米カンザスシティー連邦準備銀行が主催する毎年恒例の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が22~24日、西部ワイオミング州で開催されます。
注目は<パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長>が行う23日の講演です。インフレだけでなく雇用悪化リスクにも目配りする必要性を強調し、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ決定に向け、地ならしを進めるかが焦点になります。
社会問題化した米国のインフレ率はピークから大きく低下しています。(FRB)が重視する物価統計である個人消費支出(PCE)物価指数は、6月に前年同月比(2.5%上昇)と、目標の(2%)達成が視野に入ります。一方、好調でした雇用の勢いには陰りが見え、7月の失業率は(4.3%)と、2021年以来の高水準に達しています。
<パウエル(FRB)議長>は7月の(FOMC)後の記者会見で「9月会合で利下げが議論される可能性がある」と明言。21日公表されました(FOMC)議事要旨では、大多数の会合参加者が「(9月会合で)金融緩和が適切になり得る」との見解だったことが明らかになっています。
市場では、(FRB)が9月会合で利下げ開始を決めることが確実視されており、(0.5%)の大幅引き下げも一部で取り沙汰されています。<パウエル(FRB)議長>が講演で示す景気や労働市場、物価に関する認識が、9月以降の利下げペースを見定める上で注視されそうです。