10日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反落し、前日比30銭の円安・ドル高の「1ドル=144円85〜95銭」で取引を終えています。円の安値は「1ドル=145円03銭、高値は「1ドル=144円44銭」でした。
米中の貿易協議が進展し、世界経済の減速懸念が和らぐとの見方から低リスク通貨とされる円に売りが出ています。日銀の早期利上げ観測が後退したのも円の重荷でした。
10日、日銀の<植田和男総裁>は参院財政金融委員会に出席し、足元の物価上昇率について「総合的に見て基調的物価上昇率はまだ2%に少し距離がある」との認識を示しました。日銀が金融引き締めに慎重になっているとの受け止めがあり、円売りを促しています。
もっとも、円は下値は堅く、11日には5月の米消費者物価指数(CPI)が発表されます。<トランプ米政権>による関税引き上げの影響を見極めようと様子見の市場関係者が多く、一方的な円売り・ドル買いは手控えられています。