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- 今年の読書(74)『静子の日常』井上荒野(中公文庫)
以前に読んだ<吉永南央>の著作に 『萩を揺らす雨』 というのがあり、主人公は76歳になる<杉浦草(そう)>でした。
山里の簡素な町で喫茶店を開きながら、身の周りに起こる日常的な出来事を、持ち前の好奇心で解決してゆく元気な女性です。
本書の主人公<宇陀川静子>は75歳、夫<十三>を亡くしてから息子<愛一郎>一家と同居することになり、嫁の<薫子>、孫の高校一年生<るか>との生活の中で、どこの家族でもありそうな日常的な物語が綴られています。
<静子>さんは、「自分で決めたことは絶対に守る」 ・ 「後悔はしない」 という信条を持ち、何事にも前向きに生きてゆく姿に感動を覚えてしまいます。
50年間連れ添った浮気性の<十三>との想い出を絡ませながら、同居家族やスイミングスクールの仲間たちとの心温まるほのぼのとした日常生活が、生き生きと描かれている一冊です。
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