中国映画市場状況@『八佰(原題)』・他
8月
18日
大手映画会社「Huayi Brothers」による『八佰(原題)』は、製作費8000万ドルが投じられた戦争映画です。ストーリーの基になったのは、第二次上海事変で起こった実話。第二次上海事変における最後の戦闘「四行倉庫の戦い」において、中国国民党の守備隊・八百壮士が繰り広げた激戦を描いています。当時の戦場を再現するべく、20万平米のオープンセットを建設。リアリティを追求し、200メートルの川も作り上げたとか。
2019年は、中華人民共和国誕生70周年のアニバーサリーイヤー。そのため、作品への検閲は一層厳しくなっていたようです。『八佰(原題)』は、本来、同年6月に行われた第22回上海国際映画祭のオープニングを飾り、7月5日から中国本土での公開を迎える予定でした。しかし、映画祭の直前《技術的問題》という不可解な事態に見舞われ、上映が中止に。劇場公開も白紙となっていました。1年越しとなる公開決定の吉報に、中国の映画ファンは大きな盛り上がりを見せているようです。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、1月23日から営業を停止し続けていた中国の映画館。7月20日からは、条件付きの営業が可能となりましたが、新作や話題作がないため、1日の興行収入は前年同時期の1割程度に。この危機的状況を脱するべく、『八佰(原題)』以外にも、集客を見込めそうな作品の上映が次々と決まっているようです。
8月14日からは、<ウィル・スミス>&<マーティン・ローレンス>主演によるアクション映画第3弾 『バッドボーイズ フォー・ライフ』、世界的大ヒットを記録したファンタジーシリーズ第1作『ハリー・ポッターと賢者の石』の4Kデジタルリマスター版の上映がスタート。9月4日からは 『TENET テネット』 も公開され、また、アメリカでは「Disney+」での有料配信を行う 『ムーラン』 は、時期は未定ですが、劇場公開へ。日本映画からは、<中野量太>監督作 『長いお別れ』 が8月28日、<木村拓哉>が初の刑事役に挑んだ 『マスカレード・ホテル』 が、9月4日から公開されることになっています。