<ポスター>(72)『女たち』@<内田伸輝>監督
10月
19日
本作『女たち』は、バブル崩壊後の就職氷河期に直面した女性が、亡くなった親友の遺した養蜂園を継ぎ、自立していくまでを描くヒューマンドラマです。
<篠原ゆき子>が主人公の「美咲」、<倉科カナ>は「美咲」の親友「香織」、半身不随の「美咲」の母「美津子」を<高畑淳子>(66)が演じています。監督は、映画 『ふゆの獣』 (2010年)の<内田伸輝>が務め、 『エリカ38』 (2019年・監督:日比遊一 ) ・ 『海辺の映画館ーキネマの玉手箱』 (2019年・監督: 大林宣彦)の<奥山和由>が製作を手掛けました。
とある山あいの小さな町。人生につまずき故郷にUターンした「美咲」は、半身不随の母「美津子」の介護をしながら地域の学童保育所で働いています。「美津子」は夫の自死を受け入れられず、自身が半身不随になったこともすべて「うまくいかない娘」が招いた不幸だと「美咲」をなじり、罵詈雑言を浴びせ続けています。そんな生活を送る「美咲」が唯一心のよりどころとしているのが、養蜂家の親友「香織」でした。マイペースに充実した人生を送っているように見える「香織」ですが、実は彼女も人知れず心に深い闇を抱え、精神を患っていたのです。
予告編では、親友の「香織」から夢や希望を聞かれた「美咲」が「とっくに捨てたかも」と苦笑しながら答える場面からスタート。 続いて、「美咲」が母の「美津子」を介護する場面や、養蜂家として自立し憧れの存在だった「香織」が突然亡くなり、悲しみにくれる「美咲」の姿が映し出されています。八方塞がりとなり、家にときどきやってくるホームヘルパーの男にすがろうとしたり、心ない言葉を浴びせてくる「美津子」に感情を爆発させる「美咲」。しかし映像の後半では、「香織」が遺した養蜂園を継ぎ笑顔で働く「美咲」の姿や、「美咲」と「香織」が穏やかな表情で並ぶ姿などが映し出され、希望を感じさせるラストで締めくくられています。