ブログスレッド
- 今年の読書(46)『金春屋ゴメス』西條奈加(新潮文庫)
<西條奈加>の『金春屋ゴメス』は、2005年11月に単行本が刊行、2008年(平成20年)10月に新潮文庫に収録され、2022年7月1日(ということで「しおり紐(スピン」)はありません)に文庫本として発売されています。
なんとも奇想天外な構想の物語でしたが、エンターティナメントとしては面白く楽しめ「第17回日本ファンタジーノベル大賞受賞」というのも納得できる内容でした。
近未来の「日本」に江戸時代そのものの環境の鎖国状態の「江戸国」を舞台としています。「江戸国」に入国するためには競争率三百倍の難関を潜り抜け入国を許可されなければいけません。大学二年生の「辰次郎」は、5歳の時に父「辰衛」と共に「江戸国」から「日本」に「辰次郎」の流行病を治すために来ました。
「辰次郎」は、父がなぜ「日本」出国してきたのかを知りたくて「江戸国」へ出向きますが、その請け人は身の丈六尺六寸、目方四十六貫、極悪非道で鳴らし大盗賊も思わずビビる「金春屋ゴメス」こと長崎奉行馬込播磨守でした。「江戸国」では15年前と同じ流行病の「鬼赤痢」が突如として出現しており、病気が治った「辰次郎」の経歴に目を付けた「ゴメス」が手を回し難関の「江戸国」入国させ、致死率百パーセントのの正体を突き止めるよう「辰次郎」は命じられます。
なんとも不思議な感覚で「江戸国」の浮世事情を感じながら違和感なく、ミステリーの要素も含めた展開で楽しめた著者の〈デビュー作品〉でした。
- ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
ログイン
- まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
新規ユーザー登録へ