久し振りに、我が部屋の網戸に昆虫が止まりました。
甲虫目(鞘翅目)カブトムシ亜科コメツキムシ科の【アカアシクロコメツキ】で、体長12ミリほどの小さな「コメツキムシ」です。名称通り、黒い体色に赤色の脚が特徴的です。
「コメツキムシ」というのは、コメツキムシ科に属する昆虫の総称で、「コメツキムシ」という名称の種はありません。
「コメツキムシ」は普段、草や低木の上などに生息していますが、網戸まで飛翔してくれました。
天敵に見つかりますと、足をすくめて<偽死行為(死んだふり)>をし、仰向けにすると自ら跳ねて元に戻る能力を有しています。
「コメツキムシ」は、世界中では約1万種、日本では約600種が確認されている大所帯ですが、いまのところ 「フタモンウバタマコメツキ」 ・ 「アカヒゲヒラタコメツキ」 についでやっと3種目です。
昨日紹介した 「チャバネフユエダシャク」 と同様に、チョウ目シャクガ科エダシャク亜科の【チャエダシャク】の幼虫です。
成虫は、茶褐色・灰褐色のまだら模様の翅に、黒褐色の筋が入っています。
シャクガ科の幼虫の「尺取り虫」らしく、ちょうどU字型に体を持ちあげて移動しておりました。
当初は、5本ばかりの白色の筋がありますが、大きくなるにつれて消えてゆき、最後は2本だけが残ります。
幼虫は4~5月頃に見られ、成虫は初冬の11月頃に孵化して落葉樹などの林で見かけることになりますが、樹木の色合いによく似ていますの、見つけるのは大変です。
「チャバネフユエダシャク」は<性的二型>でメスは翅を持ちませんが、この【チャエダシャク】は、オスの触角が櫛状であるのに対して、メスは糸状の違いで見分けられます。
洋服の織柄のようにきれいな模様をしています、【チャバネフユエダシャク】の幼虫です。
チョウ目シャクガ科エダシャク亜科に属する「蛾」ですが、ヤナギ科・ブナ科・マンサク科・バラ科など、食層も40種を超える多食性であるため、北海道から九州・沖縄まで分布しており、山地にも平地にも産する普通種で、俗にいう「尺取り虫」です。
成虫のオスは名称通り茶色の翅を持ちますが、メスは翅がない<性的二型>で、白と黒のまだら模様を持っています。
成虫は、山地では11月頃、平地では12~1月頃の寒い時期に孵化するシャクガ科のため、「フユエダシャク」の名がついています。
多くの昆虫が冬眠などで活動をしていないときに、メスは翅がありませんので樹の上などの高い所に登り、フェロモンを発散してオスを誘き寄せます。寒い時期が、【チャバネフユエダシャク】の恋の季節です。
体長6ミリほどの大きさですが、緑色の葉の上にいますと朝日に当たり、よく目立ちます。
脚の棘状の毛がたくさん生えていますので、見ればすぐに【ササグモ(笹蜘蛛)】だと分かります。
ササグモ科ササグモ属に分類されている「蜘蛛」で、ササグモ科としてはキノボリササグモ属やクロフササグモ属など9属ありますが、日本にはササグモ属しかおりません。
網を張る<造網性>の蜘蛛ではなく、<徘徊性>で敏捷に動いて餌を確保しますので、農業など害虫の天敵として効果が高く、実際に蠅を駆除させた実績があります。
なんとか真正面から写して、 蜘蛛独特の「眼」の配列 (普通は単眼8個)を撮影したいと考えているのですが、近付くと敏感に感じ逃げてしまいますのでなかなかチャンスに恵まれません。
<チョウ目>の「蝶」や「蛾」の幼虫(毛虫・芋虫)は、成長するにつれて体型や体色や模様も変わるのが多く、昆虫学者でも判別するのは難しい世界です。
暖かくなり活発に幼虫が動き出すシーズンですので、今年は幼虫をできるだけ観察してみようかなと計画しています。
写真の幼虫、どちらも背筋に白い筋が入る特徴があり、灰色の体色と腹横に黄色の模様がありますので、すぐに成虫は同定できるだろうと考えていたのですが、分かりませんでした。
どちらも良く似た幼虫(クリックしますと、大きくなります)なのですが、上側の方が、背中に白い斑点模様が顕著に表れており若干下側の幼虫とは模様が違います。
これが成長過程での体表の変化なのか、個体差なのか、オスとメスの違いなのか、近似の種別の違いなのか、眺めていても素人では結論が出ない悩ましい世界です。
ナニワイバラの花に、頭を突っ込むように雄しべの花粉を食事中の<ハナバチ>を見つけました。
ハチ目(膜翅目)ミツバチ上科の「蜂」で、体長5~15ミリ程度の大きさですが、写真の「蜂」は体長10ミリほどですが、だいたい10ミリ以下の小型種が多く見られます。
体は黒色が一般的で、時に黄色や赤色の斑紋を有しています。
全体に短毛があり、特に腹部各節の白帯模様は顕著な特徴です。
残念ながら代表的な<ハナバチ>の種類は多く、これだという同定ができませんでしたが、後日のために記録として残しておきます。
普段良く見かける【ナナホシテントウ】は、体長が6ミリ程度ですが、今回は9ミリ程度と立派な大きさでした。
好物のアブラムシを食べているときは、 上から観察しましても触角 ぐらいしか見えませんが、珍しくお顔全体が撮影できました。
頭部は表面に点刻があり、複眼の近くに極淡黄色の斑紋があります。
前胸の前端はえぐりこまれたような形状で、その内側は端直になっています。
左右の前に極淡黄色の大きな斑紋がり、これが見た目にはまるで眼のように見えています。
写真を撮り終るのを待ち構えてくれていたのか、このあとはせわしく動き回り、葉の裏側に隠れてしまいました。
体長2.5ミリほどの昆虫が、左手に止まりました。
甲虫目カツオブシムシ科マダラカツオブシムシ属に分類されている、【マダラカツオブシムシ】です。
カツオブシムシ科の幼虫は、たくさんの細毛に覆われて、絹や毛織物などの繊維を餌としている害虫です。成虫はキク科などの花の蜜を、餌としています。
多くの昆虫は、成虫後餌を十分に摂取してから交尾を行いますが、このカツオブシムシ科の昆虫は、成虫になるとすぐに交尾を行い産卵するという行動をとります。
名前通りカツオムシなどが好物のようですが、干からびた動物のタンパクだけを食べ骨は食べないという食性を生かして、脊椎動物の骨格標本作りに利用されています。
カツオブシムシ科としては、日本では約20種ほどが分布しており、 「ヒメマルカツオブシムシ」 以来2種目なりました。
< クリックしますと、大きくなります >
空き地のヨモギも、この時期グングンと大きく成長しています。密集しているヨモギの葉の上に、仲良く日向ぼっこをしている二匹の【ヤブキリ(藪螽斯)】の幼虫を見つけました。
【ヤブキリ】は、バッタ目キリギリス科キリギリス亜科に分類されていますが、「藪に棲むキリギリス」の意味の名がついています。
夜間の行動が主ですので、バッタと違い長い触角が特徴的です。
お互いに触角の触れ合わない距離を、仲良く保っているのには、感心してしまいます。
成虫の 【ヤブキリ】 は、体長45~55ミリで、頭頂から翅の先まで背面を貫くように褐色の筋が入ります。
幼虫たちはまだ12~3ミリ程度の体長ですが、背中に褐色の筋が一本あるのが分かると思いますが、「キリギリス」の幼虫には筋が二本入ります。
4月頃に(一部は二度越冬して)孵化、2ヶ月ほどで成虫になり、秋口には次世代に引き継ぎです。
「芋虫」・「毛虫」は、チョウ目(鱗翅目)の幼虫で、「蝶」と「蛾」を含みます。
日本国内には、「蝶」として約260種、「蛾」としては約5000種が分類されており、特徴ある姿の「幼虫」ですが、5260分の一を探すのは無理でした
撮影する機会が少ない「脚」が写っていますので、これについてコメントしたいとおもいます。
写真左側が頭部側です。
<胸脚(黒い脚)>が3対6本あり、これが成虫にある本来の脚の部分に当たります。
第3~6腹節にあるのが、<中央部第1~4腹脚>で、「蝶」・「蛾」の幼虫の基本です。
最後に<尾脚>があり、これらが基本的な幼虫の脚の構成です。
第1~3腹脚が退化して、第4腹脚だけなのが、<シャクガ科>の幼虫で、通常 「尺取り虫」 と呼ばれています。
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