『ミセス・ノイズィ』@<天野千尋>監督
5月
6日
小説家であり、母親でもある主人公「吉岡真紀」。スランプ中の彼女の前に、ある日突如立ちはだかったのは、隣の住人「若田美和子」による、けたたましい騒音、そして嫌がらせの数々でした。それは日に日に激しくなり、「真紀」のストレスは溜まる一方。執筆は一向に進まず、おかげで家族ともギクシャクし、心の平穏を奪われていきます。
そんな日々が続く中、「真紀」は、「美和子」を小説のネタに書くことで反撃に出ます。だがそれが予想外の事態を巻き起こしてしまいます。2人のケンカは日増しに激しくなり、家族や世間を巻き込んでいき、やがてマスコミを騒がす大騒動へと発展してしまいます。果たして、この不条理なバトルに決着はつくのでしょうか。
ささいなすれ違いから生まれた隣人同士の対立が、マスコミやネット社会を巻き込んで、やがて2つの家族の運命を狂わせてしまう。まさに今、誰の身にも起こり得る 「SNS炎上」や「メディアリンチ」など、社会事情も絡みつつ、後半思わぬ方向に事態が進んでいくサスぺンスフルな展開は、最後まで目が離せません。
主人公の小説家「真紀」を演じるのは 『共喰い』(2013年・監督: 青山 真治)・ 『楽園 』 (2019年・監督: 瀬々敬久)などの<篠原ゆき子>(39)です。本作の好演で第59回アジア太平洋映画祭主演女優賞を受賞。謎の隣人夫婦役を<大高洋子>と<宮崎太一>、ほか<長尾卓磨>、<米本来輝>、<和田雅成>そして、<田中要次>、<洞口依子>、<風祭ゆき>、ら名優が脇を固めています。また、「真紀」の娘は人気ユニット 「Foorin」 のメンバー<ちせ>こと、<新津ちせ>(9)が演じているのも話題になりました。