで、メディア良化委員会が<当麻>の身柄確保に乗り出しますが、図書特殊部隊が匿い、世間に対して検閲行為の不適切さを訴え続けます。

この事件を通して、メディア良化委員会や図書特殊部隊に配備されていた重火器類の使用は禁止され、少しはおだやかな社会になりつつあることを読者に想像させながら、この物語は終わります。
熱血感あふれる女性隊員の<笠原郁>と、あこがれの王子様こと上司の教官<堂上篤>は、ハッピーエンドの結末を迎え、読者として肩の荷が下りました。

物語はまだ『別冊 図書館戦争Ⅰ・Ⅱ』として2巻の続きがあるようですが、一応今回はこの最終巻で中締めです。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(86)『図書館危機』有川浩(角川文庫)

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今年の読書(86)『図書館危機...
<図書館戦争シリーズ>も、(3/4巻目)になりました。

今回も、バラエティーな話題がたくさんつまった一冊でした。
2巻目の 『図書館内乱』 では、主人公の<笠原郁>は、なんとか図書特殊部隊に所属していることを両親に隠し通せましたが、今回は実家のある茨城県への図書館警備の任務があり、母親にばれてしまう事件が起こります。

また、有名人気タレントが自叙伝を出す企画が持ち上がりますが、メディア良化委員会の検閲を避けるために、差別用語として「床屋」ということばが使われず、「理髪店」や「理容師」などの言葉で置き換えなければ発行が難しく、タレントとひと悶着するお話もありました。
(現実に「床屋」というのは、自主規制用語でそうです)

実際著者自らが自主規制させられた体験があり、その時の疑問なりが生かされた内容で、なにをもって差別用語とするのかの問題定義も共感できます。

この<図書館戦争シリーズ>も残り一冊、最後はどのような結末でこの物語が終わるのか、期待が持てる娯楽小説です。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(85)『図書館内乱』有川浩(角川文庫)

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今年の読書(85)『図書館内乱...
<図書館戦争シリーズ>の(2/4巻目)として、 『図書館戦争』 に続く物語です。
今回は、図書館を守る図書特殊部隊員それぞれの、個人的なトラブルが中心になっています。

初の女性隊員である<笠原郁>は、両親には単なる図書館員だということにして、図書を守る戦闘隊員の身分を隠していますが、その両親が上京してきて慌てふためく状況がコミカルに描かれています。

上官の<小牧幹久>は、聴覚障害を持つ<中澤毬江>という、10歳年下の幼馴染がいますが、『レインツリーの国』という本を貸すことで、「メディア良化委員会」の査問にあうトラブルに巻き込まれます。

<笠原郁>と同期の<手塚光>は、5歳年上の兄<手塚慧>がいますが、図書館の運営方針の考え方が違い、そのために<笠原郁>がよからぬ嫌疑をかけられてしまいます。

<笠原郁>と寮の同室の<柴崎麻子>も、<手塚慧>の陰謀で、送り込まれた<朝比奈>の正体を知り、<手塚光>により助けられますが、図書館の事務員という身分ではなく「情報部候補生」という隠れた肩書が露見してしまいます。

今回も個性豊かな隊員たちのドタバタ劇、十分に楽しめました。
あとがきで、「プロットを立てずにぶっつけ本番で小説を書くタイプだ」と自己分析されていますが、登場人物のキャラクター設定がしっかりしていますので、自然と筆が進んでゆくんだと思います。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(84)『図書館戦争』有川浩(角川文庫)

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今年の読書(84)『図書館戦争...
<図書館戦争シリーズ>の(1/4巻目)として、『図書館戦争』です。

2019年(正化31年)を舞台として、公序良俗を乱す表現を取り締まる「メディア良化法」が成立して30年が経ち、対抗するメディア良化委員会と言論と読書の自由を確保を守る図書館の戦いが続いています。
あらゆる弾圧から図書館を守り抜くために構成された図書特殊部隊が、繰り広げるドタバタ喜劇です。

高校時代に書店で本を購入しようとした時に、検閲機関に読みたい本を没収されそうになったところを、図書隊員を名乗る男性に助けられた<笠原郁>は、この経験をもとに図書隊に志願、エリートの図書特殊部隊員に初の女性隊員として採用されます。
あこがれの図書隊員を探し求めながら繰り広げられる<笠原郁>の行動を中心に、エンタティナメントが繰り広げられます。

図書の検閲という、あくまでも空想の世界が舞台ですが、本好きとしては笑えない内容を含んでおり、図書館の存在意義を改めて考えさせられました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(83)『水底の森 (上・下)』柴田よしき(文春文庫)

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今年の読書(83)『水底の森 ...
文庫本にして、(上・下)2冊で900ページを超す長編ですが、読み終わってほっとするよりも、もっと続けて読みたいと感じる内容で、今年も半年が過ぎましたが、前半制覇した本として、一、二位の評価を与えられる力作でした。

東京のとある下町で、顔のつぶされた男の死体が発見され、続けて謎の連続殺人が起こります。
顔のつぶされた死体が発見された家の主婦<高見(松任)風子>の行方が分からず、警察は殺人犯として手配します。

所轄の刑事、<遠野要>が<高見風子>を追い求めますが、捜査に並行して<遠野>の家庭問題や不倫問題の描写が続き、殺人事件との兼ね合いが分からないままに読み進めましたが、これが思わぬ伏線として物語の後半に生かされてゆきます。

不幸な生い立ちを背負った<高見風子>を中心として、幼少から現在に至るまでの複雑な人間関係が絡み合い、一気に最後まで読ませる文章力に圧倒されました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(82)『カップヌードルをぶっつぶせ!』安藤宏基(中公文庫)

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今年の読書(82)『カップヌー...
シリーズとして食べてきています<インスタント麺>も、昨日の 「日清のごんぶと 天ぷらうどん」 で92種類目になりました。

今回は、お世話になっています「インスタント麺」業界のトップブランド<日清>の二代目(正確には三代目)社長安藤宏基の奮戦記です。

<インスタント麺>関連の記述もありますが、主軸は「二代目としてのマーケティング戦略」の実践経営哲学が詰まっていました。

先代の開発した「チキンラーメン」と「カップヌードル」という大御所が存在する中で、二代目としてどう対処してきたのかの過程がよく理解できました。

年間約600個の新製品が出てくる業界で、店舗の棚に生き残る<インスタント麺>は、ごくわずかです。
目につかなく消えてゆく<インスタント麺>の多さに驚きながら、まだまだこのシリーズは続けられそうだと、ひと安心です。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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