『玻璃の天』北村薫(文春文庫)
9月
10日
お抱え運転手が運転するフォォードで女学校に通い、皇族家族の「お姫(ひい)様」と付き合い、ひとりでは街へ出ることもありません。
そんな<わたし」にたいして運転手兼お目付け役が<別宮(べっく)みつ子>で、「わたし」は<ベッキー>と呼んでいます。
昭和8年の帝都を舞台に「わたし」の周りに起こる奇怪な事件に、<ベッキー>は並外れた博識と頭脳で「わたし」の推理を導いて、事件の真相に迫ります。
「浮世絵」、「和歌の暗号」、「建築」と違う世界のキーワードを中心に、当時の世相を反映しながら3篇が納められていますが、面白く読み終えれました。