<グーグルロゴ>(154)プラド美術館200周年
11月
19日
18世紀後半、<カルロス3世>が国王の時代に国務長官だった<ホセ・モニーノ>が美術館の構想を発案、<カルロス3世>は、建築家<フアン・デ・ビジャヌエバ>に設計を命じ、19世紀初頭、<カルロス4世>の時代に、建物が完成しました。
建物ができたのは良かったのですが、19世紀初頭のヨーロッパは「ナポレオン」による混乱期にありました。そのため、作られた建物は、当初の目的であった美術館ではなく、軍事施設として使用されました。ヨーロッパの混乱が収束した1818年、<カルロス4世>の子で国王となっていた<フェルナンド7世>の妻である<マリア・イサベル・デ・ブラガンサ>が、この建物に注目、彼女は建物の修復と、当初の使用目的であった「美術館」としての活用を国王に進言、国王は進言を受け<フアン・デ・ビジャヌエバ>の弟子だった<アントニオ・ロペス・アグアド>に戦争で破損した建物の修復を命じます。
そして、「1819年11月19日」に「Museo Real de Pinturas:王立絵画博物館」として運用が開始され、パリの「ルーヴル美術館」を倣い、歴代のスペイン王室が収集した<エル・グレコ>、<フランシスコ・デ・ゴヤ>、<ディエゴ・ベラスケス>、<ピーテル・パウル・ルーベンス>等、名だたる芸術家の作品が収蔵されました。<イザベル2世>の治世の1868年の「9月革命」後に、美術館は国有化されています。
それから、時代を経ると共に、新たな作品の収集、建物の増築などが行われ、現在では世界有数の美術館のひとつとなり、約7,600枚の油彩画、約1,000の彫刻、約4,800枚の版画、約8,200枚の素描、多くの美術史に関する書類が収められています。今年(2019年)は「200周年」の記念の年でもあり、記念コインの発行や、特別展示会等の様々なイベントが開催されています。