花と昆虫は密接な関係があるようで、今回も先ほど紹介しました2種類の<ヒペリカム>を撮影しているときに【ホソヒメヒラタアブ(細姫平田虻)】と遭遇しました。
ハエ目(双翅目)ハナアブ科ヒメヒラタアブ属の昆虫で、(双翅目)の特徴である<平均棍>が、小さいながらも見て取れます。
「キタヒメヒラタアブ」と同じ外観をしており、正確な同定は生殖器を観ないと判断できませんが、「キタヒメヒラタアブ」は体長が8ミリ以上あり、本種は6~7ミリと小さいところで判断しています。
腹部がほっそりとしていて先端に丸みがありますので<オス>だとわかりますが、複眼が接していますので、この部分だけでも<オス>だ判断できます。
腹部背面の黒と黄色の横縞模様は 個体差 があり、これはあまり「ハチ」の擬態には見えませんでした。
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するどい線形の<総苞片>の棘をもろともせずに、【ナミアゲハ】が 「アメリカオニアザミ」 の蜜を吸っていました。
数多い蝶の中でも「アゲハチョウ科」は大型で美麗な種が多く、世界的にも収集家が多い分野で、世界には573種(公益社団法人:農林水産食品産業技術振興会)が記録され、日本には22種(同)が分布しています。
その中でも【ナミアゲハ】は一般的な蝶だと思いますが、郵便切手の図案としての登場はなく、アゲハチョウ科としては「ミカドアゲハ」(1977・5・18)、第16回国際昆虫会議記念として日本固有種の「ギフチョウ」(1980・8・2)、昆虫シリーズ第1集として「ウスバキチョウ」(1986・7・30)などしか見当たりません。
家紋としても馴染のある【ナミアゲハ】が、切手に図案化されないのは気になるところです。
翅をほとんど動かさず、優雅にゆっくりと飛翔している【ホシミスジ】です。
チョウ目(鱗翅目)タテハチョウ科イチモンジチョウ亜科ミスジチョウ属に分類され、同じ属には「コミスジ」や「ミスジチョウ」がいますが、わたしの周辺では遭遇しません。
幼虫は「コデマリ」や「ユキヤナギ」・「シモツケ」といったバラ科シモツケ属を食草としていますので、国内では北海道を除き広く分布、市街地や住宅地でも見かける機会が多い種です。
とまるときは翅を開いていることが多く、翅を開いたまま滑空するという「イチモンジチョウ亜科」独特の離陸を見せてくれます。
写真では大きく見える「蛾」ですが、全長6~7ミリほどの大きさしかない【コホソスジハマキ】です。
チョウ目(鱗翅目)ハマキガ科アマキガ亜科に分類され、5~6月頃が活動時期です。
ハマキガの名称は、色や形が煙草の「葉巻」からではなく、多くの幼虫が1枚の葉ないし2~3枚の葉を吐き出した糸で綴って葉を閉じるように巻き、その糸の網の中に隠れて葉を食害するところから名づけられています。
小さい体ながらも、翅表にV字型の特徴ある茶褐色の筋が2か所ありましたので、同定しやすい「蛾」でした。
先ほど紹介しました 「シロシモツケ」 の花を撮影していましたら、体長7ミリほどの小さな <ハナバチ>が飛翔してきました。
<ハナバチ>は蜂類の中で、花の蜜や花粉を集めて幼虫の餌とし、それらを蓄える習性を持ちます。
またハチ目(膜翅目)ハチ亜目ミツバチ上科に分類されている「ヒメハナバチ科」(約80種)・「コハナバチ科」(約100種)・「ハキリバチ科」(約50種)・「ミツバチ科」など、日本では7つの科に分類されている約400種の蜂の総称として<ハナバチ>と呼んでいます。
体長が小さく、はっきり区別できる特徴もなく、本種の名称までは同定できませんでしたが、記録として残しておきたいと思います。
神戸は昨夜から雨が降り続いていましたが、午前10時ごろに上がり、ようやく活動開始でしょうか、ヨモギノ葉の上に雨に濡れた【ナナホシテントウ】を見つけました。
幼虫・成虫とも 「アブラムシ」 や「カイガラムシ」など植物の害虫を食べてくれる益虫ですので、農業的に利用する実験が行われていますが、少しばかりかわいそうな気もしています。
蛹から羽化するときには周囲に空間がないと後翅が完全に開き切らないことを利用して、狭い筒状に中に「テントウムシ」の蛹を入れますと、後翅が折れ曲がった形になり、見た目は同じでも正常に飛べなくなります。
この「テントウムシ」を使いますと飛べませんので、移動することなく農作物に留まり、「アブラムシ」等の害虫を食べてくれるというわけです。
網戸がありますが、どこから紛れ込んだのか、全長7ミリほどの小さな蛾が部屋に入り込み、わたしの右手人差し指にとまりました。
黒っぽい翅と頭部が茶褐色(黄色)という特徴で、チョウ目(鱗翅目)メイガ科ツヅリガ亜科の【ウスグロツヅリガ】だと同定しました。
警戒しているのか触角を立てていますが、ツトガ科やメイガ科の蛾は、触角を横に倒して翅の上に乗せる姿を見せますので、同定するときの目安になります。
この蛾の幼虫は「ミツバチ」の巣を食べたり、幼虫や蛹の体液を吸ったりして成長するために、養蜂家にとっては「スムシ」と呼ぶ迷惑な害虫です。
草むら内に隠れているのが多い「キリギリス」は、バッタ目(直翅目)キリギリス科キリギリス属の昆虫で、日本には現在「ハナナガキリギリス」・「ヒガシキリギリス」・「ニシキリギリス」・「オキナワキリギリス」の4種が分類されています。
大きく二分割にされています「ヒガシキリギリス」や【ニシキリギリス】の分類ですが、地域により形態的・生態的に多様な個体群が知られ、とりあえず「地理的変異」として扱われており、将来的にはまた新しい名称の「キリギリス」が出てくるかも知れない、未解明な種です。
背中が平たく、側面に白と黒の線があるのが「キリギリス」の幼虫の特徴で、良く似た体形の同じキリギリス科の 「ヤブキリ」 は背中に茶色の帯が1本走るだけです。
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逆光のスリガラスの窓に、【シマサシガメ】がとまっていました。
カメムシ目(半翅目)サシガメ科モンシロサシガメ亜科に分類され、体長15ミリ程度で、同じ亜科には 「ヨコヅナサシガメ」 がいますが、本種のほうが細身で見た目がすっきりとしています。
腹部は白・黒の構成で、また足も白・黒の縞模様をしており、名称の由来になっています。
幼虫・成虫とも小昆虫の「ルリハムシ」や「ナナホシテントウ」などの甲虫類や、「チョウ」・「ガ」などの幼虫の体液を吸う食肉性です。
ご近所のお家に咲く 「ニオイバンマツリ」 の周りを忙しく飛んでいる黒い蝶と遭遇しました。
黒い大きな翅でしたので、 「クロアゲハ」 かなと思えたのですが、<尾状突起>がなく、下翅に白い筋がありましたので【ナガサキクロアゲハ(長崎黒揚羽)】のメスだとわかりました。
東南アジア・インドネシアから、中国・台湾を経て日本に分布しています。
江戸時代には名称通り九州以南に分布が限られていましたが、最近までは近畿以西に分布、温暖化が進むのに従い、現在では神奈川県西部の太平洋側にて確認されています。
成虫の前翅長は60~80ミリと、日本産の蝶では 「モンキアゲハ」 やマダラチョウ科の 「オオゴママダラ」と並ぶ大型で、メスはオスよりも大きい体形です。
アゲハチョウ属の中では珍しく<性的二形>が顕著で、オスの羽はほぼ全面が黒色ですが、メスは後翅に白く細長い斑点が数個並んでいます。
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