某駐車場の端に、草丈2メートル近い【フェンネル】を見つけました。
枝の先に花を咲かせますので、カメラを持ち上げての撮影で焦点も確かめることができず、何とかそれらしい一枚です。
セリ科ウイキョウ属の多年草で、原産地は地中海沿岸、和名では「ウイキョウ(茴香)」と呼び、日本には平安時代(794年~1185年)に中国経由で渡来しています。
葉は糸状で全葉が鮮やかな黄緑色をしており、夏期は6月~8月、秋には7ミリ程度の長楕円形の茶褐色に実を熟し、「フェンネル・シード」と呼ばれる香辛料になり、インドのカレー料理や中国の「五香粉」の原料として使われています。
糸状の葉はハーブとして、また鱗茎はイタリアでは「フィノッキオ」と呼ばれ、「セロリ」の根元のような食感と独特の味が好まれていますが、日本の食卓にはあまり登場しない野菜で、どうしてこんな場所に咲いているのかなと、不思議な気持ちで眺めていました。
観賞用として明治時代に北アメリカから導入された【ハルシャギク(波斯菊)】が、空き地できれいに群生していました。
いまでは河川敷や路傍など、観賞用が逸出し帰化植物として繁殖しています。
キク科ハルシャギク属の一年草、6月頃から花径4~5センチの花を咲かせます。
中心部が濃紅色、周辺は黄色の蛇の目模様にあなることから別名「ジャノメソウ(蛇の目草)」です。
開いたばかりの花は<舌状花>が平開していますが、次第に下向きに垂れ下がっていきます。
街でよく見かける【デュランタ】は青紫色の花色で花弁い白い縁が入る、「タカラヅカ(宝塚)」 と言う園芸品種が多いようですが、白色の花弁の品種「アルバ」を見つけました。
クマツヅラ科デュランタ属で、原産地は北アメリカ南東・ブラジル・西インド諸島等で、約30種ほどが分布、和名では「ハリマツリ」や「タイワンレンギョ」と呼ばれています。
分類上は常緑樹ですが、日本では秋から冬にかけての低温期に落葉してしまいます。
花径は1センチ程度と小さいのですが、垂れ下がる枝に房状に咲かせますので見ごたえがあり、花後には 黄橙色の実 をたくさん実らせます。
<生け花>の素材として使用されている 【リアトリス】 は、何回か取り上げてきていますが、鉢植えで栽培されているのを見つけました。
キク科ユリアザミ属の多年草、北アメリカ原産で草原や森林に自生しています。
日本には大正時代に導入され、「ユリアザミ(百合薊)」や「キリンギク(麒麟菊)」と呼ばれています。
茎は肥大した扁平な形で、成長しますと高さ150センチを超えます。
葉は線形、もしくは卵状の披針形をしており、花は花序の頭部から下に向かって開花、花の咲き方は写真のような「槍咲き型」と呼ばれる<スピカータ系>と、「玉咲き型」と呼ばれる<クグリスティス系>のふたつに大きく分かれます。
白色の花弁に中心部が赤色の一重咲きの<ムクゲ(木槿)>をよく見かけますが、八重咲きの<ムクゲ>では、多彩な色合いの園芸品種が多いようです。
アオイ科フヨウ属の落葉低木で、原産地はインド・中国です。
庭木としても人気があり、剪定されていますと3~4メートルほどの高さですが、放置していますと10メートルにも達します。
和名は中国名の「木槿」を音読みして「もくきん」が変化して「ムクゲ」とも、韓国語の「ムグンファ」が変化したとも言われています。
植え込みで見つけた<ムクゲ>の花弁は薄青紫色で、【ブルーバード】という品種で、花径10センチほどでした。
オーストラリアのクイーンズランド州の亜熱帯に自生、原地では成長しますと樹高10~20メートルほどに達する【レモンマートル】です。
オーストラリアの先住民「アボリジニ」は、この【レモンマートル】を長きにわたり、料理や薬草として利用してきました。
フトモモ科バクホウシア属の常緑樹で、光沢のある緑色の葉をこすりますとレモンの香りが漂います。
花は乳白色の5弁花、花径5~7ミリと小さく、雄しべが多数飛び出した形をしており、<蕚>から花弁が落ちた後もそのままの姿を保ち続けています。
学名の「Backhousia citriodora」は、植物学者の<フェルディナント・フォン・ミュラー>が、彼の友人である植物学者の<ジェイムズ・バックハウス>にちなんで1853年に命名しています。
花を同定するときの一番の要は花姿ですが、今回はこの【イソトマ】に振り回されました。
本来は星形の5弁花ですが、写真の花は明らかに歪な花弁の形状で、ユキノシタ科ユキノシタ属の 「ユキノシタ」 やアカバナ科ガウラ属の 「ガウラ」 の仲間かなと考え調べましたが、ギザギザの切れ込みのある「羽状複葉」の形状が、思いついた属とは違います。
ある花のページで花弁の形が星形ではなく、写真のように変形した【イソトマ】を見つけ、「こんな形にもなるのかぁ~」と納得した次第です。
花は5月~7月頃に咲き、秋にも少しばかり開花、原産地のオーストラリアなどでは多年草ですが、日本では秋蒔きの一年草扱いです。
一般的な花色は「イソトマ・ブルー」とも言われる 青色 ですが、白色とこの桃色が流通しているようです。
3年の一度開催されます「第17回世界バラ会議」が、今年は5月27日(水)から6月1日(月)にかけて、フランスのリヨンで行われました。
過去に 「ピース」(1976年)・ 「クイーン・エリザベス」(1978年)・ 「アイスバーグ」(1983年)・ 「イングリッド・バーグマン」(2000年)などが<バラの殿堂入り>をしていますが、今回は【カクテル】が選ばれています。
育成されたのはフランスの<メイアン>社ですが、歴史は古く1957年の作出で、殿堂入りとしてはめずらしい一重咲きの中輪種です。
写真の【カクテル】は、開花して日が経つのか蕊が茶色くなっています。
開花直後には中心部が黄色くなっていますが、数日立ちますと白色に変化していきます。
<アロン・ドロン>と関係のあった、映画女優の<ロミ・シュナイダー>(1938年9月28日~1982年5月29日)に捧げられた<バラ>です。
わたしの好物のひとつである【スモモ(李)】の実が、庭木としてたわわに実っていましたので、うらやましく眺めてしまいました。
バラ科サクラ属の落葉小高木で、原産地は中国で、【スモモ(酢桃)】の実は「桃」に比べても酸味が強いことが和名の由来になっています。
「梅」の花が終わり「桜」が咲き出す前あたりの初春に、白い5弁花の花を咲かせ、6月下旬から8月中旬頃に実が熟します。
【スモモ】の多くは自分の花粉では結実しにくい<自家不和合性>で、ほとんどの品種で受粉樹が必要となりますが、「サンタローザ」や「メスレー」などのように1本で結実する品種もあります。
余談ですが、中国の『古楽府・君子行』にある「李下に冠を正さず」の「李」は、この【スモモ】のことです。
新しい花を取り上げるのもやや難しい時期のようで、5月頃から9月頃までと花期の長めの【コンボルブルス・サバティウス】です。
ヒルガオ科セイヨウヒルガオ属で、地中海沿岸のアフリカ北部からヨーロッパ南部の温帯から亜熱帯にかけて焼く200~250種が分布するつる性植物です。
花後に枯れる一年草と冬を越して毎年花を咲かせる多年草タイプの2種類があり、一年草タイプで代表的な品種が「コンボルブルス・トリカラー」で、日本には明治時代に導入、花の基本は濃いあおいろの花弁で中心部が黄色、その中間部に白色が入り、その色合いから「サンシキヒルガオ(三色昼顔)」という和名が付けられています。
写真は多年草タイプの【コンボルブルス・サバティウス】で、改良された園芸品種として人気があり、「ブルーカーペット」の名称で普及しています。
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