『金の糸』@<ラナ・ゴゴベリーゼ>監督
11月
30日
ジョージアとフランスの合作『金の糸』の主人公は、ジョージアの首都トリビシの旧市街で娘夫婦と暮らす作家「エレネ」です。家族は「エレネ」の誕生日さえ忘れており、娘はアルツハイマーの症状が出始めた姑の「ミランダ」を家に迎え入れようとしていました。そんなとき、「エレネ」のかつての恋人である「アルチル」から数十年ぶりに電話が掛かってきます。
日本の伝統技術であり、器の欠けや割れを漆と金粉を使って修復する〈金継ぎ〉に着想を得た本作。タイトルには「未来を見るために過去を金で修復する」という意味が込められています。<ラナ・ゴゴベリーゼ>は「日本人が数世紀も前に壊れた器を継ぎ合わせる金継ぎの技のように、金の糸で過去を継ぎ合わせるならば、過去は、そのもっとも痛ましいものでさえ、重荷になるだけでなく、財産にもなることでしょう」と述べています。
映画監督である<ナナ・ジョルジャゼ>が「エレネ」役で出演しています。2019年10月に84歳で死去したジョージアの作曲家<ギヤ・カンチェリ>が音楽を担当しました。