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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(87)『図書館革命』有川浩(角川文庫)

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今年の読書(87)『図書館革命...
<図書館戦争シリーズ>も(4/4巻目)として、いよいよ最終巻です。

敦賀原子力発電所が、テロ集団の襲撃に遭うところから物語は始まります。
このテロ行為自体が、作家<当麻蔵人>の書いた小説の筋書きだということで、メディア良化委員会が<当麻>の身柄確保に乗り出しますが、図書特殊部隊が匿い、世間に対して検閲行為の不適切さを訴え続けます。

この事件を通して、メディア良化委員会や図書特殊部隊に配備されていた重火器類の使用は禁止され、少しはおだやかな社会になりつつあることを読者に想像させながら、この物語は終わります。
熱血感あふれる女性隊員の<笠原郁>と、あこがれの王子様こと上司の教官<堂上篤>は、ハッピーエンドの結末を迎え、読者として肩の荷が下りました。

物語はまだ『別冊 図書館戦争Ⅰ・Ⅱ』として2巻の続きがあるようですが、一応今回はこの最終巻で中締めです。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(86)『図書館危機』有川浩(角川文庫)

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今年の読書(86)『図書館危機...
<図書館戦争シリーズ>も、(3/4巻目)になりました。

今回も、バラエティーな話題がたくさんつまった一冊でした。
2巻目の 『図書館内乱』 では、主人公の<笠原郁>は、なんとか図書特殊部隊に所属していることを両親に隠し通せましたが、今回は実家のある茨城県への図書館警備の任務があり、母親にばれてしまう事件が起こります。

また、有名人気タレントが自叙伝を出す企画が持ち上がりますが、メディア良化委員会の検閲を避けるために、差別用語として「床屋」ということばが使われず、「理髪店」や「理容師」などの言葉で置き換えなければ発行が難しく、タレントとひと悶着するお話もありました。
(現実に「床屋」というのは、自主規制用語でそうです)

実際著者自らが自主規制させられた体験があり、その時の疑問なりが生かされた内容で、なにをもって差別用語とするのかの問題定義も共感できます。

この<図書館戦争シリーズ>も残り一冊、最後はどのような結末でこの物語が終わるのか、期待が持てる娯楽小説です。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(85)『図書館内乱』有川浩(角川文庫)

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今年の読書(85)『図書館内乱...
<図書館戦争シリーズ>の(2/4巻目)として、 『図書館戦争』 に続く物語です。
今回は、図書館を守る図書特殊部隊員それぞれの、個人的なトラブルが中心になっています。

初の女性隊員である<笠原郁>は、両親には単なる図書館員だということにして、図書を守る戦闘隊員の身分を隠していますが、その両親が上京してきて慌てふためく状況がコミカルに描かれています。

上官の<小牧幹久>は、聴覚障害を持つ<中澤毬江>という、10歳年下の幼馴染がいますが、『レインツリーの国』という本を貸すことで、「メディア良化委員会」の査問にあうトラブルに巻き込まれます。

<笠原郁>と同期の<手塚光>は、5歳年上の兄<手塚慧>がいますが、図書館の運営方針の考え方が違い、そのために<笠原郁>がよからぬ嫌疑をかけられてしまいます。

<笠原郁>と寮の同室の<柴崎麻子>も、<手塚慧>の陰謀で、送り込まれた<朝比奈>の正体を知り、<手塚光>により助けられますが、図書館の事務員という身分ではなく「情報部候補生」という隠れた肩書が露見してしまいます。

今回も個性豊かな隊員たちのドタバタ劇、十分に楽しめました。
あとがきで、「プロットを立てずにぶっつけ本番で小説を書くタイプだ」と自己分析されていますが、登場人物のキャラクター設定がしっかりしていますので、自然と筆が進んでゆくんだと思います。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(84)『図書館戦争』有川浩(角川文庫)

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今年の読書(84)『図書館戦争...
<図書館戦争シリーズ>の(1/4巻目)として、『図書館戦争』です。

2019年(正化31年)を舞台として、公序良俗を乱す表現を取り締まる「メディア良化法」が成立して30年が経ち、対抗するメディア良化委員会と言論と読書の自由を確保を守る図書館の戦いが続いています。
あらゆる弾圧から図書館を守り抜くために構成された図書特殊部隊が、繰り広げるドタバタ喜劇です。

高校時代に書店で本を購入しようとした時に、検閲機関に読みたい本を没収されそうになったところを、図書隊員を名乗る男性に助けられた<笠原郁>は、この経験をもとに図書隊に志願、エリートの図書特殊部隊員に初の女性隊員として採用されます。
あこがれの図書隊員を探し求めながら繰り広げられる<笠原郁>の行動を中心に、エンタティナメントが繰り広げられます。

図書の検閲という、あくまでも空想の世界が舞台ですが、本好きとしては笑えない内容を含んでおり、図書館の存在意義を改めて考えさせられました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(83)『水底の森 (上・下)』柴田よしき(文春文庫)

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今年の読書(83)『水底の森 ...
文庫本にして、(上・下)2冊で900ページを超す長編ですが、読み終わってほっとするよりも、もっと続けて読みたいと感じる内容で、今年も半年が過ぎましたが、前半制覇した本として、一、二位の評価を与えられる力作でした。

東京のとある下町で、顔のつぶされた男の死体が発見され、続けて謎の連続殺人が起こります。
顔のつぶされた死体が発見された家の主婦<高見(松任)風子>の行方が分からず、警察は殺人犯として手配します。

所轄の刑事、<遠野要>が<高見風子>を追い求めますが、捜査に並行して<遠野>の家庭問題や不倫問題の描写が続き、殺人事件との兼ね合いが分からないままに読み進めましたが、これが思わぬ伏線として物語の後半に生かされてゆきます。

不幸な生い立ちを背負った<高見風子>を中心として、幼少から現在に至るまでの複雑な人間関係が絡み合い、一気に最後まで読ませる文章力に圧倒されました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(82)『カップヌードルをぶっつぶせ!』安藤宏基(中公文庫)

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今年の読書(82)『カップヌー...
シリーズとして食べてきています<インスタント麺>も、昨日の 「日清のごんぶと 天ぷらうどん」 で92種類目になりました。

今回は、お世話になっています「インスタント麺」業界のトップブランド<日清>の二代目(正確には三代目)社長安藤宏基の奮戦記です。

<インスタント麺>関連の記述もありますが、主軸は「二代目としてのマーケティング戦略」の実践経営哲学が詰まっていました。

先代の開発した「チキンラーメン」と「カップヌードル」という大御所が存在する中で、二代目としてどう対処してきたのかの過程がよく理解できました。

年間約600個の新製品が出てくる業界で、店舗の棚に生き残る<インスタント麺>は、ごくわずかです。
目につかなく消えてゆく<インスタント麺>の多さに驚きながら、まだまだこのシリーズは続けられそうだと、ひと安心です。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(81)『暗渠の宿』西村賢太(新潮文庫)

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文庫本のタイトル『暗渠の宿』は、2007年第29回野間文芸新人賞を受賞した作品で、『けがれなき酒のへど』と2編が収められています。

第144回芥川龍之介賞を受賞した『苦役列車』を原作とした映画が、7月14日(土)に封切られるのを機に読んでみました。
山下敦弘監督で、元AKBの前田敦子が、ヒロイン役で出演しています。

昨年の芥川龍之介賞を 『共喰い』 で受賞した田中慎弥も、受賞後のスピーチで数々の問題発言をしておりましたが、この西村賢太も受賞後、「風俗店へいきたい」と喋っていたのを、『けがれなき酒のへど』を読みながら思い出してしまいました。
この作品、単純にいえば持てない男が夢のある恋愛感情を持ちながら、デリエルの女性には嫌悪感を持ちながら、ソープランドの女の子に入れ上げ、100万円ほどのお金を騙されて取られるお話です。

『暗渠の宿』は、ようやく女と結婚生活を始めるものの、自分大事主義が前面に出る男の破滅的な生活が描かれています。

学歴は公立中学校卒業の著者の、屈辱にまみれた小心者の心の動きが、これでもかと自虐的に描かれています。

「私小説」という冠が付けられていますが、ここまであからさまに自分自身の醜さを描き切られると、拍手を送りたくなる一冊です。
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今年の読書(80)『失われた夜の夜』ジャン=クロード・イゾ(創元推理文庫)

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今年の読書(80)『失われた夜...
万引きや強盗など、子供のころからつるんでいた幼馴染と、20数年前にたもとを分かち、刑事の道に進んだ<ファビオ>です。
刑事と犯罪者、お互いに違う人生を歩んできていましたが、突然その二人が、次々に殺されてしまいます。生きる道は違えども、友情が消えたわけではありません。

個人的な感情を内に秘めながら捜査を進めてゆく過程で、<レイラ>という心許した若い彼女が強姦され、射殺死体で発見されます。
愛する女性を亡くした傷を抱え、幼馴染の捜査を進めてゆく上で、二つの事件が絡み合ってきます。

「マルセイユ」という、他民族がひしめき合い、人種差別の激しい街を舞台に、裏世界のギャングが絡み、主人公のはみだし刑事<ファビオ>の地道な捜査が続いてゆきます。

女が好きで、音楽が好きで、釣りと辛口の酒が好きで、旨い料理には目がない主人公、どんなに絶望していても、この偽善に満ちた世界を愛しています。

著者は、2000年に54歳で他界していますが、この「マルセイユ」を舞台に三部作があり、今後続けて読みたい<ロマン・ノワール=ハードボイルド>作品の一冊目です。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(79)『千姫 おんなの城』植松三十里(PHP文芸文庫)

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今年の読書(79)『千姫 おん...
徳川家康を祖父に、その嫡子の秀忠を父に、豊臣秀吉とお市の娘としてお茶々を姉に持つお市を母として、生まれたのが千姫です。

7歳で豊臣秀頼に嫁ぎ、大阪冬の陣を乗り越え、大阪夏の陣にて夫秀頼は自害、再び江戸の徳川方に生き延び、70歳で「天樹院」として亡くなるまでの物語が、描かれています。

歴史小説にありがちな、年代等の書き込みは少なく、また書かれていなくても、歴史的事実の年代が影響する内容ではありません。

武士同志の争い事が続く社会において、女・子供が人質替わりにされ、戦略結婚がまかり通る時代において、一人の「おんな」の生き方としての目線で千姫を浮き彫りにしています。

「負けて死んだ者は、勝った者によって汚名を着せられる。愚かな主人だったとか、血もない男だったとか。だから女は生き残れるものなら、生き残って、正しいことを伝えよ」
お市の遺言の言葉が、戦国時代に生きた波乱万丈の「おんな」の言葉として、心に残る一冊でした。
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今年の読書(78)『どこから行っても遠い町』川上弘美(新潮文庫)

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今年の読書(78)『どこから行...
この小説の舞台となるのは、「都心から私鉄でも地下鉄からも20分」という距離にある、どこにでもあるような商店街が舞台です。
主な舞台となるのは、平蔵さんと源二さんが営んでいる魚屋「魚春」と、67歳の高野あけみが雇われている「ロマン」というお店です。

11篇の短篇が、この商店街の人間関係を中心として話しが進みますが、すべてどこかで登場人物が関連してゆき、人生の綾を感じさせながら、「なるほど」という最終章に引きこまれました。

どんでん返しや、大きな山場があるわけでもありません。市井のなにげない家庭や男と女の機微が、たんたんと描かれてゆく文章に吸いこまれ、まさに川上ワールドの虜になること間違いなしの一冊だと思います。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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