今年の読書(19・20)『沢村忠に真空を飛ばせた男』細田 昌志(講談社文庫)
4月
2日
本書は、昭和世代には懐かしい「キックボクシング」を命名・創設し、<沢村忠>というスーパースターに加え、歌手の<五木ひろし>を世に送り出した伝説のプロモーター<野口修>の生涯を、<細田 昌志>が描き、第43回「講談社 本田靖春ノンフィクション賞」を受賞している作品です。
2020年10月29日に刊行されていますが、2026年1月15日に文庫本として発売されています。
日本一の「拳闘士」にして「国士」でもあった父を持ち、戦前から続く政財界や裏社会の多様な人脈を生かしながら、様々な興行を仕掛ける<野口修>でした。特に、タイ式ボクシングと大山道場(後の極真会館)との他流試合の実現と「キックボクシング」の創設は、日本の格闘技史で特筆されるべきエポックメイキングとなります。
さらに、当時は別名<三谷謙>で活動していた<五木ひろし>をヒット歌手に育て、日本レコード大賞を受賞させ、芸能界も制するなど、数々の偉業を成し遂げる一方で、世界タイトルマッチ興行を巡る水面下の駆け引きや晩年など、<エルビス・プレスリー>が日本に来ていたかもしれないなど<野口修>のドラマチックな人生と共に刻まれた、壮大な昭和裏面史を余すところなく描いています。










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