野草の生い茂るなか、マメ科シャジクソウ属の【シロツメクサ(白詰草)】が咲いていました。〈クローバー〉の花といった方が一般的でしょうか。
原産地はヨーロッパで、日本では、北海道から九州までの各地に帰化して自生しています。平地から丘陵地の日当たりのよい野原や道端、畑の縁などでふつうに見られますが、都会の中では遭遇するのが難しい部類になってきているようで、10年ぶりのご対面になりました。
花期は春から初夏にかけて咲き、葉の付け根から長さ10~30cmの長い花柄を出した先に頭状花序がつき、10個から80個の小さな蝶形花が集まって直径約1 cmの球形です。花色はふつう白色ですが、わずかに薄紅色を帯びるものもあるようです。
そういえば、「アカツメクサ」や「コメツブツメクサ」も見かけなくなりました。
昨日は、デイケアに出向きましたが、花瓶にキク科ハルシャギク属【オオキンケイギク(大金鶏菊)】が活けられており、驚きました。職員さんに、「これは駆逐されるべき外来生物で、刈り取るのはいいのですが、移動させるのはよくないんですよ」といえば、「✕✕さんが、きれいだからと持ってこられたんです」とのことでした。
花だけを見れば、「キバナコスモス」に似てきれいな花で楽しめるのは確かで、過去に繁殖状況の様子はアップしていましたが、今回改めての登場です。
北アメリカ原産の宿根草で、外来種として野外に定着して問題となり、現在は特定外来生物であるため、生きた状態で移動させることは原則禁じられ、栽培も禁止されています。
数日前にも神戸市の広報紙で注意情報が掲載されていましたが、読んでいないのか、現物との認識ができないのか、悪気はない✕✕さんだけに、説明するのも困ったことだと花瓶の花を眺めておりました。
シソ科サルビア属【サルビア・ファリナセア】は〈ブルーサルビア〉とも呼ばれる青い花がきれいな植物で、北アメリカおよび中央アメリカが原産の多年草ですが、寒さに弱いので日本の気候では冬越しはできない1年草扱いです。
サルビアだけで見ると世界中に数百種類という数が存在します。よく見かける赤いものは「スプレンデンス」という品種。ブルーセージもサルビアの仲間ですので品種のひとつと数えられます。
花は開花期間が非常に長く、種類が多いサルビアの中でもひときわその青い色で目を引くのでファンも多い品種だと思います。
花の中には白色のスポットが入り、スポットは花蜜標識として、蝶々や花蜂を引き寄せる働きがあります。そのため、開花期間中は蜜を求めて花の周りを花蜂や蝶々がよく飛び回っていますので、昆虫撮影には楽しみがある花の一種です。
大きな花姿でひときわ目を引きます、ヒガンバナ科ヒッペアストルム属<アマリリス>だけに、植物記の登場も10種類目となっています。
地中に鱗茎を形成する多年草で初夏にユリに似た基本的に六弁の大きい花を2~4個つけます。花の色は白色の「ダズラー」や「スノークイン」・「紫色」の「ロイヤリティー」・薄紅・淡黄など。現在販売されている園芸品種には、「八重咲き」の花も多いようです。また、通常の花は横向きですが、上を向いて咲く受け咲き種、香りのあるものも作られているようです。
赤い花弁に太くて白い筋と細い白い筋が入る品種【ミネルバ】似た雰囲気の花姿ですが、本種の筋は黄色で、品種の同定までには至りませんでした。また、おしべの花粉の色が紫色をしているのも興味深く気になっています。
直径10センチ近くある大きなネギ科 /ネギ属の【ネギボウズ】が一輪挿しに飾られていました。
ネギ類は一定の大きさまで生育した後、一定期間低温にさらされると花芽分化し、その後の高温と長日で花茎の伸長が促され抽苔(トウ立ち)する植物体春化型の植物です。最初は総苞で包まれていますが、破れて一つの花房に約250〜400の花が集まった蕾が外に現れ、これが「ねぎ坊主」と呼ばれれています。
本種は大きさからしておそらく「アリウム」として食用ではなく観賞用に品種改良したもののようです。
「アリウム」には約700種の野生種があり、ニンニクやネギも同じ仲間です。主に、花茎が長い大型種は切り花として、また花茎の短い小型種は花壇用に利用されています。葉のない長い花茎とその頂部に傘形または球状の花序がつく姿はほかの草花にはない面白さがあり、また花もちもよいので、生け花やフラワーアレンジメントに利用され人気があります。色も「紫色」や白色・桃色・黄色のものなどがあるようです。
植物記としてラン科・コチョウラン属の【コチョウラン】は、お祝いなどで何回か登場していますが、花本体のアップはなかったと思います。
【コチョウラン】は、開花時期が温室の場合周年であることから販売用としても多く栽培されており園芸用の鉢植えでは、ひとつの株で何十年と楽しめる多年草として親しまれています。
その生態性から、栽培が難しいとされていますが水やりや肥料があまり必要ない事などからズボラな人や忙しい人にほど綺麗に咲かせるとも言われていますが、突如我が家の玄関の下足箱の上に花の大きさ6センチ程度の中輪の【コチョウラン】の鉢植えが置かれていました。
白色の【コチョウラン】ですので、中心部に桃色が入る「ヴィーナスポット」かなと思ったのですが、胡蝶蘭の原種でもある「アマビリス」のようです。
下向きに花を咲かせますキンポウゲ科クリスマスローズ属【クリスマスローズ】だけに、何気なく見過ごしてしまいそうですが、八重咲きとして「緑色の花(萼片)」がありましたが、見事な白色の花(萼片)の品種を見つけました。
花に見える部分は、植物学上では「花」ではなく(萼片)という部分です。そのため、鑑賞期間が比較的長く楽しめます。ただし、本来の花弁も蜜腺として残り、これが大きく発達したものを選別した品種もあります。
イタリアからドイツを原産地とするヘレボルス・ニゲル(Helleborus niger)という純白の花を咲かせる原種は早咲きで、クリスマスの頃から咲くので、イギリスでは「クリスマスローズ」の名称で親しまれています。
現在、園芸品種の主流となっている原種は、トルコなどの黒海沿岸地域を原産とするヘレボルス・オリエンタリスです。この花はニゲルよりも遅く、3月ごろに咲くので「レンテンローズ」と呼んで「クリスマスローズ」と区別されています。
その一方「クリスマスローズ」の名称が一般の方に親しまれ広まっているので、日本に限っては、ニゲルもオリエンタリスもすべて含めたヘレボルス属全体を「クリスマスローズ」と呼ぶのが習慣化しています。
神戸大学<末次健司教授>や東北大学研究チームがこのほど、国内で2種類しか確認されていない繊細なガラス細工のような花が咲くラン科植物「ネジバナ」の新種を発見しています。研究論文が17日、『ジャーナル・オブ・プラネット・リサーチ』に掲載されています。
国内ではこれまで、九州以北に広く分布して6月以降に咲く「ネジバナ」と、琉球列島に分布して3月ごろ開花する「ナンゴクネジバナ」の2種類が確認されていました。
研究グループは、九州以北の「ネジバナ」に通常より1カ月以上早く開花し、子房や花茎に毛のない個体があることに気付き、形態やDNAを詳しく分析し、新種と特定しています。新種は九州、四国、中部、関東に広く分布しますが、最も多くの個体が見つかった伊豆諸島・八丈島の名を冠し「ハチジョウネジバナ」と命名されました。
「ネジバナ」は花がらせん状にねじれてつくことから名付けられ、万葉集にも『芝付乃 御宇良佐伎奈流 根都古具佐 安比見受安良婆 安礼古非米夜母/芝付(しばつき)の 御宇良崎(みうらさき)なる 根都古(ねつこ)草(ぐさ) 逢ひ見ずあらば 吾(あれ)恋ひめやも』(第14巻3508番歌:作者不詳)と詠まれ、「あなたと逢うことがなかったならば、私はこのように恋に苦しむことはなかっただろうに」の恋の歌です。
この「ねつこぐさ」が、「ネジバナ」と推測されています。ただし、「オキナグサ」という説もあるので、実際のところはわかりません。
アレンジされた花瓶の中に、ナデシコ科ナデシコ属の緑色の「カーネーション」を見つけました。
植物好きとしては、自然界における花色が一番きれいだと思いますが、現代のバイオ技術等では、花色は自由になる時代のようです。数日前には、赤紅色のヒマワリの品種【プラドレッド】の宣伝を新聞広告で見つけましたが、どうなんだろうなぁと写真を眺めておりました。
以前にもインクで着色する虹色(7色)の【レインボーローズ】や「ハボタン」に驚きました。
「カーネーション」といえば、「母の日」の赤色か白色を連想してしまいますが、「カーネーション」に青い色はありませんでしたが、オーストラリアのフロリジーン社がサントリーと共同での遺伝子組換えにより、青いカーネーション【ムーンダスト】を作出した時にも驚きました。この緑色の人気はいかほどでしょうか。
「コウベタヌキノショクダイ」(画像:末次健司教授提供)
27日、神戸大の<末次健司教授>(植物生態学)らのチームは、ガラス細工のような花を咲かせることから「妖精のランプ」とも呼ばれる植物「コウベタヌキノショクダイ」を兵庫県で見つけたと発表しています。
1992年に神戸市の森で1個体が見つかっただけの植物で、2020年には、県のレッドリストで絶滅に分類されていました。
チームによりますと、茎の高さ約1ミリ、花の大きさ約1センチで、光合成をせず地中の菌類から栄養分を吸い上げる植物だそうです。薄暗い森の地面を照らすような幻想的な姿が特徴的です。
チームが植物の生態調査で2021年、兵庫県三田市の森で採集されています。
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