『ハートブレイク・レストラン』松尾由美(光文社文庫)
7月
20日
そのお店には、20年前に80歳で亡くなった元地主のお婆ちゃんこと<幸田ハル>の幽霊が出没するのでした。
和服を上品に着こなした小柄な<ハル>さんは、客たちに起こる不思議な話を、驚くほどの明晰さでもって見事に解決する話が6短篇納められており、連作で楽しませてくれます。
心優しいお婆ちゃん探偵が活躍するほのぼのとした話で、レストランの<山田>店長や、なんとなく<寺坂>が憧れる刑事の<南野>の脇役たちもいい味を出している一冊でした。