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今年の読書(22)『嘘 Love Lies』村山由佳(新潮文庫)

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今年の読書(22)『嘘 Lov...
『花酔い』以来久しぶりになる<村山由佳>の『嘘 Love Lies』です。2017年12月に新潮社より単行本が刊行され、2021年2月1日に文庫本が発行されています。

幼い頃に養父を亡くし、母「江梨子」の愛人「南条」から日常的に暴力を受けていた「刀根秀俊」に、中学二年のクラス替えの班分けで初めて気の置けない仲間ができます。近くの席になった「桐原美月」、「中村陽菜乃」、「正木亮介」です。

4人で過ごす時間は、「秀俊」にとってかけがえのないものでした。しかしその年の夏休み、「陽菜乃」に強姦事件が起こります。ヤクザの親分「九十九」に子供のころから〈ヒデ〉と呼ばれていた「秀俊」は、強姦魔を見つけることを「九十九」に依頼、ある日復讐を決意した仲間3人は、犯人と対峙、「亮介」は手違いで犯人の男を殺害してしまいます。「陽菜乃」に事実を隠し、想像を絶するような悲劇に4人の人生は一変してしまいます。

それから二十年。大人になった「秀俊」は、「九十九」の依頼を断れることができず暴力の連鎖から抜け出せないままヤクザ組織の手下となり、彼を思う「美月」とその娘「真帆」、そして「陽菜乃」と「亮介」もまた、いまだ秘密と後悔にもがき続けていました。絶望の果てに辿り着く、20年行方不明の母「江梨子」に関係する人間関係が最後に待ち受けている究極の愛の物語でした。
#ブログ #文庫本 #読書

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